イチョウ←いてふの実
2007年 10月 22日
そしてドキッとしたのです。
今日こそはたしかに旅立ちの日でした。(略)
「僕なんか落ちる途中で目がまはらないだらうか。」(略)
「さうだ。忘れてゐた。僕水筒に水をつめて置くんだった。」(略)
「僕、靴が小さいや。面倒くさい。はだしで行こう。」(略)
「わたし困ってしまふわ、おっかさんに貰った新しい外套がみえないんですもの。」(略)
北から氷のやうに冷たい透きとほった風がゴーッと吹いて来ました。
「さよなら、おっかさん。」「さよなら、おっかさん。」
子供らはみんな一度に雨のやうに枝から飛び下りました。
童話「いてふの実」
イチョウ(イチョウ科イチョウ属)銀杏 公孫樹
寿命の長い中国原産の落葉大高木。雌雄異株。
各地の寺院をはじめ公園や並木によく使われ、人里近くに野生化しているものも見られる。
よく育つと30m以上になる。種子はギンナンである。
賢治が構想していた《花鳥童話集》の作品群に共通しているモチーフは死と再生である。
実ること、散乱すること、死、新たな命につながること、植物は美しい方程式で成立している。
毎年、近くの神社でギンナンを拾うのが楽しみだった。来年こそ、雄花と雌花の撮影をしようと思うのだが、いつも忘れてしまう。
新鮮なギンナン、美味しいですよね。
賢治の「いてふの実」では、葉が先に落ちますね。
ギンナンは新鮮なのをフライパンで炒って、フーフーいいながら、殻を剥き、塩をちょいとまぶして食すれば、これは、もう、ビールがすすみますね。(*^_^*)
荒っぽい旅立ち、希望者に分けられるようなのですよ。