【88】 ヒヤシンス

  向こうの坂の下り口で
  犬が三疋じゃれてゐる
  子供が一人ぽろっと出る
  あすこまで行けば
  あのこどもが
  わたくしのヒアシンスを
  呉れ呉れといって叫ぶのは
  いつもの朝の恒例である
             詩「同心町の夜あけがた」

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ヒヤシンス(ユリ科ヒヤシンス属)
オキナグサやツメクサなど野の花を愛した賢治だが、園芸種の花への言及も少なくない。
花壇設計もし、自分でもたくさんの園芸種の花を育てたりもした。
ヒヤシンスは当時の東北では、たいへん珍しい花だった。
昭和2年4月21日の日付の作品。
自分で作った野菜や花を朝リアカーに積んで、町へ売りに行こうとする時の情景である。

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明治期の呼称はヒアシントだった。賢治の表記はヒアシンスが多いが、文語詩では「風信子華」(風信子は中国名)という字を当てている。
東京の花屋から球根を取寄せて栽培していたのである。
Commented by chochoensis at 2007-03-17 05:54 x
我が家の庭にも家内が丹精込めている植物がありますが、このヒヤシンスも毎年見ることが出来ます、春ですね・・・。
Commented by nenemu8921 at 2007-03-17 19:40
春ですね。でもここ数日は足踏み状態でちょっと口惜しいですね。
ヒヤシンスは香りが強くて、2,3本キッチンに飾ったら、くらくらします。
朝起きて、戸を開けると、妖精がひそんでいるのかと思うほどです。
by nenemu8921 | 2007-03-15 13:33 | 植物 | Comments(2)

宮沢賢治の愛した鳥や植物


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