牆林(ヤグネ)
2009年 03月 24日
町へでかけた用足(タシ)たちも
背嚢(ケラ)をぬらして帰ってくる
……凍らす風によみがへり
かなしい雲にわらふもの……
牆林(ヤグネ)は黝く
上根子堰の水もせゝらぎ
風のあかりやおぼろな雲に洗はれながら
きゃらの樹が塔のかたちにつくられたり
崖いっぱいの萱の根株が
妖しい紅をくゆらしたり
(略)
詩「凍雨」
牆林(ヤグネ)は、屋敷の周囲に植え込んだ防雪雨林。他の作品では家ぐねの字をあてている。
牆(ショウ、ゾウ、かき)は家の周囲の意。牆林(ショウリン)は垣根の植え込みの樹木。
(略)
北は鍋倉円満寺
南は太田飯豊笹間
小さな百の組合を
凍ってめぐる白の天涯
詩「凍雨」
観音山にある円満寺(円万寺)の観音堂
観音堂から下へ続く階段(かなり高いところにあるわけです)
手前が観音山で後ろの小高い山が江釣子森。鍋倉あたりでしょうか。
風のワークショップの後、小雪が舞う中を地元の友人Sさんにご案内いただいた。
Sさんのお話ではヤグネは”え”ぐねと発音するそうです。ありがとうございました。
観音山から見た情景は、「あちこち暗い家ぐねの杜」(詩〔道べの粗朶に〕)を連想させた。
しかし今日は気温が低く水溜りは凍っていました。
春らしくなるのは来週頃からかな・・??
鍋倉周辺だと思います。
観音山からの撮影です。
この詩を書いた賢治はどのへんに立っていたのでしょう。
この情景を見たとき、「ああ…」と思いました。
天候がひどかったので、いい写真にならずにごめんなさい(冷汗!!)