スギナ

雨がぽしゃぽしゃ降ってゐます。
心象の明滅をきれぎれに降る透明な雨です。
ぬれるのはすぎなやすいば
ひのきの髪は延びすぎました
(略)
                        詩「手簡」

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スギナ(トクサ科トクサ属)Equisetum arvense 杉菜

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スイバ(タデ科スイバ属)Rumex acetosa 蓚・酸い葉

雨降りが続き、思い出した詩句です。
少し前の画像から。
スイバは晴れの日のもので、失礼。
ひのきの髪とは、檜の枝が不揃いに伸びた状態か。
手簡とは、手紙のこと。 「春と修羅」補遺の作品。
あなた、白びかりの巨きなすあしのあなたへの書簡。


追記
スイバ、スカンポ、ギシギシ、イタドリは、どれもタデ科の植物だが、ちょっとややこしい。
以前にも、この植物の件で、問い合わせをいただいたので、ちょっと私見を述べたい。
スイバの別名はすかんぽで、イタドリも別名すかんぽと呼ばれる。(地方によって異なるようだ)
「土手のすかんぽ、ジャワ更紗~♪♪~」とうたわれたのは、イタドリでしょうし、
多くの方が子どものときに茎をかじったのはイタドリとおもわれます。

賢治作品ではイタドリの用例は一例のみ。ギシギシは登場しない。

中山街道はこのごろは誰も歩かないから蕗やいたどりがいっぱいに生えたり牛が遁げて登らないやうに柵をみちにたてたりしてゐるけれどもそこをがさがさ三里ばかり行くと向ふの方で風が山の頂を通ってゐるやうな音がする。
                                             童話「なめとこ山の熊」


今回ご紹介の他に、すいば、スカンコ、すかんぽなどの表記はいくつかあるが、文学は植物図鑑ではないから、限定はできないが、前後の形容や表現から、スイバをイメージしていると解釈できる。

畔はたびらこきむぽうげ
また田植花くすんで赭いすいばの穂 
             詩〔Largo や青い雲滃やながれ〕


この作品を手入れし、生前発表形の「陸中国挿秧之図」の、下書き稿では

畔畔はたびらこの花 きむぽうげ
また田植花くすんで赭いすかんぽの穂 
  とある。

爺さんの眼はすかんぽのやうに赤く
何かぶりぶり怒ってゐる
             詩〔爺さんの眼はすかんぽのやうに赤く〕


ちいさき蛇の執念の赤めを綴りたるすかんぽの花に風が吹くなり
                                  歌稿A149

しろつめくさが生えますか
上の方にはないでせう
そんならスカンコは生えますか
マルコや、、はどうですか
              詩〔それでは計算いたしませう〕

イタドリの花は白い。(まれに明月草と呼ばれる美しい赤い花もあるが) 赭く、赤い、穂と呼ぶのは、スイバのイメージである。
スカンコはすかんぽの地方名である。マルコはオオバコの地方名。ここでは農民の呼びなれた名で会話しているのである。
何よりも、春から初夏にかけて、田やあぜ道などで目につくのはスイバであり、イタドリの花は夏から秋にかけて目立つ。
賢治がスカンコ、すかんぽと呼ぶのは、イタドリではなくて、スイバのことと思われます。
Commented by gigen_t at 2014-06-29 06:41
一つは 早朝スギナに 水滴が 付きますが 雨は流れ落ちるようですね、腫れた朝 スギナに付いた 水滴は 意外と綺麗なはずです、 次に スイバと言うんですか 家辺りでは スカンポ と言います。 私ら小さいとき スカンポの茎を齧りました。 やや 酸っぱかったのを 舌が覚えております。
Commented by tsukey at 2014-06-29 09:27 x
とても身近に生えてますね。スギナの水滴は綺麗ですね~
靴、ズボンがビショビショになりますが(^^;)
スイバ・・・子供のころ、畦道に生えてるのを食べましたよ。
チョット塩を付けたりして・・・(笑)
Commented by nenemu8921 at 2014-06-30 04:02
gigenさん。
スギナは朝露の画像です。
スイバをすかんぽという地方は多いようですね(^_^.)
茎をかじった想い出は多くの方がお持ちのようですね。
最近ではさっと湯がいて皮をむき、鰹節とだししょうゆで和えると
美味だとか、レシピも人気のようです!!
Commented by nenemu8921 at 2014-06-30 04:06
tsukeyさん。スギナは低い位置ですし、本当にびしょびしょになりましたよ(^_-)
スイバ、美味しかったですか?
同じ仲間でルバーブをジャムしたことがありますよ
酸っぱくて美味しかったです(*^_^*)
Commented by yu * ° at 2014-06-30 18:46 x
お久しぶりです
雨がぽしゃぽしゃ・・・・
そんな風に聞こえることありました

梅光学院大学のアルスと云う定期的な講座が今回は宮澤賢治さんで・・・御年90うん歳の佐藤泰正先生の力強い講義に・・揺さぶられました
先生のよむ賢治さんの詩は・・命がふきこまれたやうでした

ぽしゃぽしゃと・・・・声に出してよんでみたいと思います(*^ ^*)
Commented by kana at 2014-06-30 22:30 x
雑草として見過ごしていたスイバは、身近に生えている植物なのですね。
知らない草も、名前を知れば、楽しくなりますね。
いつも勉強になります。
Commented by matsu_chan3 at 2014-07-01 05:30
おはようございます
スギナを綺麗に撮影されましたね・・すごいです 流石♪♪
私のレンズでは無理でしょう(^-^)/
Commented by nobumaki at 2014-07-01 12:49 x
スカンポって…と母に話しかけたら、もう止まりません(^^;
戦中の食糧難の頃はあんなもの、こんなものを食べたと得意顔で話し続けています。(現在進行中)
子供の頃の記憶は鮮明のようです。
母はイタドリをスカンポと呼んでいます。
Commented by saitamanikki2008 at 2014-07-01 16:10
先日の東北旅行で八甲田の 田代高原(湿原)で
15センチ位のスイバが一面に咲き綺麗で、一見 草紅葉のようでした。
ガイドさんが、スイバであると説明してくれました。
葉は、スカンポみたいなので、大きく成長するとスカンポですか ?
とお聞きすると、nenemuさんの説明のように
同じ種類と教えて頂きました。
Commented by nenemu8921 at 2014-07-01 20:00
yuさん。ようこそ。
雨がぽしゃぽしゃですか! 賢治と同じ心境だったのかな?
(心象風景がそう聞こえさせるのでしょうね(^_-))
佐藤泰正先生! お元気なのですね。素晴らしい!!
賢治関係のご著書は本棚にあります。
が、そんなに読み込んでいないので、できれば、私も講座に参加したいものであります(^_-)-☆
Commented by nenemu8921 at 2014-07-01 20:01
kanaさん。
人でも、花でも、虫でも、鳥でも、名前を覚えることで近づいた感じがありますよね(^_-)-☆
Commented by nenemu8921 at 2014-07-01 20:02
matsu\chanさん。
マクロ、使うのが好きなんです(^_-)-☆
重い望遠は持てませーん(>_<)
Commented by nenemu8921 at 2014-07-01 20:10
nobumakiさん。
あらら、お母様、お元気で羨ましいです!いいなあ。

イタドリをすかんぽと呼ぶのは多いようですね!!
Commented by nenemu8921 at 2014-07-01 20:13
saitamanikkiさん。
私もあの湿原で、スイバの群落に出会いたいものです。(#^.^#)
ガイドさんつきなんて、贅沢な旅でしたね!

by nenemu8921 | 2014-06-29 03:45 | 植物 | Comments(14)

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by nenemu8921