トキ
2008年 01月 27日
はねのうらは、桃いろにぎらぎらひかり、まるで鳥の王さまとでもいうふう、タネリの胸は、まるで酒でいっぱいのようになりました。
タネリは、いま噛んだばかりの藤蔓を、勢よく草に吐いて高く叫びました。
「おまへは鴇(とき)といふ鳥かい。」
童話「タネリはたしかにいちにち噛んでゐたやうだった」
トキ(コウノトリ目トキ科) 鴇 朱鷺
体は白色だが、尾羽の羽毛は橙紅色を帯び、飛ぶと風切羽が橙紅色に見える。
トキは明治以後、田を荒らす害鳥として駆除されたり、美しい羽を採集するために捕獲されたりして急激に減った。
1934(昭和9)年に天然記念物、1952年に特別天然記念物、1960年には国際保護鳥と指定された。
1981年、佐渡に残された最後の野生のトキ5羽を捕獲保護し、その後中国から番のトキを寄贈されるなどの経過を経て、繁殖を図ってきた。
2003年に日本の野生のトキは死亡したが、、手厚い保護のもとトキは増え、2007年末、国内のトキは95羽だという。
コウノトリのように野生復帰できる日も遠くないのかもしれない。
画像は知人の好意から蘇雲山さん(環境文化創造研究所 主席研究員)のものをお借りした。
「タネリはたしかにいちにち噛んでゐたやうだった」におけるトキは、幻想的なイメージだ。異界へ主人公を連れ込む役割で、魔性の力を持つ鳥として描かれる。
初めてトキの飛翔姿の写真を見ました。
これがとき色なのですね。感動です。!!