「宮沢賢治を読む」秋枝美保著

「宮沢賢治を読むー童話と詩と書簡とメモとー」
秋枝美保 著/朝文社 発行/2017・10・28初版/¥3500+税

昨年、出版された賢治論の中で、心に残った賢治論です。
文学の衰退がこれまでになく声高に語られ、ネットやメディアの洪水の中で、フェイクなイメージやフレイズが横行し、人々が生きずらさを感じている今こそ、宮沢賢治文学が有効に機能するのだと説いています。
というと、震災後に多くの人が「雨ニモマケズ」を朗読した行為を連想させますが、そのように安易なこととは違います。
秋枝氏は「注文の多い料理店」「やまなし」「セロ弾きのゴーシュ」などを取り上げ、賢治独自の周囲とのコミニュケーションを指摘し、≪通路を開く≫ ありようを解読してみせました。
若者たちの心に響いてほしいと共感しながら拝読しました。

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興味深かったのは第三章の
世界の「底」に立つー「サガレンの古くからの」人々との出会いーと題した論でした。
逝ってしまった妹との魂との交感を求めての旅だといわれている樺太旅行で、樺太の先住民、アイヌとの出会いを推測し、アイヌの文化、世界観から救いを示唆されたという論は多くの資料で展開され、説得力もあります。
以前、文語詩「民間薬」を論じた拙論で、ネプウメリをアイヌ民族に伝わるギョウジャニンニクを意味するアイヌ語からの造語であろうと推したことがあったと思い出しました。

秋枝先生、ありがとうございました。


Commented by matsu_chan3 at 2018-01-10 20:16
こんばんは
アイヌが好んで食べるギョウジャニンニクは北海道では
アイヌネギとも呼ばれ山菜ファンも多いです。
刻んで醤油漬けにして保存します。
ニンニク同様匂いがきつく嫌う人も・・しかし元気がでます。
by nenemu8921 | 2018-01-09 23:33 | 賢治情報・スクランブル | Comments(1)

宮沢賢治の愛した鳥や植物


by nenemu8921