タグ:小岩井農場 ( 14 ) タグの人気記事

こゝの凍つた池

冬にはこゝの凍つた池で
こどもらがひどくわらつた
(今年は暖冬で池は凍っていない。以前来た時はこの池がわからなかった)

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(略)
氷滑りをやりながらなにがそんなにをかしいのです
おまへさんたちの頬つぺはまつ赤ですよ
(偶然、まきば園の入り口で家族つれらしい観光客に出会った。
子どもはいつの時代でも雪と遊ぶのが好きだ)

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桜の木には天狗巣病がたくさんある
              詩「小岩井農場」
(小岩井の桜は、なるほど天狗巣に罹った木が目立つ。少し気をつけて見れば、あっちにもこっちにもある。
天狗巣病は植物病害の一種で、樹木の枝が異常に密生する奇形症状を示すものの総称。高い木の上に巣のような形ができるためこの名がある。英語ではwitch's broom もしくはwitches' broom(魔女のほうき)という。賢治が知っていたら、きっとこの語句を使ったに違いない。

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おまけも見てね。

More おまけです。
by nenemu8921 | 2016-03-16 00:23 | 場所 | Comments(7)

アケビ

予約投稿しています

心象のはいいいろはがねから
あけびのつるはくもにからまり
のばらのやぶや腐植の湿地
いちめんのいちめんの諂曲模様
(略)
                   詩「春と修羅」


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アケビ(アケビ科アケビz属)Akebia quinata 木通、通草

諂曲(てんごく)は事実をゆがめ、心にもないことを言って媚びること。
醜い諂曲的心象をアケビの蔓に表徴させている。


もう入口だ〔小岩井農場〕
  (いつものとほりだ)
混んだ野ばらやあけびのやぶ
〔もの売りきのことりお断り申し候〕
(略)
              詩「小岩井農場」パート三


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ミツバアケビ(アケビ科アケビ属) Akebia trifoliata 三葉木通、三葉通草


アケビもミツバアケビも野山に自生する。野山のアケビの蔓や藪はすさまじい勢いだ。
きれいな画像にまとめるのは、難しい。雄花と雌花の両方にピンをあわせると、背景が煩雑になる。
by nenemu8921 | 2015-04-21 09:21 | 植物 | Comments(8)

カラマツ

(略)
馬車のラッパがきこえてくれば
ここが一ぺんにスヰツツルになる
遠くでは鷹がそらを載つてゐるし
からまつの芽はネクタイピンにほしいくらゐだし
いま向ふの並樹をくらつと青く走つて行つたのは
(騎手はわらひ)赤銅の人馬の徽章だ
                   詩「小岩井農場 パート三」


1、
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2、
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3、
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4、
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5、
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歌われているのは小岩井農場の五月の風景。
撮影したのは、六月の富士山五合目で。

ようやく念願のカラマツのネクタイピンが撮影できました。カラマツの雌花です。
これがマツボックリになります。4の画像のように。
by nenemu8921 | 2013-06-03 11:25 | 植物 | Comments(16)

新芽

翌朝はすっきり晴れてすばらしい一日になりました。
宿周辺の朝の散歩で見つけたもの。

これらのからまつの小さな芽をあつめ
わたくしの童話をかざりたい

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ラリックス ラリックス いよいよ青く
                  詩「小岩井農場」  
               
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カラマツ(マツ科カラマツ属)Larix kaempferi 落葉松、唐松
ラリックスはからまつの学名からの賢治お気に入りの呼び方ですね。

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by nenemu8921 | 2013-05-15 06:03 | 植物 | Comments(10)

やなぎ

春一番といえば、何といってもこの花です。

葱いろの春の水に
楊の花芽(ベムベロ)ももうぼやける…
                           詩「小岩井農場」
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紺紙の雲には日が熟し
川が鉛と銀とをながし
楊の花芽崩れるなかに
           詩〔一昨年四月来たときは]
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やなぎは蜜の花を噴き
           詩「北上山地の春」
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春を歌った作品には、いつも背景に楊(やなぎ)の描写がある。
   カワヤナギの類は身近な植物であったろうし、賢治のお気に入りでもあった。


   今年は春が遅い。
       毎年気にかけている水元公園のこのネコヤナギの木、
            昨年は2月半ばにほころび始めていたのに、
                今年は2月末、ようやく蜜の花を咲かせたのは一輪だけだった。
          でも、これから駆け足で春はやってくる。撮影も楽しくなる。

          イーハトーブの春はこれからである。
by nenemu8921 | 2012-02-25 07:22 | 植物 | Comments(18)

小岩井農場

午後の新幹線で岡山へ帰るという友人のために、盛岡の友人とともに小岩井農場半日コースで遊びました。
何度も訪れる小岩井ですが、そのたびに新しい発見があります。
一本桜が見たいというので訪れてみると
紅葉には早いし、雪には遠いし、花は来年…。
けれども空の面積が広いので、「ああいいな、せいせいするな」という気分になります。
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クリックして画像を大きくしてご覧くださいね。
こちらに雪景色の一本桜があります

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春子谷地から岩手山を眺めると、いつも「たつたいまできたばかりのやうにうるうるもりあがって」いるのですが、
今日は、たった今できたばかりのような雲をふわふわ纏っておりました。手前は鞍掛山です。

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相の沢キャンプ場の松林にはガマズミの実が美しかった。

私はずゐぶんはやく汽車からおりた
そのために雲がぎらつとひかつたくらゐだ
(略)                   詩「小岩井農場 パート一」

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当時の橋場線(現田沢湖線)の小岩井駅で下車したのである。
当時の面影を伝える小岩井駅。

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駅前には最近「小岩井農場」の長詩の一節をきざんだ詩碑が建てられている。

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賢治はこの道を行ったのです。

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小岩井印のバターやチーズの元ですか?!

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眼と眼が合ったら、いきなりダッシュしてきたので、ビックリしました。

本部の気取った建物が
桜やポプラのこっちに立ち
            詩「小岩井農場パート四」
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当時は農場本部。現在は管理部。明治36年に建てられた木造の洋風デザイン。飾りのついた望楼が備わっていたため気取った建物と言ってみたか。

長詩「小岩井農場」を画像で表現するのは何日もかかりますね。今回はここまで。




昼前に友人たちと分かれて、一人で安比のブナ林へ行きました。
いい時間を過ごしましたが、空模様がイマイチでした。
帰途、ホテルへ戻る途中、空が真っ赤に燃えました。
あまりすごいので、あわててイオンの屋上駐車場につけて、撮りました。
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秋田駒ケ岳の位置わかりますか?中央よりやや右手のとんがりです。

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岩手山です。

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日が暮れた後はキキョウ色に空が変わるのだと実感しました。明るく撮ってみました。
9月23日のことです。あら、もう賞味期限切れですね。
by nenemu8921 | 2010-10-07 22:58 | 場所 | Comments(14)

キジとヤマドリ

略)
それから眼をまたあげるなら
灰いろなもの走るもの蛇に似たもの 雉子だ
亜鉛鍍金(あえんめっき)の雉子なのだ      
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小岩井農場を行く賢治。林を抜けていくと、目の前にキジが飛び出した。
賢治も愕いたが、キジもじっと身を潜めていたのだ。
ぎりぎりの距離まで人が接近したとき、飛び出して走り、はげしく羽ばたいて飛び立つのである。
亜鉛引き鉄板(トタン)は溶接した亜鉛の中を鉄板が潜っていくので、その亜鉛の薄膜はきれいな結晶模様がならぶ。
キジの美しい羽模様はその連続模様を連想させるのだ。
亜鉛鍍金のキジとは博識の賢治ならではの表現だ。

あんまり長い尾をひいてうららかに過ぎれば
もう一疋が飛びおりる
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おそらく番(つがい)だったのだろう。繁殖期には雄が2羽以上の雌を連れていることもある。
秋冬には雌雄それぞれが別の群れを作っていることが多い。

山鳥ではない
   (山鳥ですか? 山で? 夏に?)

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ヤマドリは近縁種のキジによく似ている。
目の前の長い尾をひいて走り行くものを一瞬山鳥かなと詩人の頭をよぎる想いがある。
英名 copper pheasantは、銅色のキジの意味。
亜鉛鍍金のキジと銅色のキジと、ことばもまた連想ゲームになっているのが宮沢賢治の世界だ。

(略)
啼いてゐる
それが雉子の声だ
           詩「小岩井農場」(パート四
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画像提供はすべてfieldnoteさんです

ケーンケーンと啼く声を聞けば、ああ、やっぱりキジだと納得する。

キジ(キジ科)雉、雉子
各地の住宅地から丘陵地の低木林、河川敷、草原、大きな緑地などに周年生息する。
他の作品では家の中までキジが入ってくる詩もある。

ヤマドリ(キジ科)山鳥
本州から九州までの山地に留鳥として生息する。尾が非常に長い。

今回の記事は昨年の《宮沢賢治と鳥っ子展》から拾ってみました。
ご協力をを戴いたfieldnoteさんはブログ「野のものたちの記憶」を展開中です。
今後もすこしづつご紹介して行きます。
by nenemu8921 | 2009-06-05 09:14 | 鳥・動物 | Comments(14)

うぐいす

(略)
山ではふしぎに風がふいてゐる
嫩葉(わかば)がさまざまにひるがへる
ずうつと遠くのくらいところでは
鶯もごろごろ啼いてゐる
その透明な群青のうぐひすが
   (ほんたうの鶯の方はドイツ読本の
    ハンスがうぐひすでないよと云った)
                   詩「小岩井農場」パート一


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画像提供は阿出川栄次さんです。

ウグイス(ヒタキ科ウグイス亜科)鶯
全国の低地から山地のササのあるところで繁殖する。山地や北の地方のものは冬は暖地へ移動。
市街地の公園や庭の茂みや垣根にも来る。

作品は、長詩「小岩井農場」のパート一、駅から歩き始めたところだ。時は五月。新緑の季節。
鶯もごろごろ啼いてゐるとは、鳴き声の比ゆではない。
あっちにもこっちにもごろごろいて、さえずりが響くという風である。
透明な群青のうぐひすはその声の質感からの形容詞だ。
ハンスは、アンデルセン(ハンス・クリスチャン・アンデルセン)のこと。アンデルセンの童話「ナイチンゲール」のお話を思い出しての呟きである。

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by nenemu8921 | 2009-05-30 17:29 | 鳥・動物 | Comments(5)
(略)
やつてるやつてるそらで鳥が
  (あの鳥何て云ふす 此処らで)
  (ぶどしぎ)
  (ぶどしぎて云ふのか)
  (あん 曇るづどよぐ出はら)
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画像提供は阿出川栄次さんです

(略)
遠くのそらではそのぼどしぎどもが
大きく口をあいて咽喉の粘膜に風をあて
めざましく雨を飛んでゐる

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画像提供はfieldnoteさんです

(略)
  (ぼどしぎのつめたい発動機は……)
ぼどしぎはぶうぶう鳴り
いったいなにを射たうといふのだ
(略)
               詩「小岩井農場」パート七

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画像提供はfieldnoteさんです

オオジシギ(チドリ目シギ科)大地鴫
夏鳥として本州中部の高原、東北地方、北海道に渡ってくる。
ぼどしぎ、ぶどしぎはこの鳥の地方名である。

小岩井農場を歩いていて、出会ったこのオオジシギのディスプレイフライトに宮沢賢治はさぞ愕いたことだろう。
農夫に尋ねると「ぶどしぎ」と言う。
ジェッ、ジェッ、ジャッチャージャッチャー、ゴゴゴゴォゴーゴゴゴゴォゴーとけたたましい羽音は、雷シギとか、ジェットシギという異名があるが、賢治は発動機と表現している。
小岩井農場が出来て未だ間もない時期には、オオジシギも沢山いたのだろう。
昨今ではめったに出会えない鳥になってしまった。

ぶうぶう   「ぼどしぎ」たぁ 俺のことかとオホジシギ      濃藍
入沢康夫さんの「わが似非俳句処女作」のなかの一句です。
  
by nenemu8921 | 2009-05-27 07:57 | 鳥・動物 | Comments(6)

小岩井農場

(略)
日暮れからすっかり雪になりました。
外ではちらちらちらちら雪が降ってゐます。
(略)
「今夜は積もるぞ。」
「一尺は積もるな。」
(略)
                      短編「耕耘部の時計」
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この短編に描かれた舞台は小岩井農場がモデルと思われる世界です。

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by nenemu8921 | 2009-01-26 09:15 | 場所 | Comments(8)

宮沢賢治の愛した鳥や植物


by nenemu8921