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【138】 アカシヤ

アカシヤの木の洋燈(ラムプ)から
風と睡さに
朝露も月見草の花も萎れるころ
鬼げし風のきもの着て
稲沼(ライスマーシュ)のくろにあそぶ子
             詩〔アカシヤの木の洋燈(ラムプ)から〕

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ハリエンジュ(マメ科)針槐←アカシヤ
明治初期に渡来した落葉高木。各地に広く植えられ、野生化している。別名ニセアカシア。
5、6月、大形の花序をたらし、芳香のある白色の蝶形花を開く。
明治期に日本に輸入された当初は、このニセアカシアをアカシアと呼んでいた。後に本来のアカシア(ネムノキ科アカシア属)の仲間が日本に輸入されるようになり区別するためにニセアカシアと呼ぶようになったが、今でも混同されることが多い。たとえば、札幌のアカシア並木も、アカシア蜂蜜として売られているものも、西田佐知子のヒット曲『アカシアの雨がやむとき』、石原裕次郎のヒット曲『赤いハンカチ』や北原白秋の『この道』に歌われる"アカシアの白い花"もすべてニセアカシアである。

【138】 アカシヤ_c0104227_972129.jpg

オニゲシ(ケシ科ケシ属)鬼芥子
西南アジアのアルメニア、イラン北東部、トルコが原産の多年草。山地の下部から丘陵地帯の、日当たりが良い砂礫の多い斜面や草原などに自生する。和名は、葉や茎に粗い毛があるところから。英名(oriental poppy)から、オリエンタルポピーとも呼ばれる。

「春と修羅」第三集中の作品。「アカシヤの木の洋燈」は房状に垂れる花を灯りに見立てたもの。稲沼(ライスマーシュ)は水田のこと。くろは田の畦。
農村の初夏のありふれた風景も、賢治のイーハトーブ用語に置き換えて翻訳されると、別の世界が立ち上がってくるようだ。
Commented by namiheiii at 2007-05-25 22:21
ハリエンジュは幹が弱いのでしょうか?川岸にあった大木が数年前台風で倒れ、近くにあった小木が育って来たらこの間の突風で花をつけたまままたやられてしまいました。
それにしても写真のアカシアは真っ白できれいですね。これは本当のアカシアなんですね。アカシアと言うのに相応しい。こちらの倒れてしまったのは花は薄いベージュがかっていてこんなにきれいではありません。それにハリエンジュと言うだけあって大きな棘が痛いです。
Commented by nenemu8921 at 2007-05-26 16:02
namiheiせんせい、こんにちわ。
ハリエンジュは川岸に多いですね。北上川のイギリス海岸付近には立派な木がたくさんありますが、花の季節にならないと殆んど気にならないくらいです。
強風にやられるからか、幹も水面に這い蹲るように伸びて、太くなっていますね。でもきっと太くなる前に倒れる木もあるのでしょうね。
by nenemu8921 | 2007-05-25 09:33 | 植物 | Comments(2)

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