【98】 雪柳

その水際園に
なぜわたくしは枝垂れの雪柳を植えるか
十三歳の聖女テレジアが
水いろの上着を着羊歯の花をたくさんもって
小さな円い唇でうたひながら
そこからこっちへでてくるために
わたくしはそこに雪柳を植える
          「装景手記」ノート


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ユキヤナギ(バラ科シモツケ属)雪柳
各地の川沿いの岩上などに生える落葉低木。庭木としても親しまれている。

聖女テレジアはフランスの修道女(1873~1897)。
彼女の書いた自叙伝は世界的なロングベストセラーとなり、日本では1911(明治44)年に『小さき花 聖女ちいさきテレジアの自叙伝』として刊行され、広く感動をよんだという。
ユキナヤギの白い小さな花はテレジアへささげる花としていかにもふさわしい。

追記
知人から画像をお送りいただいたので、感謝とともに、ご紹介いたします。
短編「花壇工作」にも聖女テレジアは登場します。賢治は修道女と若い看護婦と重ねてイメージしたようです。
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画像提供は壺中人さんです。
by nenemu8921 | 2007-03-30 09:40 | 植物 | Comments(0)

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