【117】 カタクリ

     かたくりは
      青き実となる
      恋ごころ
      風にふかるゝ
      5月の峡に  
           歌稿〔B〕315


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カタクリ(ユリ科カタクり属)片栗
種子が地中に入ってから平均8年目でようやく2枚の葉を出して開花するそうです。

この短歌は賢治が18歳の時のもの(大正3年5月)。
この年の4月に盛岡市岩手病院に入院して肥厚性鼻炎の手術を受けた。
入院中に看護婦の一人に恋し、悩んだという。
初恋は報われぬもの。
さびしい歌だが、歌稿〔A〕では
  「かたくりは青き実となる
   うすらやみの
   脳のなかなる5月の峡に 」 であった。
  うーむ、独特ですね。
Commented by namiheiii at 2007-04-23 21:17
この青い実を見ると淋しげですが実が生ったということは成就したともとれますね。でもそれは「脳の中」で!?
Commented by nenemu8921 at 2007-04-23 23:28
実るといいなあという願望でしょうか。
「ぼんやりと脳もからだもうす白く消え行くことの近くあるらし」A165
この時期、かなり思いつめていたようです。
恋にも進路にも。
天才賢治も人の子だなあと、ほっとしますね。
Commented by マルメロ at 2007-04-24 01:26 x
初恋をカタクリの青い実に詠う賢治はやはり野や山を知る人だからでしょうか。
盛岡産にもかかわらずこのカタクリの花を数年前に知り今日青い実がなること初めて知るなんて。
Commented by nenemu8921 at 2007-04-24 07:48
マルメロ・ネネムさん。おはようございます。
まあ、盛岡なの。いいですね。(*^_^*)
盛岡郊外にはカタクリが自生しているところもたくさんあるでしょうね。
カタクリの実は私も今年初めて実物を見ました。

by nenemu8921 | 2007-04-23 19:55 | 植物 | Comments(4)

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