カテゴリ:植物( 924 )

いちめんのやなぎらんの群落が
光ともやの紫いろの花をつけ
遠くから近くからけむつてゐる
           詩「鈴谷平原」

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ヤナギラン(アカバナ科ヤナギラン属)柳蘭
日本国内の山で出会うヤナギランは楚々とした印象があるが、群落になると壮観である。
蘭といってもランの仲間ではなく、柳といっても葉が柳の葉に似ているということでネーミングされたという。
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エゾノコギリソウ(キク科ノコギリソウ属)蝦夷鋸草
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ノコギリソウ(キク科ノコギリソウ属)鋸草
これはチェホフ記念館の庭で手入れもされずに咲いていた。
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キタノコギリソウ(キク科ノコギリソウ属)北鋸草
別名ホロマンノコギリソウ(幌満)鋸草)ともいう。稚内の宗谷岬周辺の草地で見つけた。
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by nenemu8921 | 2006-12-29 02:33 | 植物 | Comments(0)
教え子の晴山亮一(大正12年3月卒業)は、後に次のように、
賢治から聞いた話を思い出話として語っている。
「いろいろ話の中に、カラフトへ行った話がありました。
夏休みにカラフトへ行ってきたが、カラフトは花の匂いがよくて、
とてもよいところだったと言いました。」
              森荘已池『宮沢賢治の肖像』より
 

サガレンでは多くの野草に出会った。それらの多くは宮沢賢治も83年前に目にしたものだと思われる。
この国の自然はそれほど大きく変わってはいないのだ。
下手なデジカメのスナップで恐縮だが、サガレンと北海道稚内でであった植物を順次紹介したい。

エゾクガイソウ(ゴマノハグサ科クガイソウ属)蝦夷九蓋草。
樺太鉄道の車窓から目立ったのは、ヤナギランとこのエゾクガイソウである。
クガイソウは早池峰でも出会ったことがあるが、こちらのは草丈がはるかに大きい。
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エゾムラサキニガナ(キク科アキノノゲシ属)蝦夷紫苦菜
花は、ハーブのチコリによく似ているが、葉を見ると、ニガナの仲間だと納得。
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ヤマハハコ(キク科ヤマハハコ属)山母子
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チシマヒョウタンボク(スイカズラ科スイカズラ属)千島瓢箪木
花も実も、双子の星のように。
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by nenemu8921 | 2006-12-28 21:46 | 植物 | Comments(0)
どっどど どどうど どどうど どどう、
青いくるみも吹きとばせ
すっぱいくゎりんもふきとばせ
どっどど どどうど どどうど どどう
            童話「風の又三郎」


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カリン(バラ科ボケ属)花櫚
広く庭園に植えられている落葉高木。花期は4~5月。果実は芳香があり、薬用。
最近では果実もスーパーなどで見かけ、庭木としても普及したが、賢治の時代はなじみがなかった。
昭和15年に公開された日活映画、島耕二監督の映画「風の又三郎」では、「甘いりんごも~、すっぱいりんごも~」と歌っていたように記憶している。
宮沢賢治という名も知らぬまま、小さな神社の境内で、この映画を妹と見た記憶がある。
昭和30年ごろだったと思う。小学校の1年生くらいのときだ。
by nenemu8921 | 2006-12-21 01:25 | 植物 | Comments(7)

【40】 めくらぶだう

その城あとのまん中に、小さな四っ角山があって、
上のやぶには、めくらぶだうの実が、虹のやうに熟れてゐました。
                         童話「めくらぶだうと虹」


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ノブドウ(ブドウ科ノブドウ属) 野葡萄
山地や丘陵地、野原や川原にごくふつうに生える落葉つる性木本。
メクラブドウとはノブドウの方言。盲人の目玉に似た実をつけるのでこう呼んだ。
四っ角山は花巻市城内にある花巻城二の丸鐘楼跡の通称。

賢治はこの美しい実を地上の虹と見立て、天上の虹と対照させている。

今年はいいメクラブドウに出会えなかった。そんな年は秋も冬もゆっくり来る。
これは古い画像から拾い出した。
by nenemu8921 | 2006-12-16 01:38 | 植物 | Comments(2)
りんだうの花は刻まれた天河石(アマゾンストン」と、打ち劈かれた天河石で組み上がり、
その葉はなめらかな硅孔雀石(クリソコラ)で出来てゐました。
黄色な草穂はかゞやく猫目石(キャッツアイ)、
いちめんのうめばちさうの花びらはかすかな虹を含む乳色の蛋白石、
たうやくの葉は碧玉、そのつぼみは紫水晶(アメシスト)の美しいさきを持ってゐました。
そしてそれらのなかで一番立派なのは小さな野ばらの木でした。
野ばらの枝は茶色の琥珀や紫がかった霰石(アラゴナイト)でみがきあげられ、
その実はまっかなルビーでした。
                                       童話「十力の金剛石」


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リンドウ(リンドウ科リンドウ属)竜胆

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ウメバチソウ(ユキノシタ科ウメバチソウ属)梅鉢草

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センブリ(リンドウ科センブリ属)千振  画像提供はyonoさん
日当たりの良い草地に生える二年草。胃腸薬としてよく知られている。
全草を乾燥させ、煎じて飲むが、苦味が強く、千回振り出してもまだ苦味があることから
この名がついたという。
たうやく→トウヤクはセンブリの別名、俗名。もともとは乾燥させたものを当薬と呼んだ。 
by nenemu8921 | 2006-12-13 10:54 | 植物 | Comments(0)

【34】 ぬすびとはぎ

「えゝ、王子さま。あなたのきものは草の実で一杯ですよ。」
そして王子の黒いびろうどの上着から、緑色のぬすびとはぎの実を一ひらづつとりました。
                                          童話「十力の金剛石」


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ヌスビトハギ(マメ科ヌスビトハギ属)盗人萩
山野に多い多年草。和名は半月形の豆果が盗人の忍び足の足跡に似ているからとも言うが、異説もある。
by nenemu8921 | 2006-12-12 00:17 | 植物 | Comments(0)

【33】 サルトリイバラ

小藪のそばを通るとき、さるとりいばらが緑色の沢山のかぎを出して、
王子の着物をつかんで引き留めようとしました。
はなさうとしても仲々はなれませんでした。
王子は面倒臭くなったのでいきなり小藪をばらんと切ってしまひました。
                                  童話「十力の金剛石」
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サルトリイバラ(ユリ科シオデ属)猿捕茨
山地に生える落葉つる性木本。茎はかたく、
節ごとに屈折し、まばらにとげがある。
4~5月、散形花序に黄緑色の花を開くが目立たない。
果実はこのように美しい。
今年は出会えないかと思ったが、紅葉狩りに行って見つけた。

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by nenemu8921 | 2006-12-11 16:36 | 植物 | Comments(0)

ばらの実

一つぶのばらの実を唇にあてました。
するとどうでせう。唇がピリッとしてからだがブルブルッとふるひ、何かきれいな流れが頭から手から足まで、すっかり洗ってしまったやう、何とも云へずすがすがしい気分になりました。空まではっきり青くなり、草の下の小さな苔まではっきり見えるやうに思ひました。
それにいままで聞こえなかったかすかな音もみんなはっきりわかり、いろいろの木のいろいろな匂いまで実に一一手にとるやうです。おどろいて手に持ったその一つぶのばらの実を見ましたら、それは雨の雫のやうにきれいに光ってすきとほってゐるのでした。
    童話「よく利く薬とえらい薬」


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画像提供はyonoさん
by nenemu8921 | 2006-11-28 23:19 | 植物 | Comments(0)
この荒れ畑の切り返しから
今日突然に湧き出した
三十キロでも利かないやうな
うすい黄いろのこの菊芋
あしたもきっとこれだけとれ、
更に三四の日を保する
このエルサレムアーティチョーク
イヌリンを含み果糖を含み
小亜細亜では生でたべ
ラテン種族は煮てたべる
古風な果蔬トピナムボー
  詩〔そもそも拙者ほんものの清教徒ならば〕

 
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キクイモ
キク科、ヒマワリ属、キクイモ 帰化植物。明治初期に資料として輸入されたものが各地で野生化している。エルサレム・アーティーチョークは英名で、エルサレムのヒマワリの意。果蔬トピナムボーは、果蔬(かそ)は食用にする果物や野菜のこと、トピナムボーはキクイモのフランス名。荒れ畑を開墾していて、キクイモの根茎がごろごろ出てきて、参っているのである。
しかし、賢治が言うように、確かにキクイモは、イヌリンをたっぷり含み、ビタミンもミネラルも豊富なので、最近では糖尿病改善、高血糖改善のための健康食品として注目されている。
しらべてみると、商品化されて、顆粒状にしたものやお茶やうどんまであるらしい。
http://www.e-kikuimo.com/index.html
きっと、宮沢賢治もびっくりしていることだろう。
今回、大迫の産直センターで袋入のキクイモが売られていたので、購入した。宿のご主人に話すと、「うちにもいっぱいある」と、行って奥から出してきて見せてくれた。そして塩漬けにしたものをご馳走になった。
by nenemu8921 | 2006-11-28 11:20 | 植物 | Comments(2)

ヤドリギ

「栗の木 死んだ、何して死んだ、
子どもにあたまを食われて死んだ」

「栗の木食って 栗の木死んで
かけすが食って 子どもが死んで
夜鷹が食って かけすが死んで
鷹は高くへ飛んでった」
 
     童話「タネリはたしかにいちにち噛んでいたやうだった」


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ヤドリギ(宿木)
クリ、ブナ、エノキ、ケヤキ、ミズナラなど、落葉樹の大木に寄生する常緑小低木。
常緑なので冬に宿主の葉が落ちると目立つ。
鳥がその実をついばみ、糞をすることで、他の枝に運ばれる。
賢治のヤドリギはクリの木がお気に入りのようだ。
カケスはヤドリギを食べるが、もちろんヨタカがカケスを食べることはない。
タネリはでまかせの歌を歌うのは得意である。
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晩秋のイーハトーブに行ってきました。
早池峰山の麓で、思いがけず出会いました。サガレン紀行は途中ですが、しばらく気ままに展開させてください。よろしく。from nenemu
by nenemu8921 | 2006-11-27 00:33 | 植物 | Comments(3)

宮沢賢治の愛した鳥や植物


by nenemu8921