ヌスビトハギ

(略)
わたくしは森やのはらのこひびと
蘆のあひだをがさがさ行けば
つつましく折られたみどりいろの通信は
いつかぽけつとにはいつてゐるし
はやしのくらいとこをあるいてゐると
三日月がたのくちびるのあとで
肱やずぼんがいつぱいになる
             詩「一本木野」


c0104227_21242740.jpg


c0104227_21255658.jpg
ヌスビトハギ(マメ科ヌスビトハギ属) Desmodium podocarpum subsp. oxyphyllum 盗人萩

詩「一本木野」は、「春と修羅」中のさくひん。岩手山麓、滝沢村の柳沢の北部の地名。
秋晴れのある日、ここを半日ゆっくり歩くことを、「いつたいなんといふおんけいだらう」と賢治はつぶやいている。
よほど気持ちのよいところだったらしく、更に「わたくしはそれをはりつけとでもとりかへる」とまで言っている。
また、童話「土神ときつね」の舞台でもある。
ここは、現在は自衛隊の広大な演習場で、中に入ることはできない。
「三日月がたのくちびるのあと」は、このヌスビトハギの実のこと。
たしかにくちびる型にも見えますね。
この作品の主題はといえば、イーハトーブの自然賛歌ともいえますが、妙になまめかしい雰囲気があります。
9月にご紹介したヌスビトハギ、アレチヌスビトハギの花は こちらです
Commented by gigen_t at 2012-10-02 08:13
 趣あるものなのに 何故か 無粋なお名前 それなりに理由があるのでしょうねー、
Commented by nenemu8921 at 2012-10-02 08:49
gigenさん。早速ありがとうございます。
和名の由来は「果実が泥棒の足跡に似る」ことからとか、
牧野富太郎博士によると、古来の泥棒は足音を立てないように、
足裏の外側だけを地面に着けて歩いたとのことで、
その時の足跡に似ている由。
本当かしら(^-^;
Commented by yohachi-nitta at 2012-10-02 11:31
いかにも野の花の実という感じですね。
田舎の方ではお盆には、盆棚というのを作って、秋の花を飾って
其の中にハギがありました。
茄子で馬を作ったりして、もうそういう風習はなくなっているかも知れない。
あの萩は、ヌスビトハギと違うかも、白いのもあったよ。
なんにしても、風情が感じられました。
Commented by tsukey at 2012-10-02 13:00 x
花はとても綺麗だったんですね・・子供の時に山に入り、服一杯に着けて帰った記憶が蘇ります・・
Commented by あだっちゃん at 2012-10-02 17:57 x
ヌスビトハギはこんな実をつけるんですか。
まだ見た事がありませんでした。
写真も幻想的で素敵です。
Commented by yutorie at 2012-10-02 18:17
透明感がなんとも素敵です。
Commented by マングース at 2012-10-02 21:28 x
こんばんは。

ヌスビトハギの果実を「三日月がたのくちびるのあと」とはさすが
いい例えですね^^
形だけではなく赤い口紅を塗ったかのような色合いまで似ています♪
Commented by mori at 2012-10-02 22:07 x
毎年夏、自衛隊一本木駐屯地の中に入り、笹森山などの賢治童話の舞台に立つことができる催しがあります。今年は法事で参加できませんでしたが、来年も行うそうです。
柳沢の湧口(わっくつ)もコースに入っています。
ご興味がございましたら、来年の企画をキャッチ次第お知らせします。
Commented by nenemu8921 at 2012-10-02 23:15
yohachiさん。
盆棚ですか。彼岸の人へ送る秋の花ですね。
萩はいかにもふさわしい雰囲気ですね。
茄子の馬は見たことがあります。
たしか、スーパーで売られていたので、ビックリしたのです。
作り方を知らない人のためにでしょうか。

Commented by nenemu8921 at 2012-10-02 23:17
tsukeyさん。
ヌスビトハギの花は小さくて撮影は苦労しました。
かわいい花ですよね。
Commented by nenemu8921 at 2012-10-02 23:19
あだっちゃん。
小さな実(果実)なので、目に留まらないだけかと思います。
背景を気にしながら、撮影します。
中腰になったり、はいつくばったりしながらです。(^_-)-☆
Commented by nenemu8921 at 2012-10-02 23:20
yutorieさん。
どうもこの小さな実が気になって、毎年撮らずに入られません。
Commented by nenemu8921 at 2012-10-02 23:24
マングースさん。
自然観察会では、よく「ブラジャー型の実です」と、解説する人がいて、
いつも笑いを誘います。
この詩はやはりどこ艶かしいですね。
Commented by nenemu8921 at 2012-10-02 23:28
moriさん。ようこそ。
まあ、そんな催しがあるのですか?!
是非、機会があれば、行きたいです。
柳沢の湧口ですか。野馬のいた場所でしたっけ。
来年はご案内をよろしくお願いします。
楽しみです。(^.^)(^.^)
Commented by pcmimiko0207 at 2012-10-02 23:35
何これ!?と、第一印象
まだらの赤い色が妙にグロくて・・・嘲笑ってるみたい(>_<)
見る角度で、表情が変わり歌っているようにも。。。
はりつけになっても良いほど満喫した岩手山麓に、わたしも行って見たい! どんなふうに感じるだろうか
Commented by nenemu8921 at 2012-10-03 06:07
pcmimikoさん。
あら、ま、グロですか。そういわれれば。。。。
やっぱりUPはよくなかったかなあ。。。
岩手山麓は気持ちのよいところだったのでしょうね。空や風が。
Commented by tamayam2 at 2012-10-03 19:54
>「ブラジャー型の実です」とか、唇とか・・・本当に
なまめかしいわ。こんなに近づいて撮っておられるネネム様の
お姿を想像してしまいます。秋になって、うれしい!
Commented by nenemu8921 at 2012-10-03 21:39
tamayamさま。
このところ、宮沢賢治の知られざる恋愛を論じた本を何冊か読んだせいでしょうか(^_-)-☆
いろいろに取りざたされ宮沢賢治はいつも新鮮です。
我々もそうありたいものですね。えへへ。
Commented by himekyon at 2012-10-04 06:34 x
とてもヌスビトハギにはみえません、もう芸術ですね
Commented by nenemu8921 at 2012-10-04 12:18
himekyonさん。
背景にこだわるクセがあります。
中腰になったり、動いたり……、それゆえ、ピンがおろそかになるのでしょうね。。。
ハンセイ!!
by nenemu8921 | 2012-10-02 07:45 | 植物 | Comments(20)

宮沢賢治の愛した鳥や植物


by nenemu8921