菊花品評会

魚燈して霜夜の菊をめぐりけり

班猫は二席の菊に眠りけり

狼星をうかゞふ菊の夜更かな

秋田より菊の隠密はいり候

水霜をたもちて菊の重さかな

             風 耿


c0104227_2314452.jpg


いずれも菊花品評会の折の句。風耿は賢治の俳号。
花巻市の双葉町には美味しい酒を飲ませる「風耿」という料理屋があります。

魚燈はイワシやニシンなど脂肪分の多い魚から取った脂を用いたランプのこと。
菊の香りを魚くさいランプで損なわなかっただろうか?
班猫は、道教えと言われる昆虫。走る宝石と呼ぶ人もいる美しい虫。
菊と隠密の取り合わせが面白いですね。大掛かりな品評会だったのでしょうか。
菊の季節は東北では霜が降りるほどの寒い季節だったのですね。
# by nenemu8921 | 2006-11-06 00:27 | 植物 | Comments(1)

ヒカゲノカズラ

c0104227_23204684.jpg


c0104227_23195120.jpg

「占めた」と叫んで、お父さんは急いで帰って、仲間の蛙をみんなつれて来ました。
そして、林の中からひかげのかずらをとって来て、それを穴の中につるして、たうた
う一ぴきづつ穴からひきあげました。
                                    童話「蛙のゴム靴」



ヒカゲノカズラ(ヒカゲノカズラ科)
山麓にみる常緑の多年草。茎は針金状で地をはい緑色で、長さ2mくらい。葉は輪生、
またはらせん状につき、硬い。子のう穂は細茎の上に2~4個つき、淡黄色で円柱形。
胞子葉は広卵形で先が鋭くとがり、らせん状につく。その上部基部に腎臓形の胞子のうを
生じ、横にさけて黄臼色の胞子をだす。



杭穴に落ちた蛙君たちを救出するのに使ったのはこんな植物だったのです。
蛙の視点で世界を見てこその発想ですね。

# by nenemu8921 | 2006-11-04 23:45 | 植物 | Comments(2)

イヌタデ

c0104227_1036265.jpg



イヌタデ(タデ科)
道端や野原に多い一年草。イヌと冠するものは役に立たないという意味のものが多く、
本種も葉に辛味がなくて、食用にならないことから名前がついた。
各地で古くからアカマンマの呼び名で親しまれ、、
子どものままごと遊びに使われた。
# by nenemu8921 | 2006-11-04 10:50 | 植物 | Comments(0)

タデ

  七つの銀のすすきの穂(略)
      赤い蓼の花もうごく
      すゞめ すゞめ 
      ゆっくり杉に飛んで稲にはひる(略)
      (なんだか風と悲しさのために胸がつまる)

                   詩「マサニエロ」


c0104227_102426100.jpg


      写真は花巻市郊外の05年9月末の光景。
      いちめんのタデはイヌタデでしょうか。
      
      「マサニエロ」は花巻城跡に立ち、歌っている作品。  
# by nenemu8921 | 2006-11-04 10:30 | 植物 | Comments(0)

菊日和

花はみな四方に贈りて菊日和

c0104227_1225351.jpg


賢治は短歌から文学創作に入ったことはよく知られていますが、
晩年、いくつかの俳句も残しています。
菊花品評会の折の句です。
菊日和とは、菊の花の咲く11月頃に見られる秋晴れのよい天気のこと。
ここ数日菊日和ですね。
# by nenemu8921 | 2006-11-03 12:29 | 植物 | Comments(2)
ごまざいの毛をとって来て、こすってやったり、
いろいろして、やっと助けました。
              童話「蛙のゴム靴」

c0104227_9281150.jpg


ゴム靴を持っている特権でかわいいルラ蛙と結婚したカン蛙くん。
どうにも、面白くないベン蛙とブン蛙。
新婚旅行に出かけたところを、「あゝ、こゝはみちが悪い。おむこさん手を引いてあげよう」とか、
何とかいいながら、無理やり手を引っぱって……。
三疋とも杭穴に落ちてしまいました。
ルラ蛙の必死の奮闘で、ようやく助け出された三疋はゴマザイの毛で介抱されたというわけです。

でも、ゴマザイ(ガガイモ)は花もきれいですよね。
# by nenemu8921 | 2006-11-03 09:48 | 植物 | Comments(6)

ガガイモの花

「僕は松の花でも楊の花でも草綿の毛でも運んで行くだらう。
稲の花粉だってやっぱり僕らが運ぶんだよ」
                         童話「風野又三郎」

c0104227_0282068.jpg


ガガイモ(ガガイモ科)
草綿はガガイモの方言。家庭では綿代わりに、ガガイモの毛を印肉や裁縫の針さしにもつかった。
賢治はガガイモの毛、草綿の毛と呼んでいる。
小さな星型の花は目立たなかったのか、登場しないのは残念である。
# by nenemu8921 | 2006-11-03 00:36 | 植物 | Comments(0)

ごまざいの毛

「おう、柔つけもんだぞ。」「泥のやうにが。」「うんにや。」
「草のやうにが。」「うんにや。」
「ごまざいの毛のやうにが。」「うんにや。」
「うん、あれよりあ、も少し硬ぱしな。」
「なにだべ。」           童話「鹿踊りのはじまり」

c0104227_06039.jpg


ゴマザイ ガガイモ科のガガイモの方言。
原野や河原に生える多年草のつる草。長い地下茎をひいて繁殖する。
8月ごろ、葉のわきから花柄を出し、淡紫色の星型の小さな花をつける。かすかな芳香がする。
果実は長さ約10センチ、種子は白色の毛がある。

賢治作品では、ゴマザイの毛は、やわらかいものの形容でしばしば登場するが、
花については書いていないのは残念。
# by nenemu8921 | 2006-11-03 00:23 | 植物 | Comments(0)

【1】 あざみの露


「おまへたちの罪はこの世界を包む大きな徳の力にくらべれば
太陽の光とあざみの棘のさきの小さな露のやうなもんだ。」
                          童話「ひかりの素足」

c0104227_2345957.jpg


アザミ(キク科)
山地や草原に生える多年草。
賢治作品に登場するアザミは高さ1~2メートルになるナンブアザキのイメージが強い。
8~10月に多数の頭花を枝先につける。
# by nenemu8921 | 2006-11-02 23:49 | 植物 | Comments(2)

宮沢賢治の愛した鳥や植物


by nenemu8921