うつぎ

野馬がかってにこさへたみちと
ほんとのみちとわかるかね?
(略)
その地図にある防火線とさ
あとからできた防火線とがどうしてわかる?

泥炭層の伏流が
どういふものか承知かね?

それで結局迷ってしまふ
そのとき磁石の方角だけで
まっ赤に枯れた柏のなかや
うつぎやばらの大きな藪を
どんどん走って来れるかね?

そしてたうたう日が暮れて
みぞれが降るかもしれないが
どうだそれでもでかけるか?

はあ さうか
                    詩〔野馬がかってにこさへたみちと〕


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ウツギ(ユキノシタ科ウツギ属)空木
山野にふつうに生え、高さ1~3mになる落葉低木。株立ち状になることが多い。髄が中空のため、この名がある。別名ウノハナ。

うつぎやばら(野茨)は、春、白い清楚な花を咲かせるが、みぞれが降り始める季節には、大きなやぶとなって、道に迷った者には厄介な相手だ。
1924年、10月、26日、詩人は小岩井農場で道に迷い、走ったり、牧夫に道を尋ねたりして、ようやく汽車に間に合って帰り着き、母にそのいきさつを語り「そして昼めしをまだ食べません/どうか味噌漬けをだしてごはんをたべさせてください」と結んでいる。その最初の形が「母に云ふ」という詩である。手入れされ改稿されると、まるで趣の異なる作品になった。
Commented by bella8 at 2007-05-30 17:45
nenemuさん、こんばんは。

ウツギ清楚で綺麗ですね。
先日、鎌倉にもたくさん咲いていましたし、
ウグイスの鳴き声も心地よく聞こえてきました。

卯の花~匂う垣根に
ホトトギス 早もき鳴きて
忍び~ね もらす 夏~はきぬ ♪

この懐かしい唱歌を口ずさんでしまいましたよ。





Commented by ブドリ at 2007-05-30 18:31 x
ウツギですね。私もウツギを載せたばかりなんですよ。
楚楚としたきれいな花です。
昔は花吹雪と言ったらサクラではなくウツギの花といわれたぐらい身近だったんですね。
木は放って置くと横に広がりやすいようで、たしかに薮となって山では大変だっただろうと思います。
Commented by nenemu8921 at 2007-05-30 20:22
bellaさん。こんばんわ。
ウツギは、野でよし、町でよし、挿してよし、撮ってよしですね。
でも、晩秋の野外では詩人を悩ましたようです。
Commented by nenemu8921 at 2007-05-30 20:28
ブドリさん。拝見しました。
ブドリさんのページはアゲハやアリさんのゲストつきですね。
応援ありがとうございます。追記感謝です。
下手な写真でも、がんばろうっと。
Commented by マルメロ at 2007-05-31 01:31 x
賢治の母との会話の様子が彷彿とするような詩ですね。
賢治の見てきた光景を聞く母の素朴な興味をかきたてるようなやり取りに賢治の聡明さと母の優しさが遺憾なく発揮され心和みます。
Commented by nenemu8921 at 2007-05-31 08:52
マルメロさん。賢治のお母さんってステキな方だったそうですね。
「母に云ふ」は、お母様に対しての甘えが感じられるいい作品でした。
本当に母子のいい雰囲気が伝わってきますね。
by nenemu8921 | 2007-05-30 15:32 | 植物 | Comments(6)

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