さいかちの樹

(略)
授業が済むとみんなはすぐ川下の方へそろって出掛けました。
喜助が「又三郎水泳びに行がなぃが。小さいやづど今ころみんな行ってるぞ。」
と云ひましたので又三郎もついて行きました。
そこはこの前上の野原へ行ったところよりもも少し下流で
右の方からも一つの谷川がはいって来て少し広い河原になり
そのすぐ下流は巨きなさいかちの樹の生えた崖になってゐるのでした。

c0104227_226236.jpg

下から見上げるとさいかちの樹は、今の季節、新緑が美しい。
さいかちの実は巨大な豆で、足元には昨年の黒いさやがたくさん落ちていた。
c0104227_2273657.jpg
サイカチ(マメ科サイカチ属)Gleditsia japonica 皂莢
日本の固有種で本州、四国、九州の山野や川原に自生する。また、実などを洗剤代わりに利用することもあった。樹齢数百年というような巨木もある。

「おゝい。」とさきに来てゐるこどもらがはだかで両手をあげて叫びました。
一郎やみんなは、河原のねむの木の間をまるで徒競走のやうに走って
いきなりきものをぬぐとすぐどぶんどぶんと水に飛び込んで、両足をかはるがはる曲げて
だぁんだぁんと水をたゝくやうにしながら斜めにならんで向こう岸へ泳ぎはじめました。
                                        童話「風の又三郎」

c0104227_4471392.jpg

c0104227_4473683.jpg

c0104227_4475763.jpg
ネムノキ(ネムノキ科ネムノキ属)Albizia julibrissin 合歓木
イラン・インドから東南アジアを経て日本の東北地方北部まで自生する。落葉高木。陽樹であり、荒れ地に最初に侵入するパイオニア的樹木である。河原などで見ることも多い。

サイカチノキも、ネムノキも河原で大木を見ることが多い。サイカチはジャケツイバラ科に分類されることもある。どちらもマメ科の仲間だ。サイカチの花は気づかないことが多く、ネムノキは花は目立つが実は気づかないことが多い。
都内水元公園で6月に撮影したもの。
Commented by 寧夢 at 2011-07-03 06:09 x
サイカチ・・・、ぱっと見た瞬間ニセアカシアかと思いました。
家人の社宅にも凄い巨木があるので。
>サイカチの花は気づかないことが多く、
そうですね、意識したことがありません。というか、名前だけ知っていて、近所で見た覚えが無い。

>ネムノキは花は目立つが実は気づかないことが多い。
確かに。それにねむの木は田舎に行かないと余り見ない、
これも近所では余り見ないけれども、この季節は目立つ木ですね。
Commented by tamayam2 at 2011-07-03 09:54
一番上の写真のさわやかなこと!
サイカチもネネムの木、あっ、もとい、ネムの木も
大好きです。本当に気づかない人には、気づかないけど
見える人には、見えるね。
Commented by namiheiii at 2011-07-03 10:57
断然4枚目ですね。洒落てる!
空がバックでシルエットにならないようにするのは難しいですね。ストロボをお使いですか?
Commented by misty_hill at 2011-07-03 18:26
4枚目は 私も好きです。
素敵な写真になりましたね。
Commented by boniy at 2011-07-03 22:23
ねむの木は本当に豊沢川のシンボルみたいに沢山ありました
この花が咲くと自分の子供の頃の夏休みを思い出します
Commented by nenemu8921 at 2011-07-04 06:35
寧夢さん。サイカチの巨木ですか!!
いいなあ。大きな棘がすごいでしょう。
サイカチは地味な黄色い花のようですね。
イチョウなどもギンナンは目立つけれども、花は見過ごすことが多いですよね。
ネムノキの花は午前中でないといい写真にならないのですよね。
午後にはぐったりして、夕方にはしぼんでしまうから。
ネムノキもサイカチも、巨木になるので、最近の都会の住宅地には不向きなのでしょうかねえ。



Commented by nenemu8921 at 2011-07-04 06:41
tamayamさん。
ネネムノキ?ネムノキ?ありがとう。
サイカチの実を昔は石鹸代わりに使ったそうですね。
試してみましたが、泡立ちがイマイチでしたよ。(^_-)-☆
昔の人の日々は、時間的にはゆったりしていたのだなあと思いました。
現代はモノはあふれても時間的にはあわただしくなってしまいましたね。
Commented by nenemu8921 at 2011-07-04 06:44
namihei先生。ありがとうございます。
ストロボはつかいません。
シャッター速度を早くして撮り、画像の編集の際、空の青さが出るように
コントラストを少しあげました。(^_-)-☆

Commented by nenemu8921 at 2011-07-04 06:47
misty_hillさん。
望遠で撮りました。
もう少し、枝先に花がたくさんついていたら良かったのですが……。
(^_-)-☆
Commented by nenemu8921 at 2011-07-04 06:52
boniyさん。
作品舞台のさいかち淵は豊沢川沿いでしょう。
本当に正しい?!夏休みのイメージですね。
バックミュージックは、絶え間ないセミの鳴き声ですよね(^_-)-☆
Commented by odamaki719 at 2011-07-04 07:33
おはようございます✿
きなさいかちの樹は記憶があるのですがそれが思い出せなくて
焦っています~(苦笑) 2枚目涼しげで美しいです。
グロリオサの雫がとても綺麗ですね。
この花が珍しい頃店頭に並んだ時は高価でした。
アガパンサスは雫と撮るのが似会いますね。
Commented by マルメロ at 2011-07-04 17:19 x
サイカチの樹のある淵での川遊びは幼いころの母親の里の風景としてこの風の又三郎の世界と重なってなつかしいです。
2枚目の大きな豆鞘の堅く黒いものを幼い時の風呂屋で老婆がそれをもみながら身体に泡~と不思議で仕方がありませんでした。
今なら天然素材としてもてはやされそうですが。
その里山までのバス路線からほんのりぼかし色の花ネムノキを見ながら行き来したことが今思えば夏休みの光景だったということですね。今日の賢治の木には郷愁がいっぱいです。
Commented by ミチ at 2011-07-04 17:34 x
2枚目のサイカチの実は風鈴を感じさせて爽やかです。
気に入りました。
太陽マジックはクモノイトとは思えない程、素敵な出会いですね。
Commented by nenemu8921 at 2011-07-04 21:33
odamakiさん。
この季節は新緑が美しいので、背景を意識して撮ります。
グロリオサは本当に、昔は高価な花でしたよね。
昨日、ある会に招ばれて、花束を用意しましたが、たくさんグロりオサをいれた豪華なものになりました。
でも、予算内で収まりました(^_-)-☆
Commented by nenemu8921 at 2011-07-04 21:41
マルメロさん。なつかしく思っていただいて、本当にうれしいです。
さいかちの実は今でも5~6個の鞘を束にして販売しているところがありますよ。
ハーブ関係のお店とか、ネイチャーグッズのお店とかで。
でも、思い出は思い出のままの方がいいと思います…。
夏休みの光景ですよね(^_-)-☆
ネムノキもぼかし色(いい表現ですね)が、そうそう~という感じですね(^.^)(^.^)




Commented by nenemu8921 at 2011-07-04 21:45
ミチさん。こんばんわ。
風鈴ですか。なるほど。さわやかな感じですね。
節電対策におすすめですね。(^_-)-☆
蜘蛛の糸は、本当に不思議で、マジックを見る想いで撮影しています。


Commented by Terry Fujisan at 2016-02-21 22:35 x
サイカチの美しい写真に出会って感激です。
青山文平の「つまをめとらば」を読んでいると、終わりの方に「サイカチ」の樹についての叙述がありました。初めて接する植物で、どのような樹だろうと、Webページを調べていると、あなたのページを見つけました。素晴らしい写真とコメントにうっとりしています。
Commented by Terry Fujisan at 2016-02-21 22:38 x
サイカチの美しい写真に出会って感激です。
青山文平の「つまをめとらば」を読んでいると、終わりの方に「サイカチ」の樹についての叙述がありました。初めて接する植物で、どのような樹だろうと、Webページを調べていると、あなたのページを見つけました。素晴らしい写真とコメントにうっとりしています。
by nenemu8921 | 2011-07-03 05:19 | 植物 | Comments(18)

宮沢賢治の愛した鳥や植物


by nenemu8921