ザクロ

     〔九月一日〕

 どっどどどどうど どどうど どどう
 ああまいざくろも吹きとばせ
 すっぱいざくろもふきとばせ
 どっどどどどうど どどうど どどう

 谷川の岸に小さな四角な学校がありました。
 学校といっても入口とあとはガラス窓の三つついた教室がひとつあるきりでほかには溜りも教員室もなく運動場はテニスコートのくらゐでした。
                                       童話「風野又三郎」


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ザクロ〔ザクロ科ザクロ属〕柘榴 石榴
庭木、盆栽など観賞用に栽培されることが多く、矮性のヒメザクロ(鉢植えにできる)や八重咲きなど多くの栽培品種があり、古典園芸植物のひとつでもある。

本篇をのちに全面的に改作、発展したものが、賢治の代表作の1つである「風の又三郎」である。
冒頭の歌もざくろではなく、青いくるみやすっぱいくゎりんが登場する。
「風野又三郎」では、又三郎は風の精というよりは、気象化学に基づいた風の擬人化といった趣が強い。
物語には二百十日の台風の到来が組み込まれている。

今夜、日本列島は季節外れの台風襲来で雨風が吹き荒れている。
先日、近所の寺院の境内で撮ったこのザクロの実も、もう吹き飛ばされているかもしれない。
Commented by namiheiii at 2007-07-15 12:00
ああ、ざくろでしたね。風の又三郎、小学校の3年の時でした。短い間でしたが担任だった先生がこの一節を朗読してくれました。不思議な想いが忘れ難く残っています。
Commented by nenemu8921 at 2007-07-15 20:09
namihei先生。初めての賢治体験が、読み聞かせというのはとてもハッピーだと思います。まれなことですが。
昔は映画「風の又三郎」派が多く、最近の子どもらは教科書が初体験が多いようです。
by nenemu8921 | 2007-07-15 00:35 | 植物 | Comments(2)

宮沢賢治の愛した鳥や植物


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