楊の花芽
2009年 03月 21日
(略)
去年の春にでかけたときは
きみたちは川岸に居て
生温い南の風が
きみのかつぎをひるがへし
またあの人の頬を吹き
紺紙の雲には日が熟し
川が鉛と銀とをながし
楊(やなぎ)の花芽崩れるなかに
きみは次々畔を堀り
(略)
詩〔一昨年四月来たときは〕
1.
2.
3.
(ヤナギ科ヤナギ属)犬行李柳
日あたりのよい川岸や湿地などにふつうに生える落葉低木。
賢治作品によく登場する楊(やなぎ)は、カワヤナギの総称。カワヤナギはタチヤナギ、ヤマヤナギ、キツネヤナギ、オオキツネヤナギ、アカメヤナギ、ケショウヤナギなど多くの種類があるが、その識別は葉が出ないと難しい。
賢治は枝垂れやなぎは、柳と書き、その学名からバビロン柳と呼び、カワヤナギと区別して使うことが多い。
春一番にカワヤナギは芽吹く。花芽が崩れた状態は3。
作品は「春と修羅 第三集」から。
かつぎは被衣(かずき)で、頭を覆うこと、頭にのせることと広辞苑にある。ここでは頭に巻いた手ぬぐいといったところか。
紺紙は紺色に染めた経紙のことだが、ここでは雲の形容。紺色の雲ではなくて紺青色の空に浮かぶ雲のことか。他にもこの用例は少なくない。いずれも春の雲の形容。
川が鉛と銀とをながしとは、川の水の形容。
#2は動物的で面白いな~♪ グニュグニュ動いているようです。
どこかで見掛けたら撮ってみたいと・・・。
コヤナギ位しか知らなかったが色々種類があるのですね。