【135】 ホタルカズラ

(略)
さっき峠の上あたりでは
山鳩もすうすう啼けば
ほたるかづらの花も咲き
野馬も光って遊んでゐたが
いまはすっかり雲ってしまひ
あたりの山におぼろで見えず
雀がくれの苗代に
霰は白く降り込んでゐる 
(略)
              詩「霰」(下書稿(一)」


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ホタルカズラ(ムラサキ科ムラサキ属)蛍葛
乾いた山地や丘陵に生える多年草。4~5月に茎の上部の葉のつけ根に直径1.5cmほどの瑠璃色の花を咲かせる。

今年はもう行き会えないかと思っていたが、千葉市郊外の農村で偶然見つけた。咲き残りの最後の花といった風情だった。

山峡の小さな村へ、稲作指導で訪れた折、会場の小学校に到着する前に思いがけなく霰に降られたときの情景がうたわれている。
消防小屋の軒下に霰を避けてたたずんでいる詩人の目に、鍬を担いだり、のみ水の桶を持ったりして、はだしで家にかけこむ村人が目に留まり、それを大和絵巻の手法だとつぶやいたりしている。口語詩稿に分類されている作品である。
Commented by mo-su1717 at 2007-05-19 19:56
ホタルカズラまだ見たことがありません。きれいなブルーですね。
Commented by namiheiii at 2007-05-19 22:35
シベが無くて何だかおへそのような花ですね。夜目には蛍のように見えると言う事でしょうか。
Commented by nenemu8921 at 2007-05-20 00:10
mo-suさん。小さな花です。目立たない花です。
来年は一面咲いているときをと、狙っています。(*^_^*)
Commented by nenemu8921 at 2007-05-20 00:18
namihei先生。
おへそですか? 賢治に匹敵するくらいのユニークな発想ですね(*^_^*)
賢治は別の作品で、「ほたるかずらの花が子供の青い瞳のよう」といっております。
花後、根元から横に這う長い枝をだし、先端で根を下ろして新しい株を作るのでかずらの名があるようです。
Commented by マルメロ at 2007-05-23 16:06 x
同じ日にわが家の真向かいの家の鉢植えに白地に青い十字の小さき花見かけました。尋ねたらミヤマホタルカズラと初めて耳にした名前です。偶然とはいえこのような花の出会いもまた感動します。霙とは春の変わりやすい天気の落し物ですね。天気の急変するさまには何か新鮮なものを見るような誰もが同じく思うものがあります。
by nenemu8921 | 2007-05-19 12:10 | 植物 | Comments(5)

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