「ハンナ・アーレント」
2013年 10月 05日
ハイデッカーの弟子であるユダヤ人哲学者ハンナ・アーレントが、
世界的スキャンダルを引き起こしたナチス戦犯の裁判レポートとハンナの生き方を描いた映画です。。
こちらにオフィシャル・サイトがあります。予告編も見られます。
非常に感動的でした。悪の凡庸さということが、人々を怒らせたのでしょうか。
悪の凡庸さとは、彼女がアイヒマン裁判のレポートで導入した概念。
上からの命令に忠実に従うアイヒマンのような小役人が、思考を放棄し、
官僚組織の歯車になってしまうことで、ホロコーストのような巨悪に加担してしまうということ。
悪は狂信者や変質者によって生まれるものではなく、ごく普通に生きていると思い込んでいる凡庸な一般人によって引き起こされてしまう事態を指している。
ワタクシ的には、非常に説得力のある論理でしたが、大きな犯罪を犯すものは
ドラマチックな人物像でなければ、人は納得しないものなのかもしれないとも思いました。
60年代のニューヨークが舞台。登場人物がひっきりなしにタバコを吸う場面が多いのが気になりました。
岩波ホールは、昔から考えさせられる映画を上映してましたね。
娯楽は、ハリウッド系映画が面白いですが、
フランス、イタリア、東欧系 ヒューマンタッチの上等な映画が
見たい秋です。
最近 劇場より レンタル DVD映画の比重が多くなりました。
喫煙シーンの是非は宮崎駿監督「風立ちぬ」でも取り上げられましたね。時代を現すもののひとつになりつつあるのでしょうか。