バナナのエポレット
2010年 01月 22日
バナナン大将
「実に立派ぢゃ、この実はみんな琥珀でつくってある。
それでゐて琥珀のやうにおかしな匂でもない。
甘いつめたい汁でいっぱいぢゃ。新鮮なエステルにみちてゐる。
しかもこの宝石は数も多く人をもなやまさないぢゃ。来年もまたみのるぢゃ。
ありがたい。
又この葉の美しいことはまさに黄金ぢゃ、
日光来りて葉緑を照徹すれば葉緑黄金を生ずるぢゃ。
讃ふべきかな神よ。」
戯曲「飢餓陣営」
たしかに数も多く、
来年も根元から出た新しい芽が伸び、
次々実をつけますが…。
ワイン色の大きな花弁に見えるのは苞葉で、果指の部分が本当のバナナの花である。果指一つ一つが一本のバナナに成長し果房がバナナの房となる。なお、開花は一本の偽茎につき一回のみで開花後は株元から吸芽を出して枯れてしまう。
賢治が花巻農学校の生徒らに上演させた
オペレッタ風の劇「飢餓陣営」に登場するバナナン大将は、
お菓子の勲章や
バナナのエポレットを
つけていたのだった。
おなかをすかせた兵士らは、
なんだかんだといって、
大将からそれらを取り上げて、
食べてしまうわけですが…。
賢治の時代のバナナは現在では想像がつかないほど高価なものだったろう。
バナナダイエットなんて、ゆたかな時代のあだ花のようですね。
1963年、輸入自由化以後、大量に安く出回るようになった。
最近では何処にもドーム型の熱帯植物園があって、
たいていバナナの木(正確には草だが)が備わっている。
どなたもちょっと注意すれば、バナナの花に出会えますよ。
今回のバナナは1週間ほど前、
千葉市花の美術館で取材したもの。
花はこんな風に偽茎につく。
ちょっと、温度不足? 栄養不足?なのかな?
面白いですね。
やはりいい匂いがしますか?
熱帯植物園のバナナも食べられますか?
勲章はお菓子のようですが、バナナのエポレットは本物のバナナだと
思っていました。
えっ、バナナもお菓子なの?
でも、「皮を剥いてはいかんぢゃ…」と言ってますよ。(^^♪
こんな青くはないでしょうが…。
金無垢だと言ってますね。えっへへ…。
ひね人参さん、時々刺激的なご高見をお寄せ下さい。(*^_^*)
バナナの花は地味ですね。(^^♪
北海道旅行でも、バナナは出てきますね。
エポレットは軍服の肩章、肩飾りでしょうか。
バナナン大将というネーミングからして、バナナはこの芝居の看板だったのでしょうか。
宮沢賢治はパイナップルなどには言及していないのですか?
昔はパイナップルの缶詰もご馳走でしたね(*^_^*)
資産家か肩章をつけている高級軍人して食べられなかったのでしょうね。
昔 上野のアメ横の果物店が大量のバナナを売っているのを見て、バナナも自由化され、やっと食べられると喜んだ時の事を思い浮かべました。
あっ、「函館港春夜光景」ですね。屋台ですね。
私が行った時はカニは売っていましたが、バナナは売っていませんでした。
今では珍しいものではないですものね。
賢治作品にはパイナップルは登場しなかったと思います。
ホント、昔は缶詰あけると、幸福感ありましたね(*^_^*)