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ベゴニア

下ノ畑周辺で出会った。
近隣の方がささやかなガーデニングを楽しんでいるところである。
ベゴニアなんて、一時代前の観葉植物というイメージが強かったが、
カメラを向けると、思いがけず、新鮮な表情がそこにあった。
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ベゴニア(シュウカイドウ科シュウカイドウ属・ベゴニア属)エラチオール・ベゴニアでしょうか。
日本では自生していない植物だと思うのですが、いつごろ日本に入ってきたのでしょう。
ゼラニュームなどと同様、園芸植物としておなじみですが、詳細は知らないことばかりでした。
by nenemu8921 | 2009-06-30 09:38 | 番外 | Comments(4)

リョウブ

千葉市郊外の森で咲き始めたリョウブの花に出会った。
たくさんのヒョウモンチョウ(だと思うのですが…)が、しずかに群がっていた。
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リョウブ(リョウブ科リョウブ属)令法
北海道南部から九州、朝鮮に分布する落葉の高木。
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リョウブは令法と書く。令法という名は、救荒植物として育て蓄えることを法で決められたからといわれるが、花序の形から「竜尾」がなまったとの説もある。
現在でも新芽をご飯にたきこみ、令法飯と呼ぶものがあるという。どんな味か、試してみたいものだ。

賢治作品には、この樹木の名は登場しないが、岩手地方では大根を小さく刻んでごはんに炊き込んで食する習慣もあったようです。大根カテと呼んだようです。
『宮沢賢治の肖像』(森 荘已池著)では賢治が農学校の教師時代、朝礼の時に倒れた生徒の嘔吐物に大根カテが混じっているのを見て周囲の子が笑ったことに、賢治は暗い顔をして修羅のようだったという妹、クニさんの聞き書きが残されています。

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by nenemu8921 | 2009-06-29 01:49 | 番外 | Comments(10)

萱草(カンゾウ)

汗ゆゑに
青く縞たつ光ぞと
あきらめくれば萱草咲けり。
               歌稿B566


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菅草→ヤブカンゾウ(ユリ科ワスレグサ属)
下ノ畑の土手に移植したら、環境があったのか、今年は次々花をつけた。毎日新しい花が咲きます。

作品は大正6年7月、花巻町有志発企による「東海岸視察団」に参加して、東海岸の産業を視察し、宮古、浄土ヶ浜などを訪れた折の歌。帰途は(単独で?)遠野を廻ったらしい。40キロ余の山谷をつかれはてながら歩き、遠野へ出たと推測されている。
歌稿Aでは、「つかれ故青く縞たつ光ぞとあきらめ行けば萱草さけり」とあった。
賢治、盛岡高等農林3年生のときである。
萱草はわすれ草という典雅な名もある。
汗で、疲労で、目がちかちかするほどに歩きつかれた賢治に、わすれ草は慰めになっただろうか。

彼の作詩した「牧歌」に登場するわすれ草も、ワスレナグサではなくて、この花である。
以前にもご紹介した。 よかったらこちらをどうぞ。


下ノ畑にはカンゾウの仲間のヘメロカリスという園芸種もあって、それらも今盛んです。

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by nenemu8921 | 2009-06-27 10:18 | 植物 | Comments(6)

きんぽうげ 芹

そのきらびやかな空間の
上部にはきんぽうげが咲き
  (上等のbutter-cupですが
   牛酪(バター)よりは硫黄と蜜とです)
下にはつめくさや芹がある
ぶりき細工のとんぼが飛び
雨はぱちぱち鳴つてゐる
  (よしきりはなく なく
   それにぐみの木だってあるのだ)
(略)
青ぞらは巨きな網の目になつた
それが底びかりする鉱物版だ
  よしきりはひっきりなしにやり
  ひでりはパチパチ降つてくる
                   詩「休息」

きんぽうげ→ウマノアシガタ
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→セリ(セリ科セリ属)
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とんぼ→ノシメトンボ
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大正11.5.11の日付のある作品。
土手の草地に体を投げ出して休んでいるときの印象を綴った詩である。
ひでり雨がぱちぱち降り、オオヨシキリの鳴き声が響く。
眼にとまるのはキンボウゲ。
(エゾキンポウゲという植物はあるが、キンポウゲはない。キンポウゲ科のウマノシガタやタガラシ、キツネノボタン、ヒキノカサなどを総称して呼んだと思われる)。
賢治はきんぽうげという名がお気に入りだった。
きんぽげの英名がbutter-cupで、その連想から牛酪(バター)へ、蜜と硫黄へと展開する。
視線を下へ向ければ、つめくさと芹。つめくさは童話「ポラーノの広場」でシンボル的植物でもある。
芹は賢治の好きな「月光色の散形花」だが、語感がよくないからか、登場回数は多くない。
ぶりき細工のとんぼがノシメトンボだと限定できないが、とんぼの形体からのイメージと思われるのでこだわらなかった。
生物を鉱物や金属にたとえるのは賢治の独特の詩法である(亜鉛鍍金の雉子もあった)。
詩人の眼はひでり雨を降らす空へ向けられるが。空もまた鉱物板になってしまう。

きんぽうげ、つめくさ、よしきり、ぐみなどは以前にも紹介した。
よろしかったら、検索してみてください。
by nenemu8921 | 2009-06-25 18:20 | 植物 | Comments(10)

熊蜂→クマバチ

(略)
  はんのきは黒い実をつけ
  その実は青いランプをつるし
  草には淡い百合をさかせる
(略)
  せはしく苔や草をわたる
  朝の熊蜂の群もある
あゝわたくしはいつか小さな童話の城を築いてゐた
何たる貪婪なカリフでわたくしはあらう
(略)
                    詩「種山ヶ原」パート二 下書稿(一)

1.
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2.
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3・
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クマバチ(ミツバチ科クマバチ属)熊蜂
大型のハナバチで、九州から北海道にかけて広く分布するキムネクマバチがよく知られている。
体長は2cmを超え、ずんぐりした体形で、胸部には毛が多い。全身が黒く、翅も黒い中、胸部の毛は黄色いのでよく目立つ。初夏に出現し、フジの花などに来訪するのがよく見られる。 食性は、他のハナバチ同様、花蜜食。但し、花の根元に穴を開け、蜜だけを頂戴するため、花粉は媒介しない。

作品は「春と修羅 第二集」に収められている「種山ヶ原」の先駆形。
種山ヶ原の自然、動植物のスケッチがすばらしい作品だが、解体され、再構成されて、複数の作品となる。
熊蜂が登場するのは、この下書稿(一)のみ。

画像はわが下ノ畑の白いアルカネットによく訪れるクマバチ。
傍らに咲いているセージやオレガノには見向きもせず、この小さな花がお気に入りだ。
大きな体で、小さな花に顔を突っ込んでいるさまが面白い。
4.
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5.
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クマンバチとはスズメバチのことで、このクマバチではありません。
地域によっては、獰猛なスズメバチのことをクマンバチと呼ぶ所もあるようですが。
このクマバチは体が大きく、羽音の印象が強烈なために獰猛な種類として扱われることもあるが、きわめて温厚だとか。
ひたすら花を求めて飛び回り人間には関心を示さず、たとえ刺されても重症に至ることは少ない。
単独生活のハチであり、枯れ木に巣穴を掘り、中に蜜と花粉を集め、産卵する。時に同じ枯れ木に複数が集まって営巣することもある。

なぜ、クマバチの群なのでしょう。
by nenemu8921 | 2009-06-23 22:42 | 昆虫・クモなど | Comments(10)

ぐみ (なつぐみ)

城のすすきの波の上には
伊太利亜製の空間がある
そこで烏の群が踊る
白雲母(しろうんも)のくもの幾きれ
             (濠と橄欖天蚕縬(かんらんびろうど)、杉)
ぐみの木かそんなにひかつてゆするもの
(略)
                    詩「マサニエロ」

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ナツグミ(グミ科グミ属)夏茱萸
山野に生え、高さ2~5mになる落葉高木。
葉は互生し、長楕円形で長さ5~8cm、裏面は灰白色の鱗片を密生して白っぽく見える。
実は6月初めの撮影。花は4月初めに撮影したもの。

グミにはナツグミとアキグミとある。
「そんなにひかってゆするもの」という表現から、葉裏が白く翻るナツグミであろう。
作品舞台は花巻城址。季節は秋。
橄欖天蚕縬(かんらんびろうど)は、橄欖はオリーブのこと、天蚕縬(てんさんじゅう)はルビがあるようにビロードのこと。
杉の樹木をオリーブ色のビロードに見立てているのであろう。
なぜなら、城の上空は伊太利亜製、イタリアのように青く明るいからだ。
タイトルの「マサニエロ」は、実在したイタリアの漁夫(1620~1647)。ナポリの反乱の立役者。
劇的なその生涯は歌劇にもなった。

この作品の解釈は幾つか論があって、悩ましい作品である。
先日の千葉賢治の会の勉強会でも取り上げたが、見解が分かれて、面白かった。
by nenemu8921 | 2009-06-22 10:06 | 植物 | Comments(8)
アイリスに出会った湿原は成東・東金食虫植物群落と呼ばれているところです。
オオヨシキリやセッカ、ヒバリのさえずりが絶え間なく響き、時折ウシガエルの声も聞こえます。
今の時期、ノハナショウブの他にこんな植物に出会いました。
自然のまま、手を加えずに管理されています。

ミズチドリ(ラン科ツレサギソウ属)水千鳥
ハクサンチドリやノビネチドリに比べると、ずっと地味で清楚です。
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ヤマサギソウ(ラン科ツレサギソウ属)山鷺草
よくよく見れば、たしかに欄の花の形ですが、地味で目立たない…。だれかさんみたい。
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ヒメヤブラン(ユリ科ヤブラン属)姫藪蘭
非常に小さい花です。湿原のさまざまな草の足もとにそっと咲きます。
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ナツトウダイタカトウダイ(トウダイクサ科トウダイグサ属)高燈台
ありふれた花ですが、心魅かれる造形です。
ありふれた…とはいえないかも。最近では少なくなりました。
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イシモチソウ(モウセンゴケ科モウセンゴケ属)石持草
もう、そろそろ終りの時期。此処では食虫植物の代表選手です。
ナガバノイシモチソウもある筈ですが見つけられなかった。
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こちらが葉のアップです。水滴ではありませんよォ。
葉身は三日月形で幅4~6mm。表面と縁に腺毛が密生し、粘液を分布して虫を捕らえます。
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ヌマトラノオ(サクラソウ科オカトラノオ属)沼虎の尾
今日生まれたばかりかと思うようなベニシジミがたくさんいて、咲き始めたばかりのこの花に、
あっちでもこっちでもひっそりと吸蜜していました。
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by nenemu8921 | 2009-06-20 23:36 | 番外 | Comments(13)

アイリス

まっ青に朝日が融けて
この山上の野原には
濃艶な紫いろの
アイリスの花がいちめん
靴はもう露でぐしゃぐしゃ
図板のけいも青く流れる
ところがどうもわたくしは
みちをちがへてゐるらしい
ここは谷がある筈なのに
こんなうつくしい広っぱが
ぎらぎら光って出てきてゐる
                 詩「種山ヶ原」

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ノハナショウブ(アヤメ科アヤメ属)野花菖蒲 ←アイリス
全国の山野の草原や湿原に生える多年草。花菖蒲は本種を改良した園芸品種。

菖蒲園で見る花菖蒲は賢治のアイリスのイメージとあまりに違うので、
野生のアイリスをさがして房総まで脚を伸ばした。
成東・東金にある食虫植物群落を保護している湿地帯に、思いがけずに野生のアイリスの群生地があった。

作品は、大正14年七月の日付のある詩だ。タイトルにあるように種山が原が舞台。
種山ヶ原では今でも野生のアイリスが見られるのだろうか?
by nenemu8921 | 2009-06-19 19:35 | 植物 | Comments(10)

下ノ畑  6月の今②

下ノ畑では野菜も順調に育っています。
野菜の花もまた美しい。
ご存知ですか?メークイン(ジャガイモ)の花です。
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宮沢賢治も愛したトマトです。これは中玉のフルーツトマトです。
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こちらがキュウリです。
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そしてこれはお隣のワイルド・ガーデンのワイルド・ストロベリーです。
我が家まではみ出してきた元気のいい子を時々味見します。すごーくアマーイです。
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ジャガイモは近隣の畑より、一足遅れでこれから実が大きくなります。
キュウリとトマトは種を選んで撒き、大きくなりました。(毎年苗を購入していましたが…)
他にもタマネギ、トウガラシ、ゴーヤ、インゲン、バジル、レタス、ハヤトウリ(初挑戦です)が、
地面の上ではぐんぐん伸び、地面の下ではモコモコ太っています。(だといいなあ…)
た・の・し・みです。
by nenemu8921 | 2009-06-16 17:46 | 植物 | Comments(10)

下ノ畑  6月の今①

かゞやける花粉をとりて飛びしかど小蜂よいかにかなしかるらん
                                歌稿A 588

1.ボリジ(ムラサキ科)の蜜を吸う蜂 ニホンミチバチだそうです。
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今年は5月半ばから涼しい日が続いたせいか、わが下ノ畑では、
バラが咲き続けるなかで、ユリが開き始め、キュウリやトマトもぐんぐん伸び始めました。
蜂や虫たちも一生懸命の季節です。

2.フェンネルにはいつもたくさんの虫が集まってきます。この紅いサングラスの蜂さんは?
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ベッコウバチ、クモを捕るそうです。

3.大柄なこの蜂さんも名前が分かりません。ご存知の方がいらしたら、ぜひ教えてください。
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フタモンアシナガバチだそうです。

4.おなじみのアカスジカメムシ君。
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5.フェンネルは蜜だけでなく葉も美味しいのです。華麗な変身はいつかしら?
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キアゲハの幼虫だそうです。アゲハか、どうか、分かりませんでした。

6.ヤロー(キク科)の上でおどけたクモさんは? おじいさんみたいに見えますね。
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ササグモだそうです。

7.アジサイの葉の裏にいるのは誰かしら?
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なんと、ヨツスジハナカミキリだそうです。カミキリムシだったのね。

8.ナミテントウでしょうか。
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ナミテントウでした。

9.バラの陰にいたこのものすごい脚のながい虫君は?
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キリウジガガンボだそうです。

小さな畑なのに、たくさんの虫がいるのに改めて愕きました。
宮沢賢治は昆虫に関しては、あまり詳細な記述がありません。
けれども、こうして見ると、虫って美しいと感じます。
昆虫に関しては知らないことばかりです。
ご存知の方がいらしたら、ぜひ教えてください。

追記
さっそくbrue_nileさんがぶーんと飛んできて教えてくれました。すばらしい!!感謝です。
brue_nileさんのお部屋「ナイル商会」では、たくさんの虫さんが集まっています。
by nenemu8921 | 2009-06-14 21:57 | 昆虫・クモなど | Comments(10)

宮沢賢治の愛した鳥や植物


by nenemu8921