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 家ぐねの杉

まぶしくやつれて、
病気がそのまま罪だとされる
風のなかへ出てきて
罪を待つといふふうに
みんなの前にしょんぼり立つ
(略)

陽のなかで風が吹いて吹いて
ひとはさびしく立ちつくす
畦のすかんぽもゆれれば
家ぐねの杉もひゅうひゅう鳴る
              詩〔まぶしくやつれて〕

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作品舞台は下根子あたりでしょうか。家ぐねの杉とは、このような屋敷林のこと。
防風林でもあります。
撮影は泊った宿の近く、早朝のもやの中での撮影。
引用した詩は暗いやるせない雰囲気ですが、今回出会った家ぐねのある光景は、
黄金色の稲穂がたわわに実り、実に美しかった。

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近くの円万寺観音山の丘からの光景。

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by nenemu8921 | 2013-09-30 10:58 | 場所 | Comments(16)
9月29日(日)の朝日新聞読書欄で、紹介されました。

宮沢賢治研究会創立50周年記念、「文語詩の森」出版の折に、取材してくださった記者の方が、
覚えていてくださって、話題にしてくれたと思います。
嬉しかったなあ。

ありがとうございました。

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                                       南晶山の麓で出会ったツリバナ
by nenemu8921 | 2013-09-30 04:43 | 賢治情報・スクランブル | Comments(5)

ベチュラ公爵の別荘?

そして二人は樺林の中のベチュラ公爵の別荘の前を通りました。

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ところが別荘の中はしいんとして煙突からはいつものコルク抜きのやうな煙も出ず

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鉄の垣が行儀よくみちに影法師を落してゐるだけで中には誰も居ないやうでした。

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(略)赤狐はわき玄関の扉のとこでちょっとマットに足をふいて、それからさっさと段をあがって、
家の中に入りました。
                                    童話「黒ぶだう」

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童話「黒ぶだう」は、赤狐と仔牛がベチュラ公爵の別荘に忍び込み、
円卓の上にあったまっ白なお皿の上の黒ぶだうをつまみ食いするお話ですが、
そのモデルになった家というのがこちらだそうです。
当時としては、珍しい洋館だったわけですね。
この古風な洋館は、現在は旧菊池邸と呼ばれていますが、
当時は菊池捍さんという方のお住まいだったそうです。

花巻市のこの4月に出来たリーフレットには次のような案内があります。
菊池捍さんはこんな方です。
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赤狐や仔牛たちのように中に入ることは、私は出来ませんでしたが。。。

この新しいリーフレットに記述がある《宮沢賢治が設計した花壇、(佐々木邸の花壇)》も訪ねましたが、
クローズされていて、中に入ることさえ出来ませんでした。
花巻共立病院の花壇は有名ですし、何回か訪れたことがありますが、この新しく発見された賢治設計の花壇は、
どんなものか、ぜひ見たかったのに、残念でした。
発見の経過なども知りたかったなあと、思ったのでした。

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by nenemu8921 | 2013-09-28 01:04 | 建物 | Comments(18)

蕎麦畑

(略)権兵衛茶屋のわきから蕎麦ばたけや松林を通って、煙山の野原に出ましたら、
向ふには毒ヶ森や南晶山が、たいへん暗くそびえ、その上を雲がぎらぎら光って、
処々には竜の形の黒雲もあって、どんどん北の方へ飛び、野原はひっそりとして人も馬も居ず、
草には穂が一杯に出てゐました。
                                            童話「鳥をとるやなぎ」


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正面に見えるのが南晶山です。


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蕎麦の畑はちょうど満開だった。

作品は、鳥を吸い込む楊の木があるという噂を聞いて、尋常4年の私と、同級生の藤原慶次郎くんが、
放課後、煙山にそれを探しに行く話である。

南晶山南昌山を歩きたいと願って、地元の友人に案内していただいた。その途中で出会った光景である。

追記
「鳥をとるやなぎ」の原稿では南晶山となっています。
現実の南昌山は南昌山ですね。
イブハトさんからご指摘を頂き、訂正します。
イブハトさん、ありがとうございました。


実は、蕎麦の花のことが気になっていた。
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てかてかした円卓の上にまっ白な皿があってその上に立派な二房の黒ぶだうが置いてありました。
(略)「おい、君もやり給へ。蜂蜜の匂もするから。」
狐は一つぶぺろりとなめて、つゆばかり吸って皮と肉とさねは一しょに絨緞のうえにはきだしました。
「そばの花の匂もするよ。お食べ。」(略)
                                      童話「黒ぶだう」

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前回、黒ぶどうと共に、ご紹介した一文ですが、知人から次のようなコメントをいただいたのです。

蕎麦の花の匂いは・・・
鶏糞のような臭い、便所のような臭いといわれますから、
野生の黒ぶどう(別称:エビヅル)だったかもしれませんね。
蕎麦の花から採れた蜂蜜は、やはり臭かったと思います。
これは私の独断と偏見?による感想ですが・・・

ええ!?  ホント!?
ですから、確認したかったのです。
うーん……。 結果は……。

蕎麦の花は、ほとんど香らないのです。
くんくんと鼻を押し付けてにおいを吸い込めば、おっしゃるようにも感じます。

しかし、前後の文脈を勘案すれば、この画像のイメージで香りを感じてほしい。

宮沢賢治文学におけるイメージ(フィクション)とリアリズムのせめぎあいぎを痛感した体験でした。
boranchaさん、話題提供をありがとうございました。
by nenemu8921 | 2013-09-26 21:55 | 植物 | Comments(14)
稲田はいちめん黄金色で、りんごが赤く色づき、イーハトーブはすてきでした。
久しぶりの賢治祭では鹿踊りを見て、多くの友人たちに出会い、久しぶりの先生方にもごあいさつし、
写真集「イーハトーブ・ガーデン」にもあたたかいお言葉をいただきました。
ありがとうございました。

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今回は学会の行事に十分に出席できませんでしたし、
2次会の飲み会にも参加できませんでしたが(車だったので)、
あれこれの雑用の合間に、多少の撮影も出来て、あわただしく帰宅しました。

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写真集「イーハトーブ・ガーデン」にメールや温かいコメント、お手紙などを頂きありがとうございます。
ご注文を下さった皆様には、一両日のうちに対応させていただきますので、もう少しご猶予を下さいませ。
by nenemu8921 | 2013-09-25 15:58 | 賢治情報・スクランブル | Comments(22)
宮沢賢治情報スクランブル

勧められて小さな写真集を上梓しました。

「イーハトーブ・ガーデンー宮沢賢治が愛した樹木や草花」

カメラワークの達人の先輩諸氏に、ご覧いただくのは冷汗ものですが、
宮沢賢治への愛に免じて、ご笑覧いただければ幸いです。

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日頃からご支援くださっている皆様にはお贈りしました。

賢治文学愛読者の皆様、写真関係でご指導くださった方々、
ブログ「イーハトーブ・ガーデン」を、いつも応援してくださっている方々へ。
                                            第一章の扉です。
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出版社の不手際なのか、宅配業者の怠慢なのか、わかりませんが、
配達がだいぶ遅れている様子です。
でも、まあ、多分、ここ数日のうちに、お手元に届くと思います。
                                          第二章の扉です。
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出版社から、だいぶまとめて購入しましたので、拙宅にはダンボールの箱に本がたくさんあります。
購入希望の方はメールでご連絡ください。或は非公開でコメント欄にメッセージを入れて下さい。
¥1500+税ですが、郵送料はこちらで負担します。
                                             第三章の扉です。
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購入は在庫がある限り、受け付けます。
                                              こちらが第四章です。
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なお、21日から花巻へ出かけますので、しばらくこのブログの更新は出来ません。
よろしくお願いいたします。 


コメントやメールを下さった皆様へ
あたたかいご支援ありがとうございます。
思いがけず多くの方からお声をかけていただき、たいへん嬉しく感激してしまいました。
お送りして、がっかりされないといいけれど。。。。
宮沢賢治が自費出版で出した童話集の広告に、「面白くなかったら、代金はお返しします」と、
書き、訂正したというエピソードは有名ですが、そんな心境であります。

TBをしてくださった、かぐら川さん、Tamayamさんにも感謝です。、

本日(9/26)のメール便、宅急便で発送しました。
2,3日中にお手元へ届くと思います。
ご批判、感想などお寄せいただけたら嬉しいです。

                   nenemu. 赤田秀子

by nenemu8921 | 2013-09-20 12:08 | 賢治情報・スクランブル | Comments(19)

黒ぶだう

東金ダムの帰途、通り道にあったぶどう園に立ち寄ってみました。
東金にぶどう園があるなんて、知らなかった!!
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いい香りがして美味しそうでした。
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味見をしたら、とってもアマーイ!ここで栽培しているのはすべて巨峰だそうです。
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摘み取りも出来るそうです。
ぶどう棚の下ではバーベキューもセットされていましたが、一人では、なんともわびしい。
車ではワインも味見できない。
お願いして温かいおむすびを作っていただき、腹ごしらえをして、
1キロ¥1200のくろぶどうをお土産にしました。

More こちらが本番です。
by nenemu8921 | 2013-09-19 11:43 | 植物 | Comments(16)
線路づたひの
雲くらく
きつねのさゝげ
黄のはな咲けり
        〔線路づたひの 雲くらく〕


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ノササゲ(マメ科ノササゲ属)Dumasia truncata 野大角豆 別名キツネササゲ

歌稿Bの175の余白に書かれていた断片詩句。補遺詩篇に収められている。

きつねのささげとは、ノササゲのこと。最近では見かけることが少なくなった野草。
昨年秋に東金ダムで、紫色の実を見つけたので、どうしても黄の花の時期に撮影したいと思っていた。
念願がかなって嬉しい。

植物の名前は面白い。キツネノササゲとは、役に立たない(食用にならない)ササゲの意味か。
ササゲは栽培され、赤飯や料理にも使われる。
賢治作品にも度々登場する。

ほんとにささげの蔓でも頼みたいときだからな。 童話「グスコンブドリの伝記」

雨降りしぶくひるすぎを、 青きささげの籠とりて、
巨利を獲るてふ副業の、 銀毛兎に餌すなり   文語詩「副業」


そういえば、キササゲもあった。
いいえ、あれひきざくらでありません、お前とって来たのきささげの花でせう
                                      童話「なめとこ山の熊」

木大角豆というように樹木である。花が美しい。
以前、ご紹介した。こちらをどうぞ。


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by nenemu8921 | 2013-09-17 23:14 | 植物 | Comments(8)

台風18号

台風18号通過。
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各地で被害がたいへんだったようすですが、皆さんは大事なかったでしょうか。
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家人や孫たちと過ごした休日。
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旅先で、台風にたたられ、全く遊べず、すべての予定をキャンセルして、
ただ、無事帰ることだけに全力を尽くしました。
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新幹線は動かず、道路は封鎖され、ホテルは連泊ならず。
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こんなときでもないと、、体験できない家族の濃密な時間。
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ドラマの主人公になった気分を味わいました。
どうにか、幼い孫たちを送り届けて、無事に帰宅できて、今ほっとしています。やれやれ。

画像は、記事に関係なく、
前回の続きで、水元公園の浮き草の繁茂する池、池のほとりのハンノキの葉です。
by nenemu8921 | 2013-09-17 02:21 | 番外 | Comments(20)

夏の名残り

この夏は暑さに負け、散々でした。体力的にも気力的にも。
久しぶりに水元へ寄りました。
オニバスはもう、おしまい、チョウトンボは姿見せず。。。
いつものトンボたちに遊んでもらいました。

①ショウジョウトンボ 
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②クロイトトンボ(♂)だと思うのですが。。。
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③こちらはクロイトトンボの♀
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④とても元気です。
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⑤ベニイトトンボです。違いがわかりますか?
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⑥そして、めでたく結ばれたクロイトトンボのカップル。
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⑦命の時間。夏ももうじきおしまいだから、必死ですね。
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by nenemu8921 | 2013-09-13 13:41 | 昆虫・クモなど | Comments(23)

宮沢賢治の愛した鳥や植物


by nenemu8921