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花巻ばら会創立50周年

宮沢賢治情報スクランブル

盛岡のイブハトさんから花巻ばら会創立50周年記念の記念特別号をお送りいただきました。
美しい表紙のイラストは、「賢治の愛したばら」といわれるグリース・アン・テプリッツですね。

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内容も興味深いもので、花巻ばら会の創立のいきさつやこれまでの歴史とともに、
この花が賢治のばらとして世に知られることになったエピソードなども語られています。
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昭和4年、宮沢賢治が花巻共立病院の院長佐藤隆房氏に自宅新築祝いとして贈ったバラが、
戦後、ばら作りの達人によってよみがえり、鈴木省三氏に判定を頼んだところ、鈴木省三氏個人の
思い出にもつながるグリース・アン・テプリッツ(和名 日光)という品種だと判明しました。
賢治生誕100年だった1996年前後は多くのバラ愛好家の間で話題になりました。

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今回私が初めて認識したことは、賢治が佐藤氏に贈ったのは、数種類のバラの苗20本だったそうで、
グリース・アン・テプリッツはその中の1つだったということです。
他には、どんなバラがあったのでしょうか。気になりますねえ。

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昭和39年6月花巻ばらの会創立記念のばら展のスナップだそうです。

昭和4年に贈られたバラの苗を昭和39年にきれいに咲かせたたこともすごいですね。
今ではグリース・アン・テプリッツは「賢治のバラ」という名で、花巻市内各地で栽培され、花巻駅前の
駅前ロータリばら花壇も見ることができるそうですよ。

イブハトさん。ありがとうございました。

以前、私の下ノ畑で咲かせた賢治のバラはこちらをどうぞ。
by nenemu8921 | 2014-10-31 00:08 | 賢治情報・スクランブル | Comments(8)
ダイヤモンド富士とは言うけれど。。。。あいにくの天候でした。

2014年10月26日。雲が厚く立ち込めてとても無理。富士山は姿を見せず。

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それでも日が沈む時は雲の合間から陽は怒るように燃えました。

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陽が落ちた後、数人の少女たちがやってきて波打ち際で遊んでおりました。

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2014年10月27日。全く期待できない天候で、出かけませんでした。
この日が本当はダイヤモンド富士の情景が一番期待できたはずですが。

2014年10月28日。この日は晴天でした。
しかし……。陽が沈む方向には雲が帯状に居座って動かず。富士も姿見せず。
この日は大勢のカメラマンが訪れていましたが、皆さん落胆して早々に帰られました。

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残照も、物足りなかったです。

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by nenemu8921 | 2014-10-30 00:32 | 気象 | Comments(14)

めくらぶどう→ノブドウ

城あとのおほばこの実は結び、赤つめ草の花は枯れて焦茶色にな って、畑の粟は刈りとられ、
畑のすみから一寸顔を出した野鼠はび っくりしたやうに又急いで穴の中へひっこむ。
崖やほりには、まばゆい銀のすすきの穂が、いちめん風に波立っ てゐる。
その城あとのまん中の、小さな四っ角山の上に、めくらぶだうの やぶがあって
その実がすっかり熟してゐる。

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ひとりの少女が楽譜をもってためいきしながら藪のそばの草にすはる。
かすかなかすかな日照り雨が降って、草はきらきら光り、向ふの 山は暗くなる。
そのありなしの日照りの雨が霽れたので、草はあらたにきらきら 光り、向ふの山は明るくなって、
少女はまぶしくおもてを伏せる。

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そっちの方から、もずが、まるで音譜をばらばらにしてふりまい たやうに飛んで来て、みんな一度に、
銀のすゝきの穂にとまる。
めくらぶだうの藪からはきれいな雫がぽたぽた落ちる。

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かすかなけはひが藪のかげからのぼってくる。今夜市庁のホール でうたふマリブロン女史が
ライラックいろのもすそをひいてみんな をのがれて来たのである。
いま そのうしろ 東の灰色の山脈の上を、つめたい風がふっと 通って、大きな虹が、明るい夢の橋の
やうにやさしく空にあらはれる。

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さうだ。今日こそ、たゞの一言でも天の才ありうるはしく尊敬さ れるこの人とことばをかはしたい、
丘の小さなぶだうの木が、よぞ らに燃えるほのほより、もっとあかるく、もっとかなしいおもひを ば、
はるかの美しい虹に捧げると、ただこれだけを伝へたい、それ からならば、それからならば、あの……〔以下数行分空白〕

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                                         童話「マリブロンと少女」



「マリブロンと少女」は「めくらぶどうと虹」の草稿のうえに大幅に手を入れて改稿しようとした作品である。
戯曲にでもしたかったのか、文体が堅くて、どうもなじまない気がするのは私だけだろうか。

この秋はあちこちでめくらぶどうに出会うが、被写体として形や色がいいものは少ない。
めくらぶどうはノブドウの方言。差別用語だというので、「めくらぶどうと虹」は教材で
取り上げることが少なくなった。
言葉というのは時代の風の中で、ニュアンスが変わってくる。

めくらぶどう← ノブドウ(ブドウ科ノブドウ属) Ampelopsis glandulosa var. heterophylla 野葡萄
実がデコボコでカラフルなのはブドウタマバエやブドウトガリバチが寄生して虫えい(虫こぶ)をつくるためである。
もちろん食用には適さない。
宮沢賢治は実の彩の美しさに魅かれていたようで、虫えいに関しては言及していない。
by nenemu8921 | 2014-10-28 14:50 | 植物 | Comments(18)

クラゲ

「ひとりで浜へ行ってもいいけれど、あそこにはくらげがたくさん落ちている。
寒天みたいなすきとおしてそらも見えるようなものがたくさん落ちているからそれをひろってはいけないよ。
それからそれで物をすかして見てはいけないよ。(略)」                童話「サガレンと八月」


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アカクラゲ

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ギヤマンクラゲ

潮の引いた海岸を歩くと、潮だまりの中にくらげを見つけることがある。
以前ご紹介した三番瀬の浜で見つけたくらげはこちらをどうぞ。
くらげは、漢字表記では水母、海月、水月等の文字を当てる。
宮沢賢治はくらげをメガネのイメージを重ねてみていたようだ。
異界への導入のアイテムになっているのが面白い。
「サガレンと八月」のタネリは、おっかさんの言いつけを破って、くらげを拾い、
それをすかして南の岬をながめたばかりに、犬神にさらわれ、チョウザメの下男にされてしまう。

荒唐無稽な物語の展開をさせたのはくらげという生物の不思議な印象だったろう。

画像は先日、葛西水族館でのスナップ。
暗い館内でiso感度を上げての撮影、見苦しさをご容赦ください。白い粒粒は給餌です。
by nenemu8921 | 2014-10-27 04:02 | 鳥・動物 | Comments(10)

アトリ

カラマツの黄葉も美しかったです。
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宿の近くで、あまり美しいので見上げていると。
小鳥の群れがやってきました。2,30羽の群れです。

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ふーむ。これはアトリかな? でも、枝が高い、少しもじっとしていません。ちゃんと顔をみせてよォ。

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一羽が近くの川の草むらに下りました。やっぱりアトリのようです。
どれも目いっぱいトリミングしての画像です (冷汗)

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アトリ(スズメ目アトリ科)
Fringilla montifringilla 花鶏

この後、中国の観光客らしい数人が高声で話しながら通っていき、小鳥は飛んで行ってしまいました。(>_<)

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by nenemu8921 | 2014-10-26 14:12 | 鳥・動物 | Comments(8)

すすき

そっちを見ますと、青白く光る銀河の岸に、銀いろの空のすすきが、もうまるでいちめん、風にさらさらさらさら、
ゆられてうごいて、波を立てているのでした。

ごとごとごとごと、その小さなきれいな汽車は、そらのすすきの風にひるがえる中を、天の川の水や、三角点の青じろい微光の中を、どこまでもどこまでもと、走って行くのでした。

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向う岸も、青じろくぽうっと光ってけむり、時々、やっぱりすすきが風にひるがえるらしく、さっとその銀いろがけむって、息でもかけたように見え、また、たくさんのりんどうの花が、草をかくれたり出たりするのは、やさしい狐火のように思われました。
それもほんのちょっとの間、川と汽車との間は、すすきの列でさえぎられ、白鳥の島は、二度ばかり、うしろの方に見えましたが、じきもうずうっと遠く小さく、絵のようになってしまい、またすすきがざわざわ鳴って、とうとうすっかり見えなくなってしまいました。

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二人は、ぎざぎざの黒いくるみの実を持ちながら、またさっきの方へ近よって行きました。左手の渚には、波がやさしい稲妻のように燃えて寄せ、右手の崖には、いちめん銀や貝殻でこさえたようなすすきの穂がゆれたのです。

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「いまでも聞えるじゃありませんか。そら、耳をすまして聴いてごらんなさい。」
二人は眼を挙げ、耳をすましました。ごとごと鳴る汽車のひびきと、すすきの風との間から、ころんころんと水の湧くような音が聞えて来るのでした。童話「銀河鉄道の夜」


ススキ(イネ科ススキ属) Miscanthus sinensis 芒、薄。

「銀河鉄道の夜」は南欧あたりを舞台にしたという。銀河鉄道が巡るのは、宇宙空間であり、天上でもあるが、車窓からの景色は、河原で風になびくススキが繰り返し、描かれる。
ススキが風に揺らぐ風景は、日本の風景である。その光景は文学や絵画において、日本人の心象とシンクロするように、くりかえし描かれてきた。ススキを歌った歌曲のなんと多いことか。
しかし、宮沢賢治の描くススキの光景は情緒的な水墨画風なススキでもなく、情念の心象的アイテムとしてのススキでもない。
透明で硬質な叙情をたたえた無国籍の雰囲気がある。一体誰がススキの穂を貝殻に例えることができるだろう。

陽が沈む前の乗鞍高原の草原では、ひときわススキが美しかったです。白く火のように燃えておりました。
ピッカリフィルター? を持参しなかったことはいかにも悔やまれました。
by nenemu8921 | 2014-10-24 08:26 | 植物 | Comments(10)

乗鞍高原

天候に恵まれたので、高原は実に気持ちよかったです。

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逆光に輝いていたのはノリウツギのすがれ花でしょうか。

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奥穂高もくっきり見えました。

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by nenemu8921 | 2014-10-22 10:20 | 番外 | Comments(22)

乗鞍高原

写真クラブのお誘いで乗鞍高原へ行ってきました。
お天気も良かったし、紅葉も美しかったのですが……。
行き帰りの渋滞と長時間のバス移動ですっかり疲れ果てました。

星空の撮影は失礼して、でも、がんばって朝日の撮影をしました。

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ピッカリフィルターを用意すればよかったなあ。

ヒートティックシャツ、ダウンベスト、ダウンジャケットを着込んで臨みましたが、指先が凍えてしまいました。

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by nenemu8921 | 2014-10-21 12:41 | 番外 | Comments(20)

ノバラ

清夫は今日も、森の中のあき地にばらの実をとりに行きました。(略)
そこは小さな円い緑の草原で、まっ黒なかやの木や唐檜に囲まれ、
その木の脚もとには野ばらが一杯に茂って、丁度草原にへりを取ったやうになってゐます。

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おどろいて手にもったその一つぶのばらの実を見ましたら、
それは雨の雫のやうにきれいに光ってすきとほってゐるのでした。(略)
                           童話「よく利く薬とえらい薬」


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賢治が愛したのはノバラの花より、その香りや赤い実だった。
うつくしいもの、清らかなもの、癒しの象徴として描かれる。

しかし、農村活動に入ると、ノバラの藪にはだいぶ悩まされた様子が伝わってくる。
実際、地中に深く根を張り、剛健なノバラは、開墾する身には、実に厄介な植物であったろう。

驟雨(カダチ)はそそぎ
土のけむりはいっさんにあがる
   あゝもうもうと立つ湯気のなかに
   わたくしはひとり仕事を忿る
      ……枯れた羊歯の葉
        野ばらの根
        壊れて散ったその塔を
        いまいそがしくめぐる蟻……
杉は驟雨のながれを懸け
またほの白いしぶきをあげる
       口語詩 七二八〔驟雨はそそぎ〕


「春と修羅」第三集の作品である。
驟雨にはカダチとルビがある。一般的にはしゅううと言うことが多い。
驟雨とはいきなり降りだして、短時間でやんでしまう激しい雨。にわか雨。夕立のこと。
野ばらの根を掘り起こす作業の折、にわか雨に降られたのである。
この時期の賢治は慣れない農作業に、体力がついていかない自分自身にいつも怒っていた。
この作品はのちに文語詩に改稿され、印象が違った作品になるのだが。

私も「下ノ畑」で野菜や花を作っていたとき、ノバラを植栽したために他の園芸種をだいぶ犠牲にした。
撤去するときも実にたいへんだった。
また、ガーデンでは蟻の王国もやっかいで、蟻退治の薬剤を度々散布しなければならなかった。

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それでも、ノバラの赤い実を見ると、なんだか嬉しくなって撮影せずにいられないのです。

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ノイバラ(バラ科バラ属)Rosa multiflora 野茨 ノバラともいう。
by nenemu8921 | 2014-10-17 23:38 | 植物 | Comments(10)

ヤマブドウ

耕平は、一等卒の服を着て、
野原に行って、
葡萄をいっぱいとって来た、いゝだらう。

耕平は、潰し葡萄を絞りあげ、
砂糖を加へ、
瓶にたくさんつめこんだ。

耕平が、そっとしまった葡萄酒は
順序たゞしく
みんなはぢけてなくなった。
           童話「葡萄水」

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ヤマブドウ(ブドウ科ブドウ属):Vitis coignetiae 山葡萄

耕平は、山葡萄から、葡萄水をつくり、そこに砂糖を加えて発酵させ、
葡萄酒を造ろうとして失敗する。
童話「葡萄水」は、イーハトーブのおおらかな農民の日常の一コマをユーモラスに描いた小品。
あまり知られていない作品だが、村童スケッチの大人篇みたいな雰囲気が楽しい。
引用文は文中の挿入歌。

思いがけず、近所で見つけた山葡萄。たまたま自転車で畑のある道を通ったとき、ある敷地の塀に
絡まっているのに出会った。色づくのを待って撮影した。
こんなところで!!と思ったが、数十年前まではこのあたりは里山だったのですね。
黒く熟した実を1粒食べてみた。思ったより甘かったが酸っぱかった。種が1つあった。
by nenemu8921 | 2014-10-16 13:09 | 植物 | Comments(18)

宮沢賢治の愛した鳥や植物


by nenemu8921