シダレヤナギ← 鵞黄の柳

鵞黄の柳いくそたび、    窓を掃ふと出でたちて、

片頬むなしき郡長、     酸えたる虹をわらふなり。

                      文語詩「酸虹」



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シダレヤナギ(ヤナギ科ヤナギ属)枝垂柳。イトヤナギとも。
中国原産の落葉高木。古くから都市の街路樹としてよく用いられた。そのため、一般的にヤナギと言えばシダレヤナギを指すことが多い。しかし賢治作品に登場するのは楊(カワヤナギの方が断然多い。これはイーハトーブの環境に因るものであろう。
賢治のシダレヤナギは学名がSalix babylonicaであることから、バビロン柳と表記されることが多い。

c0104227_0201326.jpg雌雄異株である。下書稿では「牛酪(バタ)の粒噴く柳の糸」、「硫黄の粒噴きて」という表現もある。
まさにこんな情景だろうか。




















c0104227_0213530.jpgアップすれば、こんな花(雄花)である。
Commented by オキザリス at 2008-03-19 09:08 x
さわやかな柳の新緑! いよいよ春ですね。
柳といえば、銀座の柳、枝垂れ柳とイメージするのは、都会の人、中央の人なのでしょうね。


Commented by キッコ at 2008-03-19 19:49 x
なぜ柳が鵞黄なのですか? 
鵞黄と鵞王の違いは?
酸虹は賢治の造語ですか?
nenemuさんの高見をぜひ、ご教示されたし。

Commented by マルメロ at 2008-03-20 01:07 x
「鵞黄」とはガチョウのヒナの羽根のきれいな淡黄色つまりコハク色、鵞王とは仏の別称、とネットで検索できました。この熟語を知らなかったので調べてみるとちゃんと意味のある熟語のようで造語ではなさそうです。幼いころ身近にあった楊(カワヤナギ)は手に取ったときの色と感触はまさに琥珀の色合いで強靭であり香りも強いから印象に強く残っています。それよりも「酸えたる虹」とはどんな心象を言っているのだろう。なかなかそれの説明が思いつきませんね。
Commented by nenemu8921 at 2008-03-20 10:27
オキザリスさん。おはようございます。
わたくしも以前はヤナギは銀座のヤナギをイメージしていました。(~_~)
賢治を読むようになってからは、ヤナギはベムベロ、カワヤナギです。
賢治文学のおかげで、ヤナギの花の面白さを知りました。(^^♪
Commented by nenemu8921 at 2008-03-20 10:47
キッコさん。マルメロさん。おはようございます。
援軍あり!(*^_^*)
マルメロさん、ありがとう。
キッコさん、~~ということのようです。

酸虹は、さんこうと読むとおもいますが、賢治の造語でしょうね。
この詩の下書きでは「光酸」がタイトルで、光の酸がふりそそぐという表現が目に付きます。
その後、手入れを繰り返すうちに「酸えたる虹」となり、定稿ではタイトルも「酸虹」と落ち着きます。
酸えたるは、饐えたるにつながるイメージでしょうね。

面白いのはこの郡長さん、下書き稿では「女蕩しの農事技手 酔いて村より帰りくる」などの表現もあり、推敲の結果、こんな形に落ち着いたのでした。
宮沢賢治の地方の役所の人へのまなざしはかなり批判的だった印象をうけます。
Commented by nenemu8921 at 2008-03-20 11:57
マルメロさん。強力な援護射撃ありがとうございます。(*^_^*)
多分、賢治の他の文語詩で「鵞王」という表現が出てきますので、それを踏まえてのキッコさんのお尋ねだったのでしょう。

それにしても宮沢賢治の文語詩の世界は、言葉が言葉を呼び、新たなイメージを出現させ、さらに言葉が生まれかわる!!
そんな工房ですね。

今後ともよろしくお願いいたします。

Commented by rinrin at 2008-03-22 18:23 x
柳ですか。
私は、トシの通った、高等女学校の、門の柳を思い出します。
校舎を新しくするときに同窓会が1歩も譲らなかった、柳があるはずです。
今もあるかしら?
盛岡の、岩手公園のお堀のあたりにもありますしね。
Commented by nenemu8921 at 2008-03-22 21:31
rinrinさん。柳は丈夫で、一度植えるとかなり大きくなりますね。
あちこちでも目立ちますね。
でも、やはり、今の季節がいちばんみずみずしくてきれいですね。(*^_^*)
by nenemu8921 | 2008-03-19 00:12 | 植物 | Comments(8)

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by nenemu8921