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ヤドリギ

(略)
次の丘には栗の木があちこちやどり木のまりをつけて立ってゐました。
そのまりはとんぼのはねのやうな小さい黄色の葉から出来てゐました。
その葉はみんな遠くの青いそらに飛んで行きたさうでした。
研師(とぎし)は堅く胸を押さへながら次の窪地に来ました。
                   童話〔若い研師〕

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ヤドリギは雌雄異株。こちらがヤドリギの雄花。高い梢の上にトンボの羽のような葉がしげっていて、小さい花なので、撮りにくかった。
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引用した文章は、童話〔若い研師〕の第1章部分の冒頭だが、この作品はのちに推敲され〔若い木霊〕となり、さらに手を入れられて「タネリはたしかにいちにち噛んでゐたやうだった」として成立した。
この文章は改稿の際に削除されてしまう部分である。

法事があったついでに立ち寄った群馬の伊勢崎市の大室公園ですが、期待したレンジャクには会えず、残念だった。
ここでは、栗の木ではなく、桜やケヤキなどの大木にヤドリギがびっしりついている。
毎年、レンジャクは2月末から3月には姿を見せ、多い年にはかなりの群れにもなり、バーダーでにぎわう。この日もカメラを抱えて所在ない表情の方も数人見かけた。
今年はなぜ遅いのかなと思ってヤドリギをよくよく見れば、未だ花のままの株も多かった。
賢治の描くヤドリギはいつも黄色い実であるが、赤い実のヤドリギもある。




by nenemu8921 | 2017-03-08 20:54 | 植物 | Comments(18)

レンジャク

所要があって前橋へ行ってきました。出かけた朝は今にも雨が降りそうな気配でしたが、
前橋へ到着した時には、ぽかぽか陽気で、すっかり春本番でした。

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これでは冬鳥たちは早く帰ってしまうだろうなあ…と案じたとおり、
大室公園のレンジャクは、2,3羽残っていただけでした。
あんなにたくさんのヤドリギの実がすっかり食べつくされていましたもの。

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でも、行き会えてよかった!!
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ヒレンジャクさん。待っててくれてありがとう。
by nenemu8921 | 2015-03-18 21:34 | 鳥・動物 | Comments(22)

ヒレンジャク

(略)
やどり木のまりには艸 (くさ) いろのもあって
その梢から落ちるやうに飛ぶ鳥もある
                  詩「人首町」

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詩「人首町」(ひとかべちょう)は、現在の奥州市江刺区米里の人首町という地名である。
不思議な名前ですね。
「春と修羅第二集」中の作品。1924年3月25日の日付がある。

ヤドリギから飛び立つ鳥はレンジャクとはかぎらないけれど、イメージとしてはこの鳥である。
レンジャクがヤドリギの果実を食べたあと、落とす排泄物が小枝に付着して、種子が頒布される。
4枚目の画像、まさにこんな状況のわけです。


ご心配をおかけしました。無罪放免とまではいきませんが、元気になりつつあります。
多くの方にお見舞いをいただき、ありがたいことだと思いました。
少しづつでも、更新を続けたいと思います。よろしくお願いいたします。

3月の画像です。

どうしても会いたくて、無理をして出かけてしまった。先月のことです。
前橋市郊外の大室公園のヒレンジャク。
ああ、行き会えてよかった!!
しかし、冷たい風の中で1時間ほど立っていただけで、体調悪化。

いろいろ反省している今年の春です。

by nenemu8921 | 2014-04-07 21:37 | 鳥・動物 | Comments(28)

ヤドリギ

(略)
次の丘には栗の木があちこちかがやくやどり木のまりをつけて立ってゐました。
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そのまりはとんぼのはねのやうな小さな黄色の葉から出来てゐました。
その葉はみんな遠くの青いそらに飛んで行きたさうでした。
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若い木霊はそっちに寄って叫びました。
「おいおい、栗の木、まだ睡ってるのか。もう春だぞ。おい、起きないか。」
栗の木は黙ってつめたく立ってゐました。若い木霊はその幹にすきとほる大きな耳をあてゝみましたが、中はしんと何の音も聞こえませんでした。
若い木霊はそこで一寸意地悪く笑って青ぞらの下の栗の木の梢を仰いで黄金色のやどり木に云ひました。
「おい、この栗の木は貴様らのおかげでもう死んでしまったやうだよ。」
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やどり木はきれいにかゞやいて笑って云ひました。
「そんなこと云っておどさうたって駄目ですよ。睡ってるんですよ。僕下りて行って貴方と一諸に歩きませうか。」
「ふん、お前のやうな小さなやつがおれについて歩けると思うのかい。ふん。さようならっ。」
やどり木は黄金色のべそをかいて、青いそらをまぶしさうに見ながら
「さよなら。」と答へました。
(略)
                                  童話〔若い木霊〕


ヤドリギ(ヤドリギ科ヤドリギ属)Viscum album  宿木
ケヤキ、エノキ、ブナ、クリ、ミズナラなど落葉樹の大木に寄生する常緑小低木。大きくなるとこんもりと円くなり、
直径50~60cmになる。北海道から九州までほぼ全国的に分布。

賢治はやどり木がお気に入りで、作品にはしばしば登場させている。

前橋からの帰途、高速に乗る前に 大室公園に初めて行ってみました。
グットぐんまさんの ご紹介で、立派なヤドリギがあることを聞いていたからです。
驚きました。エノキや桜の木などに、立派なヤドリギがたくさん着いていました。
こんなすごいのを見たのは初めてです。
そして、もしかしたら、レンジャクに会えるかなと期待しました。

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by nenemu8921 | 2011-02-15 08:09 | 植物 | Comments(22)

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