めくらぶだう→ノブドウ

(略)その城あとのまん中に、小さな四っ角山があって、上のやぶには、めくらぶだうの実が、虹のやうに熟れてゐました。
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(略)
そのかすかなかすかな日照り雨がはれましたので、草はきらきら光り、向ふの山は明るくなって、大へんまぶしさうにわらってゐます。
そっちの方から、もずが、まるで音符をばらばらにしてふりまいたやうに飛んで来て、みんな一度に、銀のすゝきの穂にとまりました。
めくらぶだうは感激して、すきとほった深い息をつき、葉から雫をぽたぽたこぼしました。
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(略)めくらぶだうの青じろい樹液は、はげしくはげしく波うちました。
さうです。今日こそ、たゞの一言でも、虹とことばをかはしたい、丘の上の小さなめくらぶだうの木が、よるのそらに燃える青いほのほよりも、もっと強い、もっとかなしいおもひを、はるかの美しい虹に捧げると、……(略)
                       童話「めくらぶだうと虹」

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ノブドウ(ブドウ科ノブドウ属)野葡萄
山地や丘陵地、野原や河原にごくふつうに生える落葉つる性木本。茎の基部は直径4cmほどになる。葉と対生して二俣に分かれた巻きひげがある。
葉は互生し、直径4~13cmのほぼ円形、ふつう3~5裂する。7~8月、茎先に葉に対生して花序を出し、淡緑色の小花を開く。液果は球形で、淡緑色から紫色、碧色となる。





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近寄って見ると、それは下手に丸めた白団子で、いびつだし、大小さまざまある。そこへかかった染め粉の具合もいろいろで、梨地、胡麻点散らし、墨流し模様、どぎつい青一色、薄緑地に黒っぽい紅紫の霧吹き染めなど、染め方の見本帖みたいだ。
                                  「ノブドウ」 宇都宮貞子『秋の草木』より

思いがけず、ご近所の運送会社の事務所脇のフェンスに絡まった立派なノブドウを見つけた。いつも車で通りすぎてしまうところだったが、たまたま自転車で通りすがりに発見。雨上がりを見計らって撮影させていただいた。イーハトーブでは9月末に色づき始めるが、このあたりでは1ヶ月ほど遅い。
ノブドウに出会うと、「めくらぶだうと虹」を思い出し、撮影していると、宇都宮さんの文章を思い出す。
Commented by nenemu8921 at 2008-11-04 23:04
不手際から 見えない画像があったようですので、一度削除して、入れなおしました。
いただいたコメントはそのままコピーさせていただき、アップしました。

Commented by matsu_chan3 at 2008-11-03 21:08 x
まだ熟していないノブドウは色合いが面白いですね。
こちらではもう真っ黒に熟しほとんどヒヨドリや
ヒグマに食べられていますよ(^_-)-☆
Commented by mo-su1717 at 2008-11-03 22:51
ノブドウ綺麗。この色合いは大好きです。近くで見れるのですね。自転車だと発見がありますよね。
Commented by 夕焼け小焼け at 2008-11-04 08:17 x
ノブドウ、実にきれいですね。まさに地上の虹です。
これも賢治ブルーですね。ラッキョウの花も、東金まで撮影に行く予定でしたが、小学校の傍の市民農園で見つけたのです。身近にも小さな自然、さがせばあるものですね
宇都宮貞子さんの草木覚書は絶版で古書市場でも、出てこないそうですね。


Commented by nenemu8921 at 2008-11-04 23:06
つづきです。
Commented by nenemu8921 at 2008-11-04 09:09
matsu_chanさん。ヒヨドリやヒグマがノブドウを食べますか?
初めて伺いました。
北海道では、そろそろ初雪の便りが、あちこちから聞かれる頃でしょう。
きびしい季節だけれど、美しい季節になりますね。


Commented by nenemu8921 at 2008-11-04 09:13
基子さん。本当に!!
車から降りると、周期がクローズアップされるようです。
ラッキョウの花も、東金まで撮影に行く予定でしたが、小学校の傍の市民農園で見つけたのです。身近にも小さな自然、さがせばあるものですね。
Commented by nenemu8921 at 2008-11-04 09:16
夕焼け小焼けさん。立派なノブドウでしたが、フェンスに絡まっているというのが残念なところです。
きっと、この実の美しさを感じる人がいて、刈らずに残しているのでしょうね。
Commented by nenemu8921 at 2008-11-04 23:07
つづきです。
Commented by tamayam2 at 2008-11-04 09:51
ああ、なんてきれいなノブドウ。驚きです。そして、なんと
素敵な賢治さんのお話。いいものを見させていただきました。
ありがとう。
Commented by キッコ at 2008-11-04 16:35 x
めくらぶどうというのは方言ですか?
あまりいい言葉ではないですね。賢治用語としては。
野原のぶどうそのものは、たしかにこうしてみると、すばらしいですが。
Commented by nenemu8921 at 2008-11-04 18:12
tamayamさん。
ノブドウは本当に美しいと思いました。
腕がよかったら、もっときれいに撮れるはずですが…。

Commented by nenemu8921 at 2008-11-04 18:15
キッコさん。めくらぶどうは方言のようです。
盲人(座頭)の目玉に似た実をつけることからだそうです。

Commented by rinrin at 2008-11-04 21:52 x
やっとこちらにこれましたよ~
こちらの読むものが貯まってました^^;)
↑2枚写真が見れないのは私だけかしら?
Commented by nenemu8921 at 2008-11-04 23:09
rinrinさん。ようこそ。これでいかがでしょうか。

こんど全画面が見えますでしょうか。

Commented by sdknz610 at 2008-11-05 22:26
こんなにキレイな色・・・!nenemu8921さんがノブドウが大好きというのが伝わって来ます♪
一度私も見てみたい!・・・
Commented by グレ at 2008-11-06 00:25 x
こんばんは(*^。^*)/
ノブドウってきれいな色ですね、トルコ石のようなラピスラズリーのような神秘的な色で素敵!
こんなに色々と変化するんですね!
”めくらぶどうの実が、虹のように熟れていました”
ぴったりの表現ですね(*^^)v
Commented by nenemu8921 at 2008-11-06 00:39
samさん。気にかけていたら、きっと目に付くと思います。
ぜひ、傑作を撮ってください。
Commented by nenemu8921 at 2008-11-06 00:41
グレさん。ありがとう。
トルコ石にとても似ているなと私も思いました。
こんなピアスが欲しいですね。(#^.^#)
Commented by rinrin at 2008-11-06 08:07 x
ちゃんと全部見れました♪
Commented by nenemu8921 at 2008-11-06 08:41
rinrinさん。ありがとう。あなたのコメントいただくまで、わからなかったのよ。こちらからは見えていたので。
きっと何回も画像を入れなおしたのがよくなかったのね。
友人からの電話も助かりました。
どうぞ、今後ともよろしく。
Commented by namiheiii at 2008-11-06 10:08
金網フェンスに這っている。野生のものでしょうがまるで栽培したかのように整ったまるまるした実がついていますね。葉もきれいです。
メクラブドウの名、唐突ですがなんとなく分かる気がします。
Commented by nenemu8921 at 2008-11-06 18:41
namihei先生。この株はかなり年数のたったものらしく、茎も太いのです。
ですから、立派な実がついたのでしょうか。
メクラブドウは差別用語だというので、教材からこの作品は追放されました。……。
by nenemu8921 | 2008-11-04 22:53 | 植物 | Comments(12)

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