宮沢賢治の農業と文学
2013年 06月 25日
大島さんは文教大学、教育学部の准教授。
若手の研究者がこうした地味な課題に取り組んでいく姿勢をすばらしいなと思います。
「宮沢賢治の農業と文学」
大島丈志著・蒼丘書林・定価¥2900+税
宮沢賢治といえば農村のために尽くした人というイメージを抱いている方も多いと思いますが、
実際に宮沢賢治が行った農業活動とはどのようなものであったのか。
宮沢賢治の伝記的事実、作品のみを論じることなく、賢治の時代の岩手県の農業状況を基盤として
新たに賢治作品を読み直したい!!という。
内容は次のとおりです。(帯カバーから)
●主な内容
序 章 宮沢賢治の生涯と農業―考察の方法
第一章 盛岡高等農林学校の幻影―羅須地人協会以前
1「チュウリップの幻術」という装置/2「紫紺染について」/
3「農民芸術」が生まれる土壌/4 一六人の百姓の行方
第二章 投企する農業技術者―「農民芸術概論綱要」・羅須地人協会時代
1 詩「第三芸術」から「農民芸術概論綱要」へ/2 詩「産業組合青年会」をめぐって
3 農夫へのまなざし/ 4「〔或る農学生の日誌〕」における一農民の孤独
第三章 羅須地人協会時代以降―「グスコーブドリの伝記」を中心に
1「ポラーノの広場」論 産業組合から見えるもの/2「グスコーブドリの伝記」論 冷害から見た主人公の死
3 一九二〇年代から一九三〇年代における宮沢賢治の農業思想
補 論 宮沢賢治作品と同時代の潮流
1「雪渡り」論/2「鳥箱先生とフウねずみ」における不条理の構造/3「烏の北斗七星」を読み直す