新緑

向ふも春のお勤めなので
すっきり青くやってくる
町ぜんたいにかけわたす
大きな虹をうしろにしょって
鷺のかたちにちぢれた雲の
そのまっ下をやってくるのもかあいさう
   (Bonan Tagon, Sinjoro!)
   (Bonan Tagon, Sinjoro!)
桜の花が日に照ると
どこか蛙の卵のやうだ 

                  詩「向うも春のお勤めなので」


1、
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シデの仲間でしょうか

2、
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3、
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ハウチワカエデ〈カエデ科カエデ属)Acer japonicum Thunb 羽団扇楓

4、
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朴でしょうか。花はまだまだです。
5、
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先週、鬼怒川にて撮影


何があっても、自然は律儀に季節ごとの表情を見せる。
春を擬人化するのは誰でもやる手法だが、虹を背負って雲の下をやってくるという表現は、
壮大なイメージだ。
〈すっきり青くやってくる〉を、新緑のイメージで捉えてみた。
賢治文学では、新緑とか、新芽とかいう凡庸な表現はほとんど登場しない。すごいと思う。
 (Bonan Tagon, Sinjoro!)は、エスペラント語で「だんなさん、こんんちわ」の意。
イーハトーブの春はエスペラント語で丁寧に挨拶するわけだ。
末尾の2行は賢治自身の感慨。ユニークである。





満開のソメイヨシノはたしかに蛙の卵みたいだと思いませんか。
6、
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7、
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こちらは、2011.4.赤城山麓の珊瑚寺にて撮影。
画像はクリックすると大きくなります。

Commented by odamaki719 at 2011-05-17 10:32
おはようございます✿
若葉の美しい季節ですね。
1枚目は青空に映えて美しいです。
ハウチワカエデも綺麗で花が重そうですね。
朴の葉に透ける日差しがまた美しいです。
Commented by オキザリス at 2011-05-17 12:39 x
こんにちわ。ほんとうにすっきり青くやってきましたね(*^_^*)
すてきな写真です。
ハウチワカエデの背景のピンクのボケは花でしょうか?
柔らかな春の空気、まだ肌寒い空気感が感じられます。
東北では桜の咲く頃と若葉と重なりますか?
満開の桜もすばらしいです。
お寺なのですね。
この詩を読んだとき、わかったような気がしましたが、こうして解説を読むと、改めてなるほどと思います。
実際はわかっていなかったということもわかります。〈汗〉
春はのっしのっしとやってくるのでしょうか?
それともスッスーとやってくるのでしょうか?




Commented by saitamanikki2008 at 2011-05-17 15:24
こんにちは。
カエデの若葉が本当に綺麗ですネ。
3月 採れたてのワカメをお湯に通すと、新鮮なグリーンになりますが
このカエデも食べられるようなグリーン色となってます。
満開のソメイヨシノ と 蛙の卵 なるほどネ
春 浅い水辺にカエルの卵が連なっている風景と似てます。
面白いイメージですね。

Commented by nenemu8921 at 2011-05-17 19:01
odamakiさん。
樹木がみな柔らかくて青々と美しい季節です。
日本は美しい国だなあと実感する季節です。
都会に居ると、忘れてしまいます。
時には出かけるのもいいですね。(^_-)-☆
Commented by nenemu8921 at 2011-05-17 19:12
オキザリスさん。ありがとうございます。
ハウチワカエデは紅い花が美しかったので、谷間に枝を伸ばした樹木を橋の上から望遠で撮りました。
背景はつつじの花だと思います。
詩の解釈はともかく、画像はイメージなので、詳細を極める研究者からは異議申し立てがあるかもしれません(^_-)-☆
三寒四温という言葉があるように、季節の訪れははじめのろのろと、そして、あたふたと初夏のような日が訪れたり…。
今度はよく春の足音を聞こうと思います(^_-)-☆


Commented by nenemu8921 at 2011-05-17 19:17
saitamanikkiさん。
賢治もサラダにしたいくらいだという表現がどこかにあったと思います。
新緑ですよね。
宮沢賢治は情緒的な表現を斥けていますが、自然科学的な感性で、私は違和感はあまり感じないのですが…。
一般的にはどうでしょうか。
Commented by matsu_chan3 at 2011-05-17 19:44
こんばんは
新緑がまぶしいほど綺麗ですね・・
こちらもやっと新緑の若葉が萌えるようですよ\(^o^)/
Commented by haruneko3 at 2011-05-18 18:31
賢治の世界の空気感が良くでている詩だと思いました。
きのう。。。。ウスラウメ?ユスラウメ?
川沿いで発見しました!
とてもうれしかった!
いまそのときの木の実のきらきらを思い出しました。
この詩を読んで。
Commented by nenemu8921 at 2011-05-19 00:16
matsu_chanさん。
本当にまぶしかったですよ(^_-)-☆
これから北海道もいい季節になりますね。
Commented by nenemu8921 at 2011-05-19 00:19
harunekoさん。
ウスラウメ、ユスラウメ…。もう実をつけているのですか?
真っ赤な実がかわいいですよね(^_-)-☆
私の子どもの頃はユスラゴと呼んでいました。
よく食べました。
いままさにharunekoさんの季節ですね(^.^)(^.^)
Commented by オキザリス at 2011-05-24 13:46 x
ハウチワカエデ、きれいですね。
赤い実のようです。
食べたくなります。
Commented by nenemu8921 at 2011-05-24 19:07
オキザリスさん。カエデの類は秋も春もきれいですね。
宮沢賢治はカエデの美しさは書いていないのですよね。
たくさん見る機会があったと思うのですが。
カエデの花は小さいのに目立つのが不思議です。

Commented by ILmoon at 2011-05-25 13:22 x
情景を想い起こさせてくれる言葉の使いよう
言葉の選びに、言葉の並び
不思議な世界ですよ
桜の花は蛙の卵ねぇ ( ..)φメモメモ
Commented by nenemu8921 at 2011-05-26 16:56
ILmoonさん。
桜の花を蛙の卵といった詩人は古今東西いないと思います。
宮沢賢治ってスゴイです。
by nenemu8921 | 2011-05-17 10:21 | 植物 | Comments(14)

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