ホタルブクロ←つりがねそう

つりがねさうか野ぎくの花が、そこらいちめんに、夢の中からでも薫りだしたといふやうに咲き、鳥が一疋、丘の上を鳴き続けながら通って行きました。
                                       童話「銀河鉄道の夜」


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ホタルブクロ(キキョウ科ホタルブクロ属)蛍袋
各地の丘陵や山地に生える多年草。和名の由来は、この花の中に子どもが蛍を入れて遊んだことによるとか、ちょうちんの昔の呼び名である「火垂る袋」によるものとか云われている。

ツリガネソウという名は標準和名では存在しないが、一般的に、釣鐘状の花をつけた植物(ホタルブクロ、ツリガネニンジン、シャジンの仲間など)の総称である。
賢治の表記はさまざまであるが、作品の背景を考慮し、詩的エッセンスを配慮すれば、ブリューベルやツリガネソウもイメージが明確になることもある。

「オホーツク挽歌」の「不思議な釣鐘草(ブリーベル)はハマベンケイソウであろうし、
「早池峰山巓」の「釣鐘人参(ブリューベル)のいちいちの鐘もふるへる」とあるのは、ツリガネニンジンであろう。
「銀河鉄道の夜」では、あかりのイメージがあるホタルブクロがよく似合う。

ブリューベルは、blue bell(英・一般に青いついがね型の花の咲く草)で、おしゃれに呼んでみたもの。
「新宮沢賢治語彙事典」では、フランス語、ドイツ語。英語のさまざまな意味を調べて、首をかしげているが、書斎の知識だけでは賢治文学は解読できない。
直観力とアバウトさも賢治のネーミングの手法なのだ。
Commented by ブドリ at 2007-07-24 00:25 x
名前の解説に共感します。
賢治はいろいろな名前にリズム感や音に近い表現を使いますよね。
賢治独特のオノマトペ!
これはホントに辞書や図鑑の中では理解できませんよね。自分の目で見て肌で感じないとわからないことです。
それだけに広がりがあって、解釈が様々になるのでしょうね。
Commented by nenemu8921 at 2007-07-24 20:29
ブドリさん、ブドリという名前も、ぶ鳥かもしれませんね。(*^_^*)
「よだかの星」を想起すると、醜鳥だったりして。
さて、ネネムは、?

おっしゃるとおり、音の響きやリズム感を大事にしていますね。
原稿も、校異をみていくと、パソコンの変換ミスみたいな表記も目立ちます。(もちろん書き直していますが)。
つまり、意味より音に引きずられて書く傾向があります。
これはあの時代の人には、かなりまれなことではないでしょうか。
Commented by mo-su1717 at 2007-07-24 21:33 x
こんばんわ
こちらのホタルブクロは淡いピンク色ですね。関西ではほとんどが白なのですよ。
Commented by nenemu8921 at 2007-07-24 22:03
mo-suさん。白もいいですね。
こちらでは白も見ますが。まれです。
やはり関西と関東と、又東北も植物相が微妙に違いますね。
ササユリという清楚なユリは、よほど探さないと、みられません。
こちらに多いのは、山百合です。
by nenemu8921 | 2007-07-23 12:19 | 植物 | Comments(4)

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