くらかけ山
2008年 03月 09日
くらかけつづきの雪ばかり
野はらもはやしも
ぽしゃぽしゃしたり黝(くす)んだりして
すこしもあてにならないので
ほんたうにそんな酵母(こうぼ)のふうの
朧(おぼ)ろなふぶきですけれども
ほのかなのぞみを送るのは
くらかけ山の雪ばかり
(ひとつの古風な信仰です)
詩「くらかけの雪」
鞍掛山。岩手山南東に位置する標高897mの山。
背後に霞んでいるのが岩手山。岩手山の寄生火山。
賢治はこの山を岩手山より古い山と考えていたようだ。
たしかにすこしもあてにならない雰囲気ですね。
どこからの撮影ですか?
この撮影は小岩井農場の一角 、春子谷地の手前あたりだったと思います。
長詩「小岩井農場」の中に、冬来たときの追想場面がありますが、
それは、この「くらかけ山」を書いた日、大正11.1.6のことではないかという説があります。
この場所に立ったとき、そんなことを思い浮かべました。
くらかけ山ってどういうところかなと思っていましたが、
この写真を見て、ああ、こういう風景なんだなと、
感心しました。ありがとうございます。
実は、昨年、春と修羅の詩集を持って、賢治を訪ねて
イーハトーブの旅をしてきました。
イギリス海岸やビードロ公園などです。
時々、寄らせていただきますね。
まあ、イーハトーブへ行かれたのね。
ギンドロ公園、イギリス海岸…。ゆったりした時間が流れていて気持ちいいところですよね。
賢治の詩は作品だけ読んでも面白いけれど、イーハトーブを訪れると、
なにか、実感する部分がありますね。(#^.^#)