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函館で出会った植物 ③

     セイヨウリンゴ(バラ科リンゴ属)西洋林檎
     栽培する落葉小高木。住宅地の庭先でたくさん花をつけていた。庭で林檎が実るなんてすてきだ。
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     シラネアオイ(シラネアオイ科シラネアオイ属)白根葵
     函館山2合目あたり友人の裏山で。花期はほとんど終わりだった。うーん、残念。
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     クサノオウ(ケシ科クサノオウ属)草の王、草の黄とか。  
     函館山近くの路傍で。花びらに切り込みのあるのを見たのは初めてだった。
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     オドリコソウ(シソ科オドリコソウ属)踊子草
     路傍で。白花、淡紫色のものはよく見るが、こんなエキゾチックなのは初めて。園芸種?
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     ミズナラ(ブナ科コナラ属)水楢
     小沼のほとりで。新緑の森で雄花花序が美しかった。
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by nenemu8921 | 2008-05-31 13:45 | 植物 | Comments(12)

函館で出会った植物 ②

     クロユリ(ユリ科バイモ属)黒百合
     ホテル付近の住宅地の庭先でプランターに植えられていた。
     初めて出会ったので、感激していたら、翌朝、地元の方が鉢植えのものを届けて下さった。
     いま、「マイ下の畑」にあります。
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     クルマバソウ(アカネ科クルマバソウ属)車葉草
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      シロスミレ(スミレ科スミレ属)白菫
      小沼の周辺で。
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     チゴユリ(ユリ科チゴユリ属)稚児百合
     胡四王山の花というイメージを持っていたが、小沼周辺、函館山でもたくさん見かけた。
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     ルイヨウボタン(メギ科ルイヨウボタン属)類葉牡丹
     函館山2行目辺り、友人宅の裏庭で。
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by nenemu8921 | 2008-05-30 17:29 | 植物 | Comments(8)

函館で出会った植物 ①

大正13年5月19日~23日にかけて行われた花巻農学校第2学年生徒の北海道修学旅行に統導者の報告として学校へ提出した「修学旅行復命書」には、札幌の北海道大学付属植物園を訪れた際、「札幌付近の雑草の標本亦よき教材なり」と記して、しらねあふひ、ちごゆり、はくさんちどり等の名を上げ、岩手山の植物相と比較し、植物の垂直水平両分布を説明している。
以前、これらの植物は紹介した。
今回は賢治が書き残してはいないけれども、同じ季節、84年前に賢治らの目にも留まったかもしれない植物を紹介したい。
これらは、先日5月17~18日、函館市内、大沼公園周辺、函館山で見つけたものである。
ご案内いただいた地元の友人とナチュラリストの方々に感謝したい。

ナナカマド(バラ科ナナカマド属)七竃
咲き始めたばかりで、海岸近くの街路樹に多かった。サハリンを思い出した。
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ミヤマザクラ(バラ科サクラ属)深山桜
小沼周辺で。深山に生える落葉高木と図鑑にある。ハシブトガラが枝を飛び回って鳴いていた。
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ベニバナイチヤクソウ(イチヤクソウ科イチヤクソウ属)紅花一薬草
こんなすごい群生に出会ったのは初めてだった。
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ズミ(バラ科リンゴ属)酸味
最初、エゾノコリンゴと説明を受けたが、あとでズミと訂正をいただいた。図鑑で見ても区別が出来ない。この花は固いつぼみのときは真っ赤ななのに、膨らむにしたがって色が薄れ、開花した状態ではほとんど白い花になる。
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マイズルソウ(ユリ科マイズルソウ属)舞鶴草
岩手山麓でおなじみの花。葉脈の曲がり方を、ツルが翼を広げて舞っている姿に見立てた名。
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by nenemu8921 | 2008-05-29 23:51 | 植物 | Comments(6)

アカシヤ←ハリエンジュ

アカシアの木の洋燈(ラムプ)から
風と睡さに
朝露も月見草の花も萎れ
そら紺青にかゞやけば
鬼げし風のきもの着て
稲沼(ライスマーシュ)の畔にあそぶ子
 ……さぎが車のうしろにとまり
    莢豌豆をぱりぱり喰べる……
貢り黒い岩頸に
雲は無心な銀の挨拶
             詩〔アカシヤの木の洋燈から〕(下書稿一)


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ハリエンジュ(マメ科ハリエンジュ属)針槐 (ニセアカシア、アカシア)
明治初期に渡来した落葉高木。各地に広く植えられ、野生化もしている。
高さ15mほどになる。5~6月、大形の花序をたらし、芳香のある白色の蝶形花を開く。

ニセアカシアとアカシアとハリエンジュ
明治期に日本に輸入された当初は、このニセアカシアをアカシアと呼んでいた。後に本来のアカシア(ネムノキ科アカシア属)の仲間が日本に輸入されるようになり区別するためにニセアカシアと呼ぶようになったが、標準和名はハリエンジュである。托葉の変化したトゲが目立つという特徴からである。
アカシヤという流通名が定着していて、札幌のアカシア並木も、アカシア蜂蜜として売られているものも、西田佐知子のヒット曲『アカシアの雨がやむとき』、石原裕次郎のヒット曲『赤いハンカチ』や北原白秋の『この道』に歌われる"アカシアの白い花"や、2000年代に入ってからは松任谷由実の『acacia (アケイシャ)』やレミオロメンの『アカシア』もすべてこのニセアカシアを歌った曲である。
もちろん、われらが賢治が洋燈と喩えたアカシヤもこのニセアカシアのことである

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アオサギ((サギ科)蒼鷺
この作品では、手入れの段階で、「蒼さぎ」という表現があるため、アオサギを紹介する。
青灰色をした大形のサギ。ゴァーツ、ゴァーツと鳴く。全国の池や川、海岸などに留鳥として見られる。日本に分布するサギのうちで最大。水辺で魚や昆虫、甲殻類などを捕食するが、エンドウマメを食べるサギは知らない。画像は数年前、都内の水元公園で早朝、出会ったアオサギ。この頃はまだコンデジだった。

以前定稿(最終形)を紹介した。最終形では、さぎは削除されてしまう。
そして、さらにこの作品をもとにして「朝」という題で文語詩がかかれるが、文語詩ではアカシヤの洋燈も削除されてしまう。


数日前、出かけた旅で、信濃川流域にはこのニセアカシアがびっしり花をつけていた。
昼食に食べたてんざるのてんぷらは、エビやフキノトウやウドなどの山菜に混じって、このアカシアの花のてんぷらも盛られていた。ぱりっとあげられて、ほのかな甘みがあって美味!
花巻市の北上川の朝日橋付近でも、大きな樹木にいっぱい白い花をつけているのに、出会ったことがある。風にゆれ、木は高くて、とても写真は撮れなかった。
イーハトーブの住人はアカシアのてんぷらは召し上がらないのだろうか?



 
by nenemu8921 | 2008-05-27 23:08 | 植物 | Comments(14)

アナロナビクナビ 睡たく桐咲きて
峡に瘧のやまひつたはる

ナビクナビアリナリ 赤き幡もちて
草の峠を越ゆる母たち

ナリトナリアナロ 御堂のうすあかり
毘沙門像に味噌たてまつる

アナロナビクナビ 踏まるる天の邪鬼
四方につゝどり鳴きどよむなり

            文語詩「祭日〔二〕」

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キリ(ゴマノハグサ科キリ属)桐
本州や九州、朝鮮半島の山地で野生状態を示すところもあるが、はっきりした原産地は不明。有用材として各地で植栽されている落葉高木。
花色のせいだろうか。満開のこの花の群落は眠たそうにも見える。
くらっとする独特の芳香がある。

毘沙門像は岩手県東和町にある成島の毘沙門天像のこと。
カタカナ書きは、「法華経」陀羅尼品の中の呪文。
桐が眠たく咲く季節である。山に囲まれた谷間の村々におこりの病がはやっている。
母たちは信仰の証として堂宇に納める小さなのぼりをもって峠をこえる。
毘沙門天に詣でて味噌を献じ治癒を祈願するのである。
周囲ではツツドリの鳴声が響き渡っている。

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越後の山峡の部落にも桐の花が眠たく咲いていた。谷間のあちこちに見かけた。

成島の毘沙門天に関してはこちらをどうぞ。
by nenemu8921 | 2008-05-25 15:56 | 植物 | Comments(18)

棚田

(略)
かすかなる霧雨ふりて
丘はたゞいちめんの青
谷あひの細き棚田に
積まれつゝ厩肥もぬれたり
                  詩「釜石よりの帰り」


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作品舞台は不明。
谷あひの棚田を訪ねた。撮影は新潟県の谷間の部落である。
by nenemu8921 | 2008-05-24 23:30 | イメージ | Comments(10)

函館→あんな美しい景色

いま汽車は函館を発って、小樽へ向かって走ってゐる。窓の外はまっくらだ。
もう11時だ。函館の公園はたったいま見て来たばかりだけれどもまるで夢のやうだ。
巨きな桜へみんな百ぐらゐづつの電燈がついてゐた。
それに赤や青の灯や池にはかきつばたの形した電燈の仕掛けもの
それに港の船の灯や電車の火花じつにうつくしかった。
けれどもぼくは昨夜からよく寝ないのでつかれた。
書かないで置いたってあんなうつくしい景色は忘れない。(略)
                                     「或る農学生の日誌」
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函館山からの夜景

いま小樽の公園に居る。(略)
ベンチへ座ってやすんでゐると赤い蟹をゆでたのを売りに来る。
何だか怖いやうだ。よくあんなの食べるものだ。
(略)                                   「或る農学生の日誌」


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函館市朝市から

賢治の函館といえば、「函館港春夜光景」を思い浮かべるが、残念ながら作品のイメージを画像でキャッチすることはできなかった。
桜はとうに散り、函館公園からは樹木が繁って、湾内の夜景は望めなかったから。
かわりに、賢治の時代は軍事基地があって近ずけなかったという函館山から壮大な夜景を見ることが出来た。下手な写真で冷や汗ですが。
朝市では巨大な蟹や帆立貝、うに、昆布などの海産物のほかに、バナナならず、メロンも売られていた。
函館の街は美しかった。街路樹のナナカマドが白い花をつけ始めた時期で、ポップな路面電車が走っていた。坂と教会が多く、おいしいパン屋さんがたくさんある街という印象だ。
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函館山の2合目の崖上に建つ家のテラスから。手作りのブランコに乗ると湾内が一望できる。

木版画家の佐藤国男さんのご案内で、多くのアーティストとの知遇を得た。山猫博士有難うございました。
佐藤国男さんのHPはこちらをどうぞ
by nenemu8921 | 2008-05-22 00:58 | イメージ | Comments(10)

津軽海峡

東には黒い層積雲の棚ができて
古びた緑青いろの半島が
ひるの疲れを湛えてゐる
その突端と青い島とのさけめから
ひとつの漁船がまばゆく尖って現はれる
(略)
                 詩「116 津軽海峡」 (下書稿(二)「修学旅行」)

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船はけむりを南にながし
水脉は凄美な砒素鏡になる
(略)
                 詩「116 津軽海峡」

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1924(大正13)年5月18~23日、宮沢賢治は花巻農学校の生徒を引率して、北海道修学旅行に参加した。その往路、青函連絡船で津軽海峡を渡った時の作品。
船上から海と空を眺めている。

宮沢賢治学会の函館セミナーに参加した。
賢治が修学旅行をした時代とは変って、高速フェリーなっちゃんWorld号に乗船しての光景である。
by nenemu8921 | 2008-05-20 12:20 | イメージ | Comments(12)
とりて来し
白ききのこを見てあれば
なみだながるる
寄宿のゆふべ
                    歌稿310

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ドクツルタケ(テングダケ科テングダケ属)毒鶴茸
夏から秋にかけて、ブナ、ミズナラなどのh広葉樹や針葉樹の林内地上に発生する。毒成分はファロトキシン類とアマキトシン類。1本程度の誤食でも、早急に適切な医療処置を受けなければ、2~3日後に死に至る。

「大正5年3月より」中の短歌。大正5年4月から賢治は盛岡高等農林学校2年生。
白ききのこがドクツルダケだったという証言や記録はない。イメージである。

この年の5月、賢治は高橋秀松とともに北上山地を探訪している。また、6月には保阪嘉内ら友人たち8人で岩手山登山をしている。

画像は昨年7月千葉県市川市郊外の林縁で見つけたもの。非常に美しいキノコだった。
柄は、真っ白いマントのような膜状のつばを持ち、ささくれがあることで、上等の絹で織りなしたような文様を描き出す。
by nenemu8921 | 2008-05-17 00:33 | きのこ | Comments(8)

スギナ

雨がぽしゃぽしゃ降ってゐます。
心象の明滅をきれぎれに降る透明な雨です。
ぬれるのはすぎなやすいば、
ひのきの髪は延び過ぎました。
(略)
                   詩「手簡」


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スギナ(トクサ科トクサ属)杉菜
畑や空き地、道端などいたるところに群生している多年草。早春に、地下茎の節から胞子茎を立て、その後栄養茎を出す。一般に胞子茎をツクシ、栄養茎をスギナと呼んでいる。

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スイバ(タデ科ギシギシ属)酸い葉
田畑のあぜ道など、人里近くに普通に生える多年草。
スイバは以前も紹介した。こちらもどうぞ。

手簡は、書簡、手紙のこと。
心象の明滅は、賢治お得意の表現。
この手紙は、後半の詩句から「白びかりの巨きなすあしの人」へあてたものに読めるが、
「疾中」詩篇を思わせる内容だ。
「春と修羅」補遺に収められている。
by nenemu8921 | 2008-05-15 11:18 | 植物 | Comments(4)

宮沢賢治の愛した鳥や植物


by nenemu8921