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ごまざいの毛のやうに ガガイモ

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クリックすると綿毛はみな大きくなります

「おう、柔(や)つけもんだぞ。」
「泥のやうにが。」
「うんにや」
「草のやうにが。」
「うんにや。」
「ごまざいの毛のやうにが。」
「うん、あれよりあ、も少し硬(こは)ぱしな。」
「なにだべ」
「とにかぐ生ぎもんだ」
「やっぱりさうだが。」
「うん、汗臭いも。」
おれも一遍(ひとがへり)行ってみべが」
五番目の鹿がまたそろりそろりと進んで行きました。
(略)
                   童話「鹿踊りのはじまり」


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ガガイモ(ガガイモ科ガガイモ属) Metaplexis japonica )蘿藦、鏡芋、芄蘭
ごまざいとはガガイモの地方名。
日当たりのよい草原や空地、林縁など見られるつる性多年草。花は都市公園などでも見かけるが、
実がつき綿毛が飛ぶ季節になると、たいてい刈り取られて、見かけることが少なくなった。

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近くのお寺の境内で南天の枝に見つけた!

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こんな莢に収まっています。
日本神話の、スクナビコナの神が乗ってきた天之蘿摩船(あまのかがみのふね)とは、このガガイモの綿毛がとび、空っぽになったさやのことだという。

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こちらが花です。
これは2008年、7月に岩手大学の構内で撮影したもの。
宮沢賢治はこのガガイモの花については全く言及していないので残念です。

童話「鹿踊りのはじまり」は、賢治童話のなかでも、私が最も好きな作品の一つ。
民俗芸能「鹿(しし)踊り」の起源をすきとほった秋の風から聞いたものがたりである。
Commented by 寧夢 at 2013-12-01 01:51 x
最初の写真、全く何かわかりませんでした。
科学写真かな? 
それこそロックコンサートの様な感じ。

スクナビコナの神様が・・・。なあるほど、
小さな神様を傷つけない柔らかい繊維。
そのさやに乗っかってやってきたと。
神話の世界は自然が豊かな世界なのですね。
Commented by マングース at 2013-12-01 07:11 x
おはようございます。
ガガイモの果実、撮したいのですが
ガガイモ自体がなかなか見つかりません^^;
綿毛もさやの舟も神話の時代からよく知られた
植物だったはずなのに、、、
Commented by tsukey at 2013-12-01 09:20 x
素敵~!!
こんなの初めて見ました。綺麗ですね。
撮り方が上手ですね、光が光が、キ・レ・イ・

昨日ヘラサギを見てきました(白鳥がいないので・・)
Commented by h6928 at 2013-12-01 09:50
美しいですね~☆
綿毛の植物ってみんな美しいけれど、
この美しさに気がつかずに見過ごしてしまいがちですね(>_<)
ごまざいという名前は知りませんでした。神話も。
勉強になります(^^;)
Commented by saheizi-inokori at 2013-12-01 10:34
引かれたところだけでも別の懐かしい世界がたちあがってきます。
ヒトデみたいな花も面白いですね。
ごまざい、どんな由来でしょう。
覚えられないかも。
Commented by dojou7 at 2013-12-01 11:34 x
ガガイモいいですね〜。綿毛の虹きれいです。
Commented by namiheiii at 2013-12-01 12:06
さすが虹撮りのネネムですね。これはかなりの準備をされたのでは?
Commented by あだっちゃん at 2013-12-01 21:09 x
ガガイモの花は写真を撮った事がありますが、実が綿毛になるのは見た事がありませんでした。
今の時期ですか。
Commented by mayumis39 at 2013-12-02 00:21
なんて綺麗なんでしょう!!
Commented by nobumaki at 2013-12-02 10:24 x
大町でガガイモの花を見つけた後、何度か行ったのですが、、、
すっかり草刈りされていて、とうとう綿毛を見つけることができませんでした(/_;)
毛深く肉厚な花とはずいぶん印象が異なりますね。

Commented by saitamanikki2008 at 2013-12-02 15:59
こんにちは。
ウ~ん 写真家のような作品に撮りましたネ !!
2枚目は、綿毛の一本一本まで非常に綺麗に。。。
刈り取られるか 目がいかないのか 見たことありません。
Commented by nenemu8921 at 2013-12-02 18:01
寧夢さん。ポールのコンサートを思い出してくださったの?
あちらは超ビッグステージ。
こちらは超マクロの世界です。(^_-)-☆
Commented by nenemu8921 at 2013-12-02 18:04
マングースさん。
外来種ばかりが繁茂して、日本の在来種は少なくなりましたね!
なにか、文化面も同じようですが。。。(^_-)-☆
Commented by nenemu8921 at 2013-12-02 18:06
tsukeyさん。小さな小さな綿毛です。
マクロで撮影し、トリミングしてみました。
ヘラサギ、すごい人のようですね!!
ずっと居てくれるといいのですが。
葛西にも来ないかなあ。
Commented by nenemu8921 at 2013-12-02 18:11
h6928さん。
ごまざいは方言です。クサワタ(草綿)という別名もあります。
印肉につかったり、針刺しの中に詰めたりしたようですね。
感謝です。(^.^)

Commented by nenemu8921 at 2013-12-02 18:16
saheiziさん。
いい作品ですよね。
家人とこの植物の話をしていて、聞かれたので、この童話を朗読したら、
しーんと聞いてくれました。
すごく感動したようです。(^_-)-☆ 少し、嬉しかったです。
日頃、文学と無縁の世界で生きている人ですが。。。
Commented by nenemu8921 at 2013-12-02 18:20
dojou7さん。
こんな被写体はどのように撮影したらよいのでしょう。
お尋ねしたいところです。
Commented by nenemu8921 at 2013-12-02 18:27
namihei先生。
これは素直に撮りました。トップは赤いモミジの葉の上に飛んだもの。
他は甘い実のついた南天の枝です。
光とピントを気にしながら撮影しました。
Commented by nenemu8921 at 2013-12-02 18:30
あだっちゃん。今の季節です。
もう、だいぶ飛び散っていると思います。
花は咲いても、綿毛になる頃に、たいてい刈り取られてしまいます。
Commented by nenemu8921 at 2013-12-02 18:33
mayumisさん。
莢から飛び散る場面を撮りたかったけれど、
難しくて、絵になりませんでした。
次回はぜひ、チャレンジしたいです。
Commented by nenemu8921 at 2013-12-02 18:37
nobumakiさん。
大町でも、水元でも、花は咲きますが、刈り取られてしまいます。
ほんとうに、あの花が。。。この実。。。???
という感じでしょう。(^_-)-☆
空地やちょっとした林縁などにあると思いますよ。
Commented by nenemu8921 at 2013-12-02 18:42
saitamanikkiさん。
タンポポの綿毛のようにシンプルだといい絵になるのですが、
こんなにたくさんの糸状に拡がっていて、
不思議な生物のようです!!
Commented by tamayam2 at 2013-12-02 19:40
うぁ!素敵なものを見せていただきありがとう。
私は、ガガイモそのもの、ガガイモ科の植物全般
に一方ならぬ肩入れをしている者です。ガガイモ
の魅力は深いです。特に蝶が好むという点でも
Tamayamが見逃すはずはありません。う~ん、
それにしてもきれいな画像だなぁ!感動しました。
Commented by yutorie2 at 2013-12-03 00:21
上手いですね。
それにつきます。
忘れていた美しいものをいつも呼び起こしてくれますありがとう。
それでは明日綿毛を捜しに行って来ます。





Commented by nenemu8921 at 2013-12-04 08:42
tamayamさん。
ガガイモフェチのあなたですもの。
お目にとめてくださってよかった。(^.^)
ワタクシ、綿毛フェチ、末枯れ花フェチです。(^.^)
Commented by nenemu8921 at 2013-12-04 08:43
yutorieさん。
綿毛を見つけるのに苦労しました。
それから光をとらえるのにがんばりました!!
by nenemu8921 | 2013-11-30 20:09 | 植物 | Comments(26)

宮沢賢治の愛した鳥や植物


by nenemu8921