【76】 楊の花芽(ベムベロ)

葱いろの春の水に
楊の花芽ももうぼやける……
はたけは茶いろに掘りおこされ
並樹ざくらの天狗巣には
いぢらしい小さな緑の旗を出すのもあり
みづみづした鶯いろの弱いのもある……
            詩「小岩井農場」パート四

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イヌゴリヤナギ(ヤナギ科ヤナギ属)犬行李柳
日あたりのよい川岸や湿地などにふつうに生える落葉低木。
コリヤナギがその枝で柳行李の材料として使われたのに対して、
こちらは役に立たないことからイヌを冠した名がついた。
山野や水辺に自生するヤナギはいくつか種類があるが、総称してカワヤナギとよぶ。
これもその一つである。

長詩「小岩井農場」は、壮大な春のスケッチ集でもある。
もうぼやけるとは、この尾状花序がすっかり開いた風情をさすのだろう。

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桜の天狗巣
天狗巣とは植物の病害。菌類などの寄生、生理的障害の結果、高等植物の側芽が
異常に発達し、小枝が密生する現象。桜によく見られる。
賢治は目立たない自然の美しさを発見する達人であったが、同時に植物への専門的なまなざしも持っていた。天狗巣病は気にかかったものとみえ、文語詩にはよもぎの天狗巣という表現もあるが、それはその形状の比喩であろう。
Commented by namiheiii at 2007-02-20 22:18
ベムベロ、遠い昔の記憶の中に微かに残っているような・・・懐かしい響きです。
Commented by nenemu8921 at 2007-02-20 23:32
そうでしたか。 東北の方は賢治を読んでいない人でもべむべろということばはご存知でした。
でも、私は始めて聞いたとき、外国語のような響きだと思いました。

ナミヘイさん一家のファンの私には、ワカメ(若芽)ちゃんと言う姪っ子がいます。
Commented by bella8 at 2007-02-21 07:26
おっ!なみへいさんだ!(^-^ )

この桜の風景好きです!♪
空気まで感じられる写真ですね。いいなぁ~♪

私は、こういうスカッと広がる空の下で、伸び伸び咲いている桜が好きです。

Commented by nenemu8921 at 2007-02-21 08:45
ベラさんとナミヘイさんの噂をしたせいね。
くしゃみをしてお越しいただいたのかも……。
今日は新しいレンズを購入にこれから出かけます。
ベラ様。新兵器で春を撮りに行きたいですね。

この桜は数年前、花巻市郊外の豊沢川のほとりです。
by nenemu8921 | 2007-02-20 00:40 | 植物 | Comments(4)

宮沢賢治の愛した鳥や植物


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