【61】 同心町
2007年 01月 16日
一列の淡い電燈
春めいた浅葱いろしたもやのなかから
ぼんやりけぶる東のそらの
海泡石のこっちの方を
馬をひいてわたくしにならび
町をさしてあるきながら
程吉はまた横眼でみる
詩 〔同心町の夜あけがた〕
同心町
花巻町大字下根子字桜にあった羅須地人協会から、町へ出るには向小路を抜けていく。
そこには、同心(下級武士のこと)の住んでいた曲がり家風の家屋が十数戸、軒を並べていた。
藩政時代には奥州街道をはさんで東側に15軒、西側に15軒、計30軒の武家屋敷があったという。
同心町とは賢治の造語である。文語詩「短夜」では、目あかし町と書いている。
この貴重な写真は昭和初期の頃の撮影だそうで、ここにお住まいだった現在花巻市在住のT・M氏から頂いた写真です。