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楊の花芽

一昨年来たときは、
(略)
去年の春にでかけたときは
きみたちは川岸に居て
生温い南の風が
きみのかつぎをひるがへし
またあの人の頬を吹き
紺紙の雲には日が熟し
川が鉛と銀とをながし
楊(やなぎ)の花芽崩れるなかに
きみは次々畔を堀り
(略)
                  詩〔一昨年四月来たときは〕

1.
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2.
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3.
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イヌゴリヤナギ
(ヤナギ科ヤナギ属)犬行李柳
日あたりのよい川岸や湿地などにふつうに生える落葉低木。

賢治作品によく登場する楊(やなぎ)は、カワヤナギの総称。カワヤナギはタチヤナギ、ヤマヤナギ、キツネヤナギ、オオキツネヤナギ、アカメヤナギ、ケショウヤナギなど多くの種類があるが、その識別は葉が出ないと難しい。
賢治は枝垂れやなぎは、柳と書き、その学名からバビロン柳と呼び、カワヤナギと区別して使うことが多い。

春一番にカワヤナギは芽吹く。花芽が崩れた状態は3。

作品は「春と修羅 第三集」から。
かつぎは被衣(かずき)で、頭を覆うこと、頭にのせることと広辞苑にある。ここでは頭に巻いた手ぬぐいといったところか。
紺紙は紺色に染めた経紙のことだが、ここでは雲の形容。紺色の雲ではなくて紺青色の空に浮かぶ雲のことか。他にもこの用例は少なくない。いずれも春の雲の形容。
川が鉛と銀とをながしとは、川の水の形容。
Commented by sdknz610 at 2009-03-22 16:47
柳ってそんなに種類が多いんですか~・・・。全く見分けが付きませんです(汗)
#2は動物的で面白いな~♪ グニュグニュ動いているようです。
どこかで見掛けたら撮ってみたいと・・・。
Commented by matsu_chan3 at 2009-03-23 19:01
ネイヌゴリヤナギは初めて知りましたがきれいですね!
コヤナギ位しか知らなかったが色々種類があるのですね。
Commented by nenemu8921 at 2009-03-23 21:44
samさん。本当にヤナギの花芽は生き物のようです。
次の日に見ると、全くちがった形になっているのですもの。
ぜひ、撮ってみてください(^^♪
きっと夢中になりますよ。
Commented by nenemu8921 at 2009-03-23 21:48
matsu_chanさん。
ネコヤナギも同じ仲間です。(*^_^*)
こちらは、実物は小指の先ほどの小ささです。
きっと、鳥の撮影をなさる川べりで見ていらっやると思うのですが…。
Commented by ウーミン at 2009-03-24 07:26 x
賢治のベムベロですね。
いろんな表情があるんですね。
これは花粉症とは関係ないです?
Commented by nenemu8921 at 2009-03-24 08:59
ウーミンさん。ベムベロは①の画像のような状態ですね。
ネコヤナギのイメージが強いけれど。
ヤナギの穂が花粉症になるか、どうか…。存じませんが。
ウーミンさんも花粉症ですか? つらい季節ですね。
by nenemu8921 | 2009-03-21 22:58 | 植物 | Comments(6)

宮沢賢治の愛した鳥や植物


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