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谷の氷柱

(略)
黒い蝸牛水車(スネールタービン)で、早くも春の雷気(らいき)を鳴らし、鞘翅発電機(ダイナモコレオプテラ)をもって、愴(さう)たる夜なかの眠気(ねむけ)を顫はせ、大トランスの六つから、三万ボルトの痙攣を、野原の方へ送りつけ、斑気(むらき)多情の計器(メーター)どもを、ぽかぽか監視してますと、いつかそこらがだんだん温(ぬる)く、巨大なフズリナ配電盤は、交通地図の模型に変り、玩具の汽車も馳けだして、海より眠い耳もとに、やさしい声がはいってくる、おお恋人の総身は玲瓏とした氷でできて、谷の氷柱(つらら)を靴に穿(は)き、淵の薄氷(うすひ)をマントに着れば、胸にはひかるポタンシュバルヴの心臓が耿々としてうごいてゐる。
(略)
                                      詩「詩への愛憎」

☆☆画像はクリックすると大きくなります☆☆
谷の氷柱_c0104227_1341892.jpg
晩年に「詩人時代」に発表した作品だが、やや概念的でイメージしにくい作品である。
このセンテンスも長く、比喩が独特で、当て字もルビもまた賢治風である。
谷の氷柱_c0104227_1340594.jpg

谷の氷柱という言葉が気になっていた。関東の地方都市で育った人間には見聞する体験がなかったからである。
しかし豊かな情報の時代はありがたい。奥秩父で出会う機会を得た。三十槌(みそつい)の氷柱である
一昨日でしたが、春間近、氷柱はだいぶとけかかっておりました。荒川源流の岩清水ですね。
谷の氷柱_c0104227_13415823.jpg
しかし、実際の谷の氷柱を見て、ますます詩のイメージは混乱してしまいました。
谷の氷柱_c0104227_1346539.jpg

全体像を捉えようと、少し上流際からシャッターを押せば、なぜか虹色の陽光が降り注ぎ、不思議な画像になりました。
谷の氷柱_c0104227_13145839.jpg

Commented by matsu_chan3 at 2011-02-28 18:30
谷の氷柱が見事にできていますが寒いところですね。
光の変化で綺麗ですね・・(^_-)-☆
Commented by tamayam2 at 2011-02-28 20:20
え?この虹色は、どうして?素晴らしい自然から
の贈り物ですね。
Commented by yamakin716 at 2011-03-01 01:29
氷柱見事ですね、この暖かさで大分融けて来たんでしょうね…?
最後の写真の虹色は珍しいのでは…?
幻想的な雰囲気でとても綺麗です。

それにしても、まめにあっちこっち行きますね~…!
Commented by nenemu8921 at 2011-03-01 06:46
matsu_chanさん。おはようございます。
日陰になっていて、融けにくいところなのでしょうね。
川原が凍っているかと心配でしたが、歩けるところは大丈夫でした!!
北海道では、谷の氷柱なんて珍しくもないでしょうね。
Commented by nenemu8921 at 2011-03-01 06:58
tamayamさん。不思議でしょう。
この位置から撮った5,6枚はみな虹の陽光が写っていました。
失敗写真と思いましたが、面白いのでUPしました(^_-)-☆
Commented by nenemu8921 at 2011-03-01 07:08
yamakinさん。おはようございます。
いちばん凍った状態の8割くらいだそうです。
埃で汚れが目立つので、WBを変えて撮影したものをUPしました。

関越道がすごく混んでいて時間がかかりました。やれやれでした。
電話で問い合わせたら、花園インターから1時間と聞きましたが、
花園へたどり着くのにたいへんでしたよ。(^o^)ゞ


Commented by namiheiii at 2011-03-01 09:29
ラスト、不思議な写真ですね。こんな虹見たことがありません。水の飛沫は飛んでいたのですか?
Commented by nenemu8921 at 2011-03-01 18:17
namihei先生。
しぶきは飛んでいなかったと思います。陽の光だと思います。
日が当たるのは一日で1時間くらいだそうです。その時間帯だったようですが。
ひどい失敗作みたいですが、不思議だったので皆さんにお見せしたかったのです。
Commented by boniy at 2011-03-01 21:08
我家の方はそこかしこで見られ、この辺は昔から温泉のほうに向くと
谷間なんていくらでもありますからね
この辺では葛丸川のたろし(氷柱)が有名ですね
写真で見ると別の物に感じますね
Commented by odamaki719 at 2011-03-01 22:47
こんばんは✿
奥秩父の谷の氷柱は何度かテレビの中継で見た事があります。
行かれたのが昨日でなくてよかったです。
昨日は寒くて酷い日でしたから出かけられはしないでしょうが
きっと寒さでまた氷柱が出来ている事でしょう。
ラストは本当に幻想的に撮れていて素晴らしいです。
Commented by ミチ at 2011-03-02 11:24 x
こんにちは。
秩父まで行くと大きな氷柱が見られるのですね。
ラストの写真は虹がかかって不思議で素敵です。
Commented by misty_hill at 2011-03-02 20:03
こんばんは 
お久しぶりです。 とても美しい青ですね。
青は 神秘的な色でもあり 清々しい色でもあり
青の写真は大好きです。
色彩の豊かな nenemuさんのブログにはいつも驚かされます。 素敵な写真 ありがとうございます。
Commented by nenemu8921 at 2011-03-03 11:10
boniyさん。寒い日が続いています。
そうですね。イーハトーブの冬景色はいたるところに氷柱ありでしょうね。(^.^)(^.^)
軒の氷柱に関して触れていないのも、賢治風だなと思います。
Commented by nenemu8921 at 2011-03-03 11:12
odamakiさん。ありがとうございます。
ここ数日春の足踏み状態ですね。
ここは27日で一般公開はクローズされたようです。
テレビで見たことがなかったので、感激でしたよ(^_-)-☆
Commented by nenemu8921 at 2011-03-03 11:14
ミチさん。近いと思ったら、かなり奥でしたよ。
ナビがなかったら、とても行く勇気はなかったと思います。
ラストの写真は、ほんとうに不思議ですね。??
Commented by nenemu8921 at 2011-03-03 11:18
misty_hillさん。ほんと、お久しぶりです。
青の世界、ありがとうございます。
宮沢賢治の表現には青という言葉が頻出するので、つい、青く撮りたくなります。
彼は青い蒼いサングラスをかけて世界を見ていたのかもしれません。
(^_-)-☆
Commented by namiheiii at 2011-03-05 10:42
太陽光が上方の氷柱を通して分光されたのかもしれませんね。肉眼でもこのように見えたのですか?いや珍しい写真です。学術的価値があるかもしれません^^
Commented by nenemu8921 at 2011-03-07 09:02
namihei先生。おはようございます。
肉眼ではまったく見えませんでした。かなり距離を置いた場所からの撮影です。
WBを変えて4,5枚撮りましたが、どれもこんな風でした。
氷柱を通して分光ですか? 
不思議というより、気持悪い印象もあります。
Commented by sdknz610 at 2011-03-08 22:15
nenemuさん、スゴイ画を撮るんですね~ラストのは特に、まさに大自然の驚異を定着されましたね。
勉強になりますな~♪ありがとうございます。
Commented by nenemu8921 at 2011-03-09 01:17
samさん。
偶然でした。
単なるゴーストかなとも…。
by nenemu8921 | 2011-02-28 13:51 | 気象 | Comments(20)

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by nenemu8921