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くらかけ山

たよりになるのは
くらかけつづきの雪ばかり
野はらもはやしも
ぽしゃぽしゃしたり黝(くす)んだりして
すこしもあてにならないので
ほんたうにそんな酵母(こうぼ)のふうの
(おぼ)ろなふぶきですけれども
ほのかなのぞみを送るのは
くらかけ山の雪ばかり
   (ひとつの古風な信仰です)
              詩「くらかけの雪」


くらかけ山_c0104227_0424287.jpg
くらかけ山
鞍掛山。岩手山南東に位置する標高897mの山。
背後に霞んでいるのが岩手山。岩手山の寄生火山。
賢治はこの山を岩手山より古い山と考えていたようだ。
Commented by ウーミン at 2008-03-09 08:58 x
本当に、ぽしゃぽしゃした、くすんだ鞍掛山を見つけましたね。
たしかにすこしもあてにならない雰囲気ですね。

どこからの撮影ですか?
Commented by nenemu8921 at 2008-03-09 23:40
ウーミンさん。この詩の実際の情景は雪が降っているのでしょうね。
この撮影は小岩井農場の一角 、春子谷地の手前あたりだったと思います。
長詩「小岩井農場」の中に、冬来たときの追想場面がありますが、
それは、この「くらかけ山」を書いた日、大正11.1.6のことではないかという説があります。
この場所に立ったとき、そんなことを思い浮かべました。
Commented by saidenryu at 2009-02-08 06:44
はじめまして、
くらかけ山ってどういうところかなと思っていましたが、
この写真を見て、ああ、こういう風景なんだなと、
感心しました。ありがとうございます。

実は、昨年、春と修羅の詩集を持って、賢治を訪ねて
イーハトーブの旅をしてきました。
イギリス海岸やビードロ公園などです。

時々、寄らせていただきますね。
Commented by nenemu8921 at 2009-02-08 07:50
saidenryuさん。ようこそ(^^♪
まあ、イーハトーブへ行かれたのね。
ギンドロ公園、イギリス海岸…。ゆったりした時間が流れていて気持ちいいところですよね。
賢治の詩は作品だけ読んでも面白いけれど、イーハトーブを訪れると、
なにか、実感する部分がありますね。(#^.^#)
by nenemu8921 | 2008-03-09 00:50 | Comments(4)

宮沢賢治の愛した鳥や植物


by nenemu8921