めくらぶだう → ノブドウ

(略)
その城あとのまん中に、小さな四っ角山があって、
           上のやぶには、めくらぶだうの実が、虹のやうに熟れてゐました。
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(略)めくらぶだうは感激して、
        すきとほった深い息をつき葉から雫をぽたぽたこぼしました。
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(略)そこでめくらぶだうの青じろい樹液は、
                はげしくはげしく波うちました。
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 さうです。
 今日こそ、ただの一言でも、虹とことばをかはしたい、
             丘の上の小さなめくらぶだうの木が、
                   よるのそらに燃える青いほのほよりも、
                              もっと強い、もっとかなしいおもひを、
                   はるかの虹に捧げると、ただこれだけを伝へたい、
                        ああ、それからならば、実や葉が風にちぎられて、
           あの明るいつめたいまっ白の冬の眠りにはいっても、
                  あるひはそのまま枯れてしまってもいいのでした。
                                      童話「めくらぶだうと虹」
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ノブドウ(ブドウ科ノブドウ属)Ampelopsis glandulosa var. heterophylla 野葡萄
めくらぶだうはノブドウの地方名。

ノブドウが目に留まる季節になった。でも、きれいな株にはなかなか出会えない。
実が色づく頃には葉が枯れてしまうからだ。
賢治作品ではめくらぶだうだけれども、ウマブドウとよぶ地方は多い。

植物の語り部と称された宇都宮貞子さんの「草木覚書」は忘れらない。
「近寄ってみると、それは下手に丸めた白団子で、いびつだし、大小さまざまある。
そこへかかった染粉の具合もいろいろで、梨地、胡麻点散らし、墨流し模様、どぎつい青一色、
薄緑地に黒っぽい赤紫の霧吹き染めなど、染め方の見本帳みたいだ」
                               宇都宮貞子「秋の草木」より                 
                     

Commented by あだっちゃん at 2012-10-30 19:36 x
ノブドウ、可愛いですね。
色合いも素敵に撮りましたね。
だいぶ寒くなってきました。風邪をひかないようにお互い撮影を楽しみましょう。
Commented by マングース at 2012-10-30 19:53 x
こんばんは。

ノブドウの果実の美しさは絶品ですね!
よくもまあ、こんなに様々な色に染まるものですね(^_-)

宇都宮貞子さんの著書は残念ながら読んだことがありません。
お薦めの入門書は何かありますか?
是非読んでみたいのですが^^
Commented by nonohana28 at 2012-10-30 19:58
こんばんは。
少しブログお休みしている間に
↓沢山の素敵なお写真。ゆっくりと拝見させていただきましたよ。
ノブドウは本当に色とりどりですね。
こんなに美しく撮られて、、、。葉っぱが一緒だとやっぱりいいなぁ~~♪
Commented by kaguragawa at 2012-10-30 20:09
宇都宮貞子さんのことを書いてくださったことで、何とも言えないうれしい気持ちです。賢治の詩文は、旧かなづかいで見る(読む)と、イメージが少し賢治に近づけるような気がしました。余談ばかりですみません。
Commented by moraisan at 2012-10-30 20:36
消えない虹さながらに色を揃えたノブドウ‥ とても美しく撮られていますね。
はい、ハンドルは茂来山から拝借しています^^
Commented by yamakin716 at 2012-10-30 21:58
ノブドウの実はあまり気にも留めないでいたが、こんなに素敵な色に変わるとは…
今まで名前も知らなかったが、また一つ名前を覚えました。
1・3番が綺麗です、私はこれ位の色付の時が好きです。
葉がもうチョット頑張ってくれるといいのですが…
Commented by tsukey at 2012-10-31 01:47 x
写真に収めると素敵ですね・・・幼い頃によく食べた記憶があります。
じっくり見ると、こんな感じなんですね~最近は目にすることがほとんどないです。
Commented by saitamanikki2008 at 2012-10-31 10:45
こんにちは。
七色の野葡萄の実が綺麗ですネ~ !!
秋は、こんな綺麗な色彩を生み出すので、
この季節が大好きなんです。
実を探しに、ブラブラ 歩きたくなりました。
Commented by nenemu8921 at 2012-10-31 17:02
あだっちゃん。
どうもこうしたマイナーなものが好きでコマリマス(^_-)-☆
うっかり薄着でいると、いけませんね。
ヒートティックシャツを引っ張り出しました ♪♪
Commented by nenemu8921 at 2012-10-31 17:07
マングースさん。
宇都宮貞子さんのご著書はすべて絶版だと聞きます。
(何故、全集が出ないのか、わからないのですが)
でも、アマゾンで検索すると、古書が買えそうですよ。
代表作は「草木覚書」でしょうが、
新潮文庫から出ていた「春の草木」「夏の草木」「秋の草木」「冬の草木」がお勧めです。
添えられている写真がそれぞれとてもいいので。(^_-)-☆
Commented by nenemu8921 at 2012-10-31 17:11
nonohanaさん。ごていねいにありがとうございます。
ノブドウは実が色づく頃には、葉が枯れてしまいがちです。(-_-)
近所の高架下の空き地で撮りました。
北の地方や山ではどうかしら?
Commented by nenemu8921 at 2012-10-31 17:16
kaguragawaさん。
まあ、宇都宮貞子さんのこと、気にしてくださって嬉しいです。
彼女の残したお仕事はたいそうなものだと思いますが、全集が出ていないのはなぜかしら?
賢治の詩文の引用は校本全集を基にしていますので、原文のままです。
聖書も旧約の文語体の方がずっといいと言ったのは丸谷才一でしたか?
Commented by nenemu8921 at 2012-10-31 17:25
moraisanさん。
地上の虹めくらぶだうが、天上の虹にあこがれるという構図だと思いましたが、
ご指摘のようになるほど、消えるものへ、消えないものからのメッセージのようにも思えますね。
やっぱり、茂来山でしたか!!
ご文章から、和服の似合う大人の女性を想像していましたが、
そうでないことが判明して驚いております。
Commented by nenemu8921 at 2012-10-31 17:40
yamakinさん。
福島あたりでは、ウマブドウと言っていませんでしたか?
印旛沼あたりにはこのノブドウがありそうですが。
どうかしら。この頃なかなかこの蔓には行き会えません。
きれいな葉っぱの株を見つけたいです。(^o^)v
Commented by nenemu8921 at 2012-10-31 17:45
tsukeyさん。
えっ、食べたのですか?!!
これは食べられないと図鑑に書いてありますが。。。
ヤマブドウと違いますよぉ。(^_-)-☆
河川敷や空き地などにも多いようなのですが。。。
Commented by nenemu8921 at 2012-10-31 18:57
saitamanikkiさん。
ノブドウは虫食いや枯れ葉が多く、いい被写体を探すのに苦労します。
本当に今の季節が一番気持ちいいですね。
空気もいいにおいがするような気がします。空の匂い?風の匂い?

Commented by bella8 at 2012-10-31 20:39
先日、nenemuさんにいつぞや教えていただいたノブドウのあるフェンス。
散歩がてらに見に行きましたが、跡形も無く消えていてガッカリ!(ヘ;_ _)ヘ ガクッ
今年はノブドウに会えないかと思っていましたが、ここで会えてよかったわ♪

Commented by yamakin716 at 2012-10-31 22:10
ノブドウは印旛沼では見た事ないです、と、言うより朝・夕陽以外はあまり気にも留めてませんので分らないです。
以前東金ダムで見た事あったような気がしてますが、最近行ってなく何処にあったのかもよく覚えてません。
4日に東金文化会館に行くんで、ダムの前を通るから見て来ますね
Commented by yuyu-prin at 2012-10-31 22:31
ノグドウは見たことがないけれど
宝石みたいに色々な色に変化していくのですね。
探してみましょう。
食べられないの?
Commented by yohachi-nitta at 2012-11-01 09:20
同じ房なのに、色が変って美しいものですね。

山ブドウと、野ブドウとか云われたら同じものだと思ってしまう。
先月の奥日光で湯の湖では山葡萄の大きいのがあり、実は小さくて黒かったです。
Commented by nenemu8921 at 2012-11-01 16:08
bellaさん。
ノブドウは雑草扱いで、ついつい色づく前に引き抜かれたり、切られたりしてしまいますね。涙。。。
空き地や河川敷などで、気をつけていれば、出会えると思いますよ。
(^_-)-☆
Commented by nenemu8921 at 2012-11-01 16:11
yamakinさん。
そうですか。印旛沼にはいかにもありそうだなあと思ったのですが。。。
東金ダムって始めて聞きました。
ノブドウのいい株があったら、いい写真を撮って下さい。
その後で、よかったら、教えて下さいね(^_-)-☆
Commented by nenemu8921 at 2012-11-01 16:23
yuyu_prinさん。
これは、実の一部はノブドウミタバエなどが寄生して虫こぶになるとか。
食してはダメと書いてありますが、よく調べた専門家の話では、
濃い青や紫の実は未熟で、白い実が塾果だそうです。
薬効はあるようですよ。
根を煎じて飲めば関節痛に。
目の充血を煎汁薬で洗うとよいそうです。、
Commented by nenemu8921 at 2012-11-01 16:24
yohachiさん。
ヤマブドウとノブドウは違います。
ヤマブドウはお酒の原料、こちらは詩の材料であります。(^_-)-☆
Commented by matsu_chan3 at 2012-11-01 20:45
こんばんは
ノブドウの実は宝石のようで彩りがいいですね!
食べられないのですね・・
ヤマブドウは美味しいのにね(^O^)/
Commented by tsumiki83 at 2012-11-02 11:12
植物の語り部的な宇都宮貞子さん大好きな植物作家でした~
精緻な観察力と民家の軒下を訪ねて山村の生活までも紹介してくれた著書「草木の話」は春夏と秋冬の2冊手元にあります
もう、ほとんどが絶版で手に入らないらしく、私の宝物になりました~
ノブドウは手元の本には残念ながら紹介されていません!
「染め方の見本帳」は素敵な表現ですね~( ^-^):
Commented by nenemu8921 at 2012-11-03 06:54
matsu_chanさん。
ヤマブドウは住宅地では見かけません。
味見したいです。ヽ(´ー`)ノ
Commented by nenemu8921 at 2012-11-03 07:03
tsumikiさん。
本当に宇都宮貞子さんは素晴らしい作家でした。
《植物の語り部》という称号がふさわしい方でしたね。
ノブドウは「秋の草木」(新潮文庫)からの引用です。
tsumikiさんが宇都宮さんのファンと聞いて、私はtsumikiファンになりましたよ。ヽ(´∀`)ノ
by nenemu8921 | 2012-10-30 15:39 | 植物 | Comments(28)

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