ワタ
2007年 12月 23日
人はやっぱり秋には
禾穂(かすい)を叩いたり
鳴子を引いたりするけれども
氷点は摂氏十度であって
雪はあたかも風の積もった綿であり、
柳の波に積むときも
まったくちがった重力法によらねばならぬ
(略)
詩「浮世絵展覧会印象」
ワタ(アオイ科ワタ属)綿
ワタ属(Gossypium spp.、英:cotton plant)はアオイ科の属の一つ。約40種の多年草からなる。世界各地の熱帯または亜熱帯地域が原産。子房が発達して形成される朔果 (ball) の内部の種子表面からは白い綿毛が生じ、これを繊維として利用するため栽培される。この繊維は綿として利用される。
画像は佐倉市の国立歴史民族博物館に付属した「くらしの植物苑」での撮影。花は7月。実は10月。
引用した詩は、1928(昭和3)年、6月6日~25日、上野の東京府立(現、都立)美術館で報知新聞社主催の「御大典記念徳時代名作浮世絵展覧会」を鑑賞した折の作品の一節 。
鈴木春信の「雪中相合傘」が素材らしいが、詳細は不明。ご存知の方がいらしたらご教示願いたい。
以前ハスの花の紹介でも、この作品には触れた。
「雪はあたかも風の積もった綿」とは、詩人としては凡庸な比ゆだ。今の季節、クリスマスツリーに飾られた綿の雪を連想してしまう。
禾穂(かすい)は、稲の穂のこと。鳴子は田畑を荒らす鳥をおどし追うのに用いる具。小さい板に細い竹管を糸で掛け連ねたものを縄に張り、引けば管が板に触れて音を発する。
前半の4行は秋の田をイメージさせると思えるのだが。
この実は取らずにそのままにしておくとどうなるのかな~・・・?
でも、綿になるのはこの地方では難しいです。
全部などと言う事はまずありません
賢治が生きていた頃は、種をまいても、実がはじけましたかしらね?
そして、今と違う雪が降りました。
本当に寒いのでふわふわした雪が降ったのです
最近は暖かくて重い春のような雪が多いのです。
品種によって花の色も違うのでしょうね。
花巻はやはり寒冷地ですから綿花の栽培には向かないのでしょうか。
最近は花巻も暖かいですよね。
今年はお正月前に根雪になりそうでしょうか?
冬の花巻は車の運転がコワイですね。
先日スノーブラシというのを始めて見ましたよ。
あれは関東にはありませんねえ。
賢治が出向いた日付や展覧会の目録などを丁寧に調べ、詩句の題材になった浮世絵を推定しています。
この詩句からはバビロン柳をご紹介したほうがよかったかもしれませんね。
鳥や植物は賢治作品に頻繁に登場しますが、そのかなりの部分を事物そのものではなく、比ゆとして使っています。
面白いと思います。