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春の便り、続きます。

春の便りといえば、ふくらんだモクレンのつぼみ。
まだ、風の冷たさを連想させる硬さです。

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それでも、ピンを合わせて構図を探っていると、槇(まき)の生垣の葉の間から傾きかけた陽が差し、玉ボケが生まれました。

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これは面白いかなとWBを変えて遊んでみました。
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ズームレンズを広げれば、また玉ボケも自由自在。
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花の少ない季節でも、楽しめるのが写真ライフです。(^_-)-☆
今回は撮ったまま、レタッチなしですが、
ソフトを使って丁寧に編集すれば、作品になりそうかな。うーん、無理?

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by nenemu8921 | 2017-03-03 00:10 | 植物 | Comments(14)
けはしくも刻むこころの峰々に、いま咲きしむるマグノリアかも
                               「マグノリアの木」


マグノリアの仲間だというチャンパカモクレンに初めて出会いました。
面白い名前ですね。確かタゴールの詩にチャンパの花というのがあったなあと思いつつ。
東南アジアに自生するモクレン科の植物だそうです。芳香がすばらしい。
菩提樹などとともに神木、聖なる木として、寺院などに植えられることが多いそうです。
栃木花センターの温室で。
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宮沢賢治がマグノリア科の花を聖なる花として描いているのは、
     単にイメージだけでなく、根拠があったのかなあと思います。
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チャンパカモクレン(モクレン科オガタマ属)Michelia champaca 別名 金香木

(略)
「ごらんなさい、そのけはしい山谷にいまいちめんにマグノリアが咲いてゐます。」
「ええ、ありがたう、ですからマグノリアの木は寂静です。
あの花びらは天の山羊の乳よりしめやかです。
あのかほりは覚者たちの尊い偈を人に送ります。」
(略)
                               童話「マグノリアの木」

賢治のマグノリアは、ここでは朴の木ですが、繋がるものがあるように思われます。
by nenemu8921 | 2011-06-16 07:57 | 植物 | Comments(5)

ほうの花

(略)
その人はしづかにみんなを見まはしました。
「みんなひどく傷を受けてゐる。それはおまへたちが自分で自分を傷つけたのだぞ。
けれどもそれも何でもない、」
その人は大きなまっ白な手で楢夫の頭をなでました。
楢夫も一郎もその手のかすかにほうの花のにほひのするのを聞きました。
そしてみんなのからだの傷はすっかり癒ってゐたのです。
(略)
                              童話「ひかりの素足」

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ホウノキ(モクレン科モクレン属)Magnolia obovata 朴の木
全国の山林に見られる落葉高木。高さ30mにもなる。花はバニラに似た芳香がある。

賢治文学ではしばしばマグノリアという表現で、コブシやホウの花が描かれる。
いずれも、聖なる花、寂静印のイメージである。

ここでも地獄の鬼どもに苛められている楢夫と一郎、子どもたちを
救済するひかりの素足の人の象徴として、ホウの花の香りが漂うのである。
《にほひを聞く》という賢治の表現も面白い。

画像は今年の5月半ばにつくば実験植物園で撮影したもの。
ホウは大木が多く、花はかなり高いところに咲くので、いい写真が撮れる機会は少ない。
花を守護するように輪生している葉も大きなもので、下から見上げれば、
青空のもとで、面白いフォルムを見せていた。

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by nenemu8921 | 2011-06-07 19:13 | 植物 | Comments(14)

こぶし

「兄さん。ヒームカさんはほんたうに美しいね。
兄さん、この前ね、僕、ここからかたくりの花を投げてあげたんだよ。
ヒームカさんのおっかさんへは白いこぶしの花をあげたんだよ。
そしたら西風がね、だまって持って行って呉れたよ。」
                        童話「楢ノ木大学士の野宿」


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クリックすると画像はおおきなります
コブシ(モクレン科モクレン属)辛夷
高さ10~20mになる落葉高木。
四方八方へ腕を伸ばした大木に出会った。花が開いたらさぞ見事だろう。
ヒームカさんのおっかさんは岩手山だろうか?
だとすれば、こんな大木が似合うような気がする。マグノリアである。
by nenemu8921 | 2008-03-25 21:20 | 植物 | Comments(2)
朝の厚朴(ほう)
たゝえて谷に入りしより
暮れのわかれはいとゞさびしき
             歌稿B466


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ホオノキ(モクレン科モクレン属)厚朴(ほう)
北海道から九州に分布する落葉高木。高さ20~30mになる。
主に谷筋などに生育するが二次林の中にも時折生育が見られる 。
賢治のお気に入りのマグノリア(モクレン科の学名、magnolia)である。

賢治がよく散策したという胡四王山には、現代では宮沢賢治記念館宮沢賢治イーハトーブ館の建物がありますが、この山にはたくさんのホオノキが自生しています。
by nenemu8921 | 2007-05-16 22:38 | 植物 | Comments(0)

【79】 コブシ

沃土ノニホヒフルヒ来ス、   青貝山のフモト谷、
荒レシ河原ニヒトモトノ、   辛夷ハナ咲キタチニケリ.

    文語詩〔沃土ノニホヒフルヒ来ス〕


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コブシ(モクレン科モクレン属)辛夷
マグノリアである。
賢治作品にはたびたび登場するので、下手な写真をお許しいただきたい。

文語詩 一百篇 中の一つ。
沃土は沃素。賢治作品には科学用語がごく当たり前に出てくるので戸惑う。
2行の定型が8連つづく作品。
海の匂うようなさわやかな山の朝だ。谷川はそこにささやかな河原を広げていた。
山仕事の人々の集合地には1本のコブシの木が立っていた。
「宮沢賢治文語詩の森」 (宮沢賢治研究会編)では、このように解説が始まっている。


by nenemu8921 | 2007-02-24 01:37 | 植物 | Comments(3)
小十郎がすぐ下に湧水のあったのを思ひ出して、少し山を降りかけたら愕いたことは母親とやっと一歳になるかならないような子熊と二疋、丁度人が額に手を当てて遠くを眺めるといった風に、淡い六月の月光の中を向うの谷をしげしげ見つめてゐるのにあった。
小十郎はまるでその二疋の熊のからだから後光が射すやうに思へて、釘付けになったやうに立ちどまってそっちを見つめてゐた。
すると小熊が甘えるやうに云ったのだ。
「どうしても雪だよ、おっかさん。谷のこっち側だけ白くなってゐるんだもの。どうしても雪だよ。おっかさん」
すると母親の熊はまだしげしげ見つめてゐたがやっと云った。
「雪でないよ、あすこへだけ降る筈がないんだもの。………おかあさまはわかったよ、あれねえ、ひきざくらの花」
「なぁんだ、ひきざくらの花だい。僕知ってるよ。」
………
小十郎はなぜかもう胸がいっぱいになって、もう一ぺん向ふの谷の白い雪のやうな花と余念なく月光をあびて立ってゐる母子の熊をちらっと見て、それから音をたてないやうにこっそりこっそり戻りはじめた。
くろもじの木の匂ひが月のあかりといっしょにすっとさした。
                                      童話「なめとこ山の熊」


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ひきざくら(セキザクラとも)
岩手、秋田両県に通用するコブシの方言名。
春早く山の木がまだ一本も青くならないころの出来事である。
聖なる時間が流れているような会話の話題としてコブシはいかにもふさわしい。

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画像提供はyonoさん
by nenemu8921 | 2007-02-02 01:15 | 植物 | Comments(2)
賢治作品にはたくさんのマグノリアが登場する。
辛夷(こぶし)であったり、ひきざくらだったり、厚朴(ホオノキ)だったり、表記も呼び名もさまざまであるが、それらはすべてマグノリアである。
モクレン科モクレン属の学名がMagnoliaceae Magnolia、マグノリアである。
けれども、作品を読み込んでいくと、それらのイメージはそれぞれ限定できそうだ。

直き時計はさま頑く、       憎に鍛えし瞳は強し
さはあれ攀ぢる電塔の、      四方に辛夷の花深き。

南風(かけつ)光の網織れば、  ごろろと鳴らす碍子群、
艸火のなかにまじらひて、     蹄のたぐひけぶるらし。

                      文語詩「電気工夫」


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画像提供はyonoさん

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画像提供はyonoさん

コブシ(モクレン科モクレン属)辛夷
山野に自生する落葉高木。早春、桜に先駆けて咲く。握りこぶしを思わせるつぼみからコブシの名の由来という説もある。

電塔に攀じ登ろうとする電気工夫は正確な時計のように頑なで融通の利かない男。
するどい視線でなぜか憎しみに燃えている。
登れば、男の視界は開け、眼下には、あちこちに咲く白いこぶしの花が群れている。
南からの風に運ばれてまぶしく光が降り注ぎ、送電線も光って揺れ、揺れた碍子はごろろと鳴る。
枯れ草を焼く野火も遠く見え、牛か、馬か、煙にかすんでいるようだ。と読めようか。

この文語詩の最初の形は、詩ノートで、「あっちもこっちもこぶしのはなざかり」と始まっている。
はなざかりのこぶしは長い冬の終わりを告げている。
閉ざされた男の心も春をかんじ解放されただろうか。
by nenemu8921 | 2007-01-29 23:22 | 植物 | Comments(4)

宮沢賢治の愛した鳥や植物


by nenemu8921