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(略)
その城あとのまん中に、小さな四っ角山があって、
           上のやぶには、めくらぶだうの実が、虹のやうに熟れてゐました。
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(略)めくらぶだうは感激して、
        すきとほった深い息をつき葉から雫をぽたぽたこぼしました。
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(略)そこでめくらぶだうの青じろい樹液は、
                はげしくはげしく波うちました。
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 さうです。
 今日こそ、ただの一言でも、虹とことばをかはしたい、
             丘の上の小さなめくらぶだうの木が、
                   よるのそらに燃える青いほのほよりも、
                              もっと強い、もっとかなしいおもひを、
                   はるかの虹に捧げると、ただこれだけを伝へたい、
                        ああ、それからならば、実や葉が風にちぎられて、
           あの明るいつめたいまっ白の冬の眠りにはいっても、
                  あるひはそのまま枯れてしまってもいいのでした。
                                      童話「めくらぶだうと虹」
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ノブドウ(ブドウ科ノブドウ属)Ampelopsis glandulosa var. heterophylla 野葡萄
めくらぶだうはノブドウの地方名。

ノブドウが目に留まる季節になった。でも、きれいな株にはなかなか出会えない。
実が色づく頃には葉が枯れてしまうからだ。
賢治作品ではめくらぶだうだけれども、ウマブドウとよぶ地方は多い。

植物の語り部と称された宇都宮貞子さんの「草木覚書」は忘れらない。
「近寄ってみると、それは下手に丸めた白団子で、いびつだし、大小さまざまある。
そこへかかった染粉の具合もいろいろで、梨地、胡麻点散らし、墨流し模様、どぎつい青一色、
薄緑地に黒っぽい赤紫の霧吹き染めなど、染め方の見本帳みたいだ」
                               宇都宮貞子「秋の草木」より                 
                     

by nenemu8921 | 2012-10-30 15:39 | 植物 | Comments(28)

ヒヨドリジョウゴ

鳥の名を冠した植物名(カラスウリとか、スズメノカタビラとか…)は、少なくない。
みな身近な野鳥だ。
ヒヨドリといえば、ヒヨドリバナ、ヨツバヒヨドリなどがあるが、これはヒヨドリジョウゴ。鵯上戸。
ヒヨドリが好んでこの実を食べることからのネーミングというが、
                       実際には特に好物ということもないらしい。
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きれいだけれど、おいしそうではないですね。
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夏の終わりに花を咲かせ、青い実から徐々に赤くなります。
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これは同じ場所で、9月に撮った花です。
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ヒヨドリジョウゴ(ナス科ナス属)Solanum lyratum 鵯上戸

by nenemu8921 | 2012-10-29 00:10 | 植物 | Comments(20)

カカリア&アザミ

(略)
まっ赤なあざみの花がある
樹をもるわづかなひかりに咲いて
巨きなカカリヤの花とも見える
そんなに赤いあざみの花(略)
             詩〔朝日が青く〕


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アザミ

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カカリア(キク科エミリア属)Emilia coccinea カカリア 別名ベニニガナ 絵筆菊 絹房草

「種山ヶ原」を舞台にした長い作品の一部。
アザミの花の美しさを園芸種のカカリアという花に例えているのである。
下書稿(一)を見ると
    あざみの花もこんなに赤く
    緑のくまに咲いてると
    なんだかちがった花に見える
    センターレア モシャタとも見え
    あるひは
    バーバンク氏の高弟によって
    新たにつくられた巨きなカカリヤの花とも見える
とあり、更に手を入れていくわけですが~。

  センターレア モシャタも園芸品種の名前だと思われますが、どんな花かわからない。
ご存知の方、いらしたら、ご教示下さい。

  バーバンク氏はアメリカの園芸改良家、育種家のルーサー・バーバンク(1849~1926)のこと。

  賢治は盛岡高等農林学校時代、学友の高橋秀松に「バアバンクス ブラザア」と
         親愛感をこめて呼びかけ、葉書を出している。(書簡9)
園芸も勉強していた宮沢賢治にとってはお気に入りだったのかもしれませんね。

  カカリアは真夏の花というイメージがありましたが、たまたま出先で、
             未だに元気で咲いていたカカリアを見つけた。
               熱帯性の花だと思いますが、もう10月も末なのに。
                
  


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by nenemu8921 | 2012-10-27 18:06 | 植物 | Comments(10)
、朝の光のなかで気になったもの。。。
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2、末枯れた花。ノリウツギだと思います。
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3、光と影が面白い
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4、でも、微風に揺れて、なかなか定まらない。
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5、こちらが夏の姿です。
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ノリウツギ(アジサイ科アジサイ属)Hydrangea paniculata 糊空木

by nenemu8921 | 2012-10-26 18:11 | 植物 | Comments(20)

沼田市

大沼周辺では人と車がどんどん増えてきたので、驚きました。
前日にNHKさんが赤城山の紅葉、今が見頃という報道をしたようです。
仕方なく、そのまま、車で山を越えると、まもなく、沼田市に出たのです。
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そこには、なつかしい光景がありました。
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たしか、「沼田城下の塩原太助」とかいう絵札があったなあと思いました。上毛かるたです。
でも、大人になった今もその正確な意味はよくわからない……。
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その先に川場村がありました。
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道の駅「田園プラザかわば」へ立ち寄りました。日本一人気の道の駅だそうです。
イベントがあるとかで、500メートル手前から中へ入るのに15分。
入ってから駐車スペースの空きを探して10分。食事をしたくてもどこも人の行列でした。
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早々に退散しました。

沼田市にはりんご畑もありました。
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「そらや愛やりんごや風、すべての勢力のたのしい根源」
                                  詩「青森挽歌」

そんなフレイズがふと浮かびました。
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陽光(ようこう)と秋映(あきばえ)というりんごを買って、市川まで帰りました。
思いがけない休日でした。よい気分転換になりました。


by nenemu8921 | 2012-10-25 02:26 | 場所 | Comments(22)

紅葉の赤城山

海浜公園からの帰途、前橋に立ち寄りました。
そして翌朝、早起きして、紅葉が見頃だという赤城山へ行って見ました。
なんと1時間もかからずに大沼湖畔までたどり着きました。

1、これは途中のダテカンバの森、あまりきれいだったので車をとめて撮りました。
太陽は昇ったばかりで、半分しか日が差していません。
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2、車から出ると、身がすくむような寒さでした。
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3、でも、あっという間に陽が高く上り、小鳥の声が響きました。
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4、空は真っ青で
     赤い葉っぱも黄いろの葉っぱも
             きらきら光って実に気持ちよかったです。
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4、赤城神社についた頃はたくさんの人と車で、駐車場はすぐにいっぱいになりました。
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紅葉の季節になっていつも不思議に感じるのは
         宮沢賢治が描いた自然描写の中には
                 秋の紅葉の美しさを歌ったものが少ないということです。 
       なぜでしょうか。東北の秋は美しいのに。 





by nenemu8921 | 2012-10-23 16:25 | 場所 | Comments(26)

コキア ひたち海浜公園

ブロ友さんに触発されて、ひたち海浜公園へコキアを観にいきました。
予想以上に人が多くて、いい撮影は出来ませんでしたが、
この壮大なコキアの丘を実際に見て、非常に感慨深いものがありました。
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画像はクリックするとみな大きくなります。

実はこのコキアという植物は宮沢賢治が愛した園芸植物のうちの一つです。
花壇設計の折にこのコキアとケールをしばしば組み合わせているのですね。
以前紹介した記事はこちらをどうぞ。
          ケールは 宮沢賢治は羽衣甘藍とか縮葉甘藍という文字を
                あてていますが、葉ぼたんですね。
                     これも最近、花壇設計によく使われていますね。
                                 ケールは<u>こちらを見て下さいね
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          これってすごい!!と思いませんか。
             大正末から昭和の初期の頃なんですね、
                         賢治が花壇設計をしたのは。
      コキアもケールも栽培はされていたと思いますが、
              花壇や寄せ植えにデザインされて
                  取り入れられるようになったのは最近でしょう。
          ようやく時代が宮沢賢治に追いついたという気がします。
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          賢治の時代(なにしろ戦前ですから)の園芸は
                   牡丹や菊が主流だった印象があります。
                            ダリアも園芸種の人気でした。
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         そうした伝統的な美とは
            異なる新しい美しさ、面白さを感じていたのだろうな・・・などと思いつつ。。。
         どこかシュールな、このコキアの丘を体験したのであります。(^_-)-☆
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More おまけ
by nenemu8921 | 2012-10-22 09:36 | 植物 | Comments(30)
宮沢賢治情報・スクランブル

友人の竹田恵子さんから公演のご案内が届いています。
「水仙月の四日」だそうです。新作の初演ですね。
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あの小林敏也さんの絵を投影しながらの舞台だとか。
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しかし、何故、落語とコラボなのかな?

by nenemu8921 | 2012-10-21 00:09 | 賢治情報・スクランブル | Comments(4)

大角修さんのこと

宮沢賢治情報スクランブル

大角修さんの仕事

宮沢賢治は法華経に深く帰依した人でもありましたが、
宮沢賢治の魅力は多面的なので、研究者がみな仏教に詳しいわけではありません。
けれども、賢治作品を読んでいると、聞きなれない宗教用語も頻出します。
そんな折、頼みになるのは友人の大角修さんです。
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大角修さんは、宗教評論家であり、編集者であり、賢治文学の面白さに嵌まった仲間の一人です。

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大角さんのこれまでのお仕事は数多くあって、
         とてもすべてをご紹介できませんが、
                     これらはそのごく一部です。(すごいですねえ)

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これらを精読すれば、少しは人生豊かになると思うのですが。。。(汗)

宮沢賢治に関したご著書もあります。切り口がユニークです。
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この表紙は私が撮った小岩井農場の画像が使われています。
そのせいか、あまり売れ行きは芳しくなかったとか(>_<)

千葉賢治の会の会誌「雲の信号」の編集もお世話をおかけしています。
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千葉賢治の会は、私の周辺で宮沢賢治に関心がある人たちの小さな読書会グループです。
千葉賢治の会は1991年に発足して、2000年に会誌「雲の信号」を創刊。
以来、会誌「雲の信号」を不定期に発行してきました。
ただいま、第9号・初期短篇綴等の特集を企画し、編集中です。年内に発行をめざしていますが・・・。


実は宮沢賢治研究会の会誌「賢治研究」も、ここ数年、編集スタッフのお一人としてお世話をおかけています。
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宮沢賢治研究会のHPはこちらをどうぞ
会誌「賢治研究」は、創刊号は1969年12月ですが、その前身の「四次元」を入れると、たいへんな数です。
多くの研究者によって支えられ、宮沢賢治研究は現在があります。
(とても画面に入りきらないので、四次元はいずれ折があれば改めてご紹介します)
最新号は118号を2012年9月に発行しています。
編集スタッフの皆さん、ご苦労様でした。いつもありがとうございます。

さて、最近、いただいた本の中で大変実用的で興味深かったのはこちらです。共著ですが。
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身近な人も、我も、高齢化に伴って、体調の不調や介護だ、看取りだと、あれこれ抱えての日々。
誰もが避けられないこの世のあれこれ。「葬儀」「お墓」「供養」具体的な事例とともに講述して
います。
エンディングノートって、残された人にとっては困ることもあるのね!
戒名って自分でつけることもできるの! なるほど。。。参考になりました。



by nenemu8921 | 2012-10-19 17:22 | 賢治情報・スクランブル | Comments(10)

園芸種

野の花を愛した宮沢賢治ですが、園芸種にも関心をもっていました。
けれどもこれらの花を見ていたかどうか。。。

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ノボタンの仲間です。

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シュウケイギク

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ハクチョウソウ

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ベゴニアの仲間ですよね。

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シソ科の仲間、プレクトランサス・モナラベンダーという品種です。
by nenemu8921 | 2012-10-18 10:45 | 植物 | Comments(19)

宮沢賢治の愛した鳥や植物


by nenemu8921