おきなぐさ←うずのしゅげ

ごらんなさい。この花は黒繻子ででもこしらへた変り型のコップのやうにみえますが、その黒いのはたとえば葡萄酒が黒く見えると同じです。この花の下を始終往ったり来たりする蟻に私はたづねます。
「おまへはうずのしゅげはすきかい、きらひかい。」
蟻は活発に答へます。
「大すきです。誰だってあの人をきらひなものはありません」
c0104227_8303172.jpg

「けれどもあの花はまっ黒だよ」
「いいえ、黒く見えるときもそれはあります。けれども、まるで燃えあがってま赤な時もあります。」
c0104227_22262864.jpg

「そしてあの葉や茎だって立派でせう。やはらかな銀の糸が植ゑてあるでせう。
私たちの仲間では誰かが病気にかかったときは、あの糸をほんのすこうし貰ってきてしづかにからだをさすってやります。」
                                           童話「おきなぐさ」

c0104227_22345427.jpg


オキナグサキンポウゲ科オキナグサ属)翁草
ウズノシュゲは、地方名。

この花に逢いたくての旅でした。願いどうり出会うことができてハッピーでした。
ご案内頂いたイーハトーブの友に感謝します。

≪イーハトーブの友≫
ご存知ですか?「税務署長の冒険」という童話では、≪イーハトーブの友≫という名前のお酒が登場しますね。
Commented by こにタン at 2007-06-22 23:03 x
赤色のアリは、この会話にピッタリですね。
童話に出てくる“イーハトーブの友”はどんなお酒なんでしょう?
発売したら、ヒットするかも(笑
Commented by mayaha at 2007-06-23 09:43
素敵ですね~願いがかなってよかったですね~栽培品しか見たことがないわ。
Commented by namiheiii at 2007-06-23 22:18
お見事です。やはり野生のものは雰囲気が違います。詩と絵がマッチして酔ってしまいそうです。
Commented by nenemu8921 at 2007-06-23 22:26
こにタンさん。賢治生誕100年の年に、やはり「税務署長の冒険」(実はこの物語は密造酒を摘発する冒険物語なのですが)に、登場する≪北の輝と≫いうお酒を実際に売り出した所があるのですが、あまり売れなかったようです。
≪イーハトーブの友≫だったら、ヒットしたかも!!
Commented by nenemu8921 at 2007-06-23 22:33
mayahaさん。
私も、今年は栽培品とか、万葉植物園とか…で逢えただけだったのです。
もう終わっているかもしれないと思ったのですが、間に合って嬉しかった
です。(ニコニコ…)
Commented by nenemu8921 at 2007-06-23 22:38
namihei先生。
行き会えた感激の方が大きくて、撮るのはなかなかうまくいきません。
撮るのを重ねるうちに、つまり、レッスンするうちに、最初の感動が薄れてしまわないかと、今後が心配であります。
Commented by mo-su1717 at 2007-06-24 21:35
オキナグサ見たことがないです、自生のは。↓の花々素敵です、写してみたいものばかりですわ。
Commented by nenemu8921 at 2007-06-24 22:00
mo-suさん。こちら千葉では4月はじめに万葉植物園などで見ましたが、東北の安比高原では6月はじめにこの状態です。
それだけ東北の人にとっては、春は待ち遠しいものだったのでしょうね。
Commented by かわせみの里 小林 at 2008-01-14 12:40 x
こんにちは!かわせみの里の小林と申します。
とても素敵な写真ですね、うずのしゅげ・・。最近、宮沢賢治さんのこの童話を読んだので、素敵な写真に感動しました。まだ野生の実物を見たことはありませんが、早く見てみたいものです。これからもちょくちょくお邪魔させて頂きたいと思いますので宜しくお願いします。
Commented by nenemu8921 at 2008-01-14 22:01
小林さん。ようこそ。
童話「おきなぐさ」いいですよね。
あの野草園にも、2,3株植えたら、増えると思うのですが。
ぜひ、ときどき遊びに来てくださいね。
ミチア(カワセミに賢治がつけた名前です)さん、元気でしょうね。
by nenemu8921 | 2007-06-22 22:49 | 植物 | Comments(10)

宮沢賢治の愛した鳥や植物


by nenemu8921