やなぎはゆれる →ネコヤナギ
2012年 03月 27日
雲は来るくる南の地平
そらのエレキを寄せてくる
鳥はなく啼く青木のほづえ
くもにやなぎのかくこどり
(ゆれるゆれるやなぎはゆれる)
雲がちぎれて日ざしが降れば
黄金の幻灯 草の青
気圏日本のひるまの底の
泥にならべるくさの列
(ゆれるゆれるやなぎはゆれる)
雲はくるくる日は銀の盤
エレキづくりのかはやなぎ
風が通ればさえ冴え鳴らし
馬もはねれば黒びかり
(ゆれるゆれるやなぎはゆれる)
雲がきれたかまた日がそそぐ
土のスープと草の列
黒くおどりはひるまの灯籠
泥のコロイドその底に
(ゆれるゆれるやなぎはゆれる)
(略)
りんと立て立て青い槍の葉
そらはエレキのしろい網
かげとひかりの六月の底
気圏日本の青野原
(ゆれるゆれるやなぎはゆれる)
詩「青い槍の葉」
山間部の渓流から町中の小川まで、広く川辺に自生する、いわゆるカワヤナギの一種である。
作品は、田植え唄として創作したもの。青い槍の葉は、稲の穂先の形容である。
田の畦のすみに自生しているカワヤナギの葉が風に揺れる。
梅雨ぞらはエレキ模様、つまり雷の気配があるが、時折雲の切れ間から日がそそぎ、カッコウも啼いている。
泥のスープとは、宮沢賢治ならではの表現だ。栄養たっぷりの田の水を糧にして稲よ大きく成長してくれ。
黒くおどりはひるまの灯籠とは、その水を湛えた田に田植え作業をする人の影が、踊っているように黒く映っている。それが回り燈籠の黒い影絵のように見えるというのである。
稲よ、光のエネルギー、エレキの雨も受けて、りんと立ち上がって、大きく成長してくれ。
日本の農村の六月、美しい光景である。
宮沢賢治の筆にかかると、農村のなつかしい情景も新鮮にせまってくる。
カワヤナギが風に揺れる風情は、普通、人が気にも留めないものだ。
画像は葉が出る前のヤナギの花がほころんだ情景。
逆光の中でひかりかがやく一群れのヤナギの樹木に心を奪われた。
ネコヤナギも逆光で撮ると
幻想的な世界ですね。
こんな風に撮られるなんて凄い!!
夕暮れ間近でしたが、圧倒的な存在感でした!!
出会ったとき、おお!すごい!と思いました。
腕とレンズがよければ、もっといい作品が撮れたはずなのですが。
特に 「雲がちぎれて日ざしが降れば」 なんて すぐに頭の中で
情景が浮かびますね。。。
躍動感のある言葉が、想像を呼び起こし引き込まれます(^o^)
nenemuさんの解説のお陰様で、私にもわかりすく助かっています^^
逆光で撮るのがいいですね~ ・・ゆれる ゆれる!
#4の光がはっとします。
春ですねぇ ふわふわ手触りよさそなネコヤナギ
くちゅクチュ くすぐったい想いが湧いてきます。
それに馬酔木みて、春の風情で酔わされてしまいそうです。
素晴らしい。
ドアップで撮らないのも良いですね。
私もネコヤナギは好きで庭に植えたんですが、コガネムシに似た小さい虫がいっぱい付いて、泣く泣く切りました。
生なましいです。
花芽はねじれ、よじれて、パワーを持て余すように見えます。