やなぎの花

けふはぼくのたましひは疾み
烏(からす)さへ正視できない
  あいつはちやうどいまごろから
  つめたい青銅(ブロンズ)の病室で
  透明薔薇の火に燃される
ほんたうに けれども妹よ
けふはぼくもあんまりひどいから
やなぎの花もとらない
                 詩「恋と病熱」


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ネコヤナギ(ヤナギ科ヤナギ属)salix gracilistyla
山野の水辺などに自生する落葉低木。雌雄異株。
カワヤナギの類では銀白色の花穂が大きく、美しいので、鑑賞用としても栽培されている。
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〈やなぎの花〉といったら、このヤナギのイメージが強い。
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ミツバチ君も蜜集めに懸命でした。
毎年、この季節になると、ヤナギの花を撮影せずにいられない。
毎年撮っているのに、もういいという気持ちにならないのがふしぎである。

作品は「春と修羅」中の1編。
妹が病気で苦しんでいるときに、自分は修羅のさなかにいることの負い目が歌われている。
以前にも紹介したが「冬のスケッチ」に原点がある。

〈「新宮沢賢治語彙事典」で、このやなぎの花を鵞黄の柳と混同したり、雪柳の花かとも考えられるとあるのは、明らかな間違いである〉
Commented by rinrin at 2010-03-13 13:26 x
賢治の妹のとしが卒業して教鞭もとった女学校には今も門の前に大きなしだれ柳の木があります。校舎を新しくするときに、女学校の卒業した方が切る事に大反対をして残ったようです。花巻祭の太鼓をたたくバチも川原の柳を取ってきて紙を巻いて自分で作りますし、豊沢川には今も沢山ありますからね。でも、わざわざベンベロと柳の花を分けて書くのには訳があったんですか?この頃としは、何処で療養していたんですか?
Commented by nenemu8921 at 2010-03-13 20:57
rinrinさん。そうですか。
花巻高女、今の南高校ですか、大きなしだれ柳があるのね。
賢治の時代のものですか? 見てみたいなあ。(#^.^#)

ただ、しだれ柳は賢治はバビロン柳と表記することが多いのです。
学名がsalix babylonica だったからでしょうね。
賢治がやなぎ、楊と表記したのは、このネコヤナギを含むカワヤナギ類の総称と考えられます。サリックスと表記することもあります。
ベムベロはトップの画像の灰色の状態だと思います。
やなぎの花と言った場合はトップの画像の黄色い蕊が目立ち始めた状態のことを指すと思います。
2番目は花が半分咲いていますね。これがもっと進んだ状態を花芽が崩れるときといった風な表現をしています。
三番目の画像は花の状態のアップです。ですからミツバチを入れました。(^^♪
Commented by nenemu8921 at 2010-03-13 20:58
rinrinさん。続きです。
厳密に定義していたわけではなく、詩句や童話の文章でも、言葉のリズムや語感から、そのケースバイケースで、言葉を選び、彫琢を重ねたと思われます。
文学とはそういうものです。
又、この作品は1922〈大正11〉年、3月20日の日付があります。
トシは自宅で療養中でした。〈下根子桜の別宅に移ったのは7月末で、11月19日に豊沢町の自宅に帰り、27日に逝去〉
少しお役に立ったでしょうか。
又なにか、あれば聞いてくださいね。
私に分かることであればいいのですが… (^^♪
Commented by rinrin at 2010-03-14 00:02 x
nenemuさん、ありがとう
もしかして、トシが花巻病院に入院してたら、女学校と花巻病院はお隣だから、この柳も見えたかも、なんて思ったのですよ。
入るときの松ノ木と柳の木は随分古いと思います、母も通ったらしいから、きっとトシも見たと思いますよ。
今の南高は、別の場所に移りましたので、現まなび学園という市の公民館みたいな場所になっています。今度いらしたらご案内します
Commented by saitamanikki2008 at 2010-03-14 09:13
生き物のようにも見える綺麗なネコヤナギの撮り方です。
昔 病院に入院した時 周りの白い壁に飽きて、病院の庭で草花や屋上から見える木々・空を良く見ていました。
療養中なら尚更、生きて草木を見るだけで癒されるような気がします。
Commented by nenemu8921 at 2010-03-14 09:18
rinrinさん。
トシさんは花巻病院に入院されたことはないと思いますよ。
介護の方が住み込んでいらしたと思います。
そうでしたね。花巻高女の跡地ということですね。
学び学園って、広い駐車場があるところでしょう。
利用させていただいたことがあります。(^^♪
Commented by オキザリス at 2010-03-14 09:54 x
ねこやなぎ、きれいに撮れましたね。
この花を見ると、春の彼岸の墓参りの折、祖母が好んでこの花を供えていたことを思い出します。
もう50年以上前のことです。
その時小さかった私は、つまらない花だと思いましたが、今はこのねこやなぎ、大好きな春の花の一つです。
いつも祖母を思い出させる花です。
Commented by キッコ at 2010-03-14 16:16 x
賢治の修羅とは恋愛感情の懊悩もあったということでしょうか。
Commented by nenemu8921 at 2010-03-14 21:06
saitamanikkiさん。
本当に生き物のようです。
なにか、感情を感じさせる形象です。
この時期のネコヤナギは特別なのかな。

病院生活では季節の巡りが心の巡りと重なるように気になりますよね
Commented by nenemu8921 at 2010-03-14 21:08
オキザリスさん。
人それぞれの花物語があるのかもしれませんね。
お祖母さまの思い出ですか。
子どもには確かに渋い趣味でしょうね(^^♪
Commented by nenemu8921 at 2010-03-14 21:08
キッコさん。

そうおもいます。
Commented by ILmoon at 2010-03-15 11:30 x
柔らかく ふっくら ふさふさ・・触ると心地よい。
ほんとに猫の毛みたい。つぼみのときにはね。
ハチさんも春を待ちわびていたことでしょう。
「ネコヤナギ」は、
田圃の用水路岸に生えていたものでしたが、
めっきり減ってしまいました。
何でも刈り込めばいと良いというものではないのに。
Commented by nenemu8921 at 2010-03-17 23:34
ILmoonさん。こちらのコメント気づかずにてごめんなさい。
カワヤナギの類は水辺に多いですね。
春一番という風で、出会うと嬉しくなりますが、葉が茂ると、気にならなくなる樹木でもありますね。
川岸が整備されると、邪魔者扱いされる樹木でしょうね。(~_~)
by nenemu8921 | 2010-03-12 23:41 | 植物 | Comments(13)

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