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ホタルカズラ

(略)
丘はすっかり緑でほたるかづらの花が子供の青い瞳のやう、
小岩井の野原には牧草や燕麦がきんきん光って居りました。
風はもう南から吹いて居りました。
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ホタルカズラ(ムラサキ科ムラサキ属) 蛍蔓

春の二つのうずのしゅげの花はすっかりふさふさした銀毛の房にかはってゐました。
野原のポプラの錫いろの葉をちらちらひるがへし、ふもとの草が青い黄金のかゞやきをあげますと、
その二つのうずのしゅげの銀毛の房はぷるぷるふるへて、今にも飛び立ちさうでした。(略)
                           童話「おきなぐさ」

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オキナグサ(キンポウゲ科オキナグサ属)Pulsatilla cernua 翁草
オキナグサはもうじきもっと白髪になります。ホタルカズラは最近見かけることが少なくなった植物ですね。

宮沢賢治はオキナグサをなぜ《うずのしゅげ》とよぶのか、
こんな風に語っています。
以前、ご紹介しました。 こちらをどうぞ

宮沢賢治が愛したオキナグサは、かつては日本中どこでも自生していた植物ですが、
最近は、環境の変化や、山野草として取引されるため盗掘されたりして、減少し、
絶滅危惧Ⅱ種に指定されています。
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ここ市川万葉植物園で保護されているオキナグサは一昨年、群馬のMr. オキナグサさんからお送りいただいた株を、
私が寄付したもので、庭師の方がていねいに育て、今年はいい花を咲かせ、いまは綿毛になろうとしています。
(同様に寄付した水元公園の野草園では、残念なことに、オキナグサの育成はうまくいきませんでした。
30余株のうち、根付いたのは3株だけ)
しかし、こんな風に厳重に保護されなければならないというのは、ちょっと情けない!
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2012・04・12撮影





市川市万葉植物園はその名の通り、万葉集に登場する草木を集めた小さな庭園ですが、
拙宅からスムーズに行けば、車で20分ほどなのですが、途中、中山競馬場があって、
いつも車が渋滞するので、よし行くぞと決心して出かけないと、辿りつかない場所でもあります。
こじんまりとした園内には、古代から人々を楽しませた植物が季節ごとに豊かな表情で息づいています。
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         キンラン(ラン科キンラン属)Cephalanthera falcata 金蘭

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         ホウチャクソウ(ユリ科チゴユリ属)Disporum sessile 宝鐸草

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         シロバナタンポポ

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         チゴユリ(ユリ科チゴユリ属)Disporum smilacinum 稚児百合

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         ホソバノアマナ(ユリ科チシマアマナ属)Lloydia triflora 細葉甘菜


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         ジュウニヒトエ(シソ科キランソウ属)Ajuga nipponensis 十二単
Commented by yutorie at 2012-05-02 15:40
貴重な植物園ですね。
ホタルカズラ、小さな花ですか。
信州から見れば季節を先取りした草木がつぎつぎ
登場してやがてこれらが・・・と思うととても楽しいです。
いずれ、山で探しましょう!
Commented by kimiko_shibata1 at 2012-05-02 15:49
とても素敵な庭園でした。管理の方々の愛情を感じていました。
オキナグサ、このまわりに黒いネットがありました。
情けない時代、こうしないと守れませんね。

チゴユリもジュウニヒトエも・・・・みんなnenemuさまが写されると一層美人さんです。
先日あってきたお友達に再会した気分です。
Commented by あだっちゃん at 2012-05-02 19:58 x
ホタルカズラのブルーは神秘的な色ですね。
花を主体で撮っていた頃は毎年必ず撮りに行っていました。
また撮りに行ってみたいですね。
Commented by matsu_chan3 at 2012-05-02 21:17
こんばんは
ホタルカズラは鮮やかな青ですね!
オキナグサも初めて見る花です・・実物を見てみたいなぁ~!
Commented at 2012-05-02 21:53
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by pcmimiko0207 at 2012-05-02 23:51
ホタルカズラは、花びらをお日様に伸ばしていますね~
こんなきれいな青い花が群生してたら、遠くからでも目立つことでしょうね^^
オキナグサは貴重な花なのですね! 絶滅危惧Ⅱ種とは(*_*;
自然界のルールを簡単に破った人間が、今度は手厚く保護して守る。。。
人間のエゴが原因なのは悲しいことですね(-"-)
Commented by nenemu8921 at 2012-05-02 23:57
yutorieさん。
そうです。小さな花です。
あまり名前のイメージと合わないような気もしますが。
言葉の響きも賢治は気に入っていたのでしょうね。
ほかの作品でもさりげなく登場させています。
信州の春はゆっくり、これからが本番ですね。
カラマツの新芽情報をお待ちしています。(^_-)-☆
Commented by nenemu8921 at 2012-05-03 00:03
kimikoさま(そうお呼しないとわるいみたいな気持ちになります…)
ネットは綿毛の保護のため? 撮影しにくて…。トホホです。
昨年の綿毛も丁寧に採取して実生から発芽させる試みもされています。
次回立ち寄る機会があれば、是非お声をおかけくださいね。
車で、大町自然公園や水元公園などもご案内出来ると思います。(^^♪


Commented by nenemu8921 at 2012-05-03 00:05
あだっちゃん。
開花して時間がたった花はピンクがかってきますね。
でも、やっぱり新鮮なブルーが好き。
時には野草も見せてくださいね。(^^♪
Commented by nenemu8921 at 2012-05-03 00:08
matsu_chanさん。
オキナグサは北海道には自生していないのかしら。
五月の風と共にお送りしたい気分です(^^♪
Commented by nenemu8921 at 2012-05-03 00:12
鍵コメさん。
オキナグサは河原に自生することが多いようです。
カワラゲバンバンという地方名もあります。

ありがとうございます。
原稿に追われていますが、行ってみようかと思います。
天候次第ですね(^_-)-☆
Commented by nenemu8921 at 2012-05-03 00:26
pcmimikoさん。
ホタルカズラは万葉の時代から愛されていたようですね。
おきなぐさはかつては日本中どこでも見られた花のようです。
でも、私のカメラ力では、宮沢賢治が詩や童話に書いたように
十分な魅力をお伝えできないのが、まことに残念であります(~_~;)
Commented by odamaki719 at 2012-05-03 09:42
おはようございます✿
ホタルカズラは私の好きな色彩の花です。
可憐ですね。
オキナグサの花あとがこのような姿になるとは知りませんでした。
カタクリに実が生るのも初めてしりました。
色々と珍しい植物を見せて頂きました。
Commented by nenemu8921 at 2012-05-04 22:07
odamakiさん。
オキナグサもホタルカズラもカタクリも昔はありきたりの野の花だったのでしょうね。
最近では、見かけることが少なくなり、植栽し、保護されないと、維持されるのも難しくなりました。
by nenemu8921 | 2012-05-02 11:10 | 植物 | Comments(14)

宮沢賢治の愛した鳥や植物


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