函館→あんな美しい景色
2008年 05月 22日
もう11時だ。函館の公園はたったいま見て来たばかりだけれどもまるで夢のやうだ。
巨きな桜へみんな百ぐらゐづつの電燈がついてゐた。
それに赤や青の灯や池にはかきつばたの形した電燈の仕掛けもの
それに港の船の灯や電車の火花じつにうつくしかった。
けれどもぼくは昨夜からよく寝ないのでつかれた。
書かないで置いたってあんなうつくしい景色は忘れない。(略)
「或る農学生の日誌」
いま小樽の公園に居る。(略)
ベンチへ座ってやすんでゐると赤い蟹をゆでたのを売りに来る。
何だか怖いやうだ。よくあんなの食べるものだ。
(略) 「或る農学生の日誌」
賢治の函館といえば、「函館港春夜光景」を思い浮かべるが、残念ながら作品のイメージを画像でキャッチすることはできなかった。
桜はとうに散り、函館公園からは樹木が繁って、湾内の夜景は望めなかったから。
かわりに、賢治の時代は軍事基地があって近ずけなかったという函館山から壮大な夜景を見ることが出来た。下手な写真で冷や汗ですが。
朝市では巨大な蟹や帆立貝、うに、昆布などの海産物のほかに、バナナならず、メロンも売られていた。
函館の街は美しかった。街路樹のナナカマドが白い花をつけ始めた時期で、ポップな路面電車が走っていた。坂と教会が多く、おいしいパン屋さんがたくさんある街という印象だ。
木版画家の佐藤国男さんのご案内で、多くのアーティストとの知遇を得た。山猫博士有難うございました。
佐藤国男さんのHPはこちらをどうぞ。
函館は10年前に行ったことがあります。
ただの観光旅行と土地の人を訪問するのとでは、その町への印象がちがうだろうな。
一番下の写真がいいですね。♪♪
何時か、見てみたいな~・・・。
案内してくださる方が居て、いっそうその土地に親近感を感じることが出来ると思います。
知らない街を一人で歩くのも、またいいものですが…。
ブランコのある家は友人の友人の家です。
ご挨拶が遅くなってごめんなさい。 .
函館山は、夜景の美しさを体感できるように、ライトを抑えているのですね。
暗い中でカメラを操作するのはたいへんでした。
朝市は大勢の観光客が居ましたが、カニを買う人は多くないようでした。
ブランコのある家は、崖の突端にあるので、土地の値段は半値だそうです。
急な坂を上ったり、降りたり、暮らすのは大変そうです。特に冬は!!
命がけかもしれません。
マルメロさん、おっしゃるとおり、函館では賢治より啄木のほうが有名みたいです。
ちょっと…悔しかった……テヘヘッ(*゚ー゚)>
北方嗜好の強かった賢治ですから、何度かは函館の町を通過したことでしょう。
たまに帰れば、まるで違ってしまって見える故郷の街ですが、賢治の見た函館公園の夜桜の描写は、幼い日の景色と重なって懐かしいです。