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文学研究テクスト

文教大学で宮沢賢治を教えている大島丈志教授から届きました。ありがとうございます。
文学研究のためのテキストでしょうか。文学を研究するための知識と方法を身につけるためだそうです。
宮澤賢治に関しては、長詩「小岩井農場」を取り上げて、大島先生はその表現手法の魅力を丁寧に解説しています。直喩や隠喩、多彩なレトリックなどに言及しつつ。
ことに農場を歩きながら出会ったオオジシギへの驚愕とそれに関しての農夫との会話に焦点を当てているのが面白い。誰もが印象に残るシーンですもの。

賢治のほかに、志賀直哉、徳田秋声、小田作之助、松浦理英子、尾崎紅葉、大岡昇平、室生犀星、江戸川乱歩、太宰治、芥川龍之介、中野重治、田村俊子、高橋源一郎らの短編小説も取り上げられ、多くの若手の学者さんが文学研究への親切なアプローチを展開している。わあ、尾崎紅葉や志賀直哉を読むのってたいへんですね。
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昔、進学塾の講師をしていた友人が、数学や科学は学べば学力は尽きますが、国語は学びようがないですよ。教えようがないのですよ。
と言い、進学塾の講師をやめて、国語研究所を創設して活躍している噂を聞いたのはいつだったろうか。
しかし、AIが小説を書くという時代になった!(@_@) 

このテキストから学んで、新しい賢治研究が若い世代から生まれることを期待しよう。
大島先生、ご活躍、何よりです。「ブラたもり」も観ましたよ(^^♪



# by nenemu8921 | 2023-03-09 14:51 | 賢治情報・スクランブル | Comments(0)

NEO写楽です。

友人たちと新しい写真クラブを立ち上げました。
その名も「NEO写楽」! NEOはギリシャ語で新しいの意です。「雲はネオ夏型」とか賢治は書いていましたね(^^♪
江戸時代に突然現れて革新的な作品を残し、消えてしまった謎の絵師、写楽にあやかって、新しい作品をめざして、楽しく写そうという心意気であります。
超党派で多くの写真家の方が参加してくれました。今回は28名参加です。
会場はいつもの船橋市民ギャラリーです。
ぜひ、ご覧ください。
お待ちしています。
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# by nenemu8921 | 2023-03-06 13:13 | 写真関係 | Comments(4)

春近し

ようやく春めいてきました。
あたたかさに誘われて、近くのお寺や真間川を少し散歩しました。
つるつるの青空の下に河津さくらは満開。土筆が嬉しい姿を見せてくれ、残り鴨はピュイピュイと鳴き、歓迎してくれました。
友人たちや身近な人たちの温かいご厚意やはげましのおかげです。ありがとうございます。
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久しぶりのカメラはとても重く感じました。
PCも思うように動かず、焦りました。やれやれです。
多くの皆さんの温かいコメントありがとうございます。
しばらくはゆっくりとマイペースで続けたいと思います。
どうぞ、今後ともよろしくお願いいたします。
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# by nenemu8921 | 2023-02-28 00:18 | 植物 | Comments(6)

夢の魔力 「夢八夜」(私市保彦著)

「夢魔八夜」
アマタイばかりでなく、私市先生もまたすごいです。幻想文学の短編集を出されました。
とても美しい本です。ボルヘスにこだわり続けた私市先生の真骨頂がここにあります。
夢の真実、切実さは白昼の比ではありません。
八編の物語が収録されています。
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からくり時計の内部に閉じ込められる男、
銀の鍵を握りしめ琥珀色の光の先に箱舟を発見する散歩者、
静穏な日常の亀裂から姿をみせる奇怪な夢の物語。
心の深層から現れ出た八つの夢魔が織りなす幻想短編集。
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漱石は「夢十夜」を書きましたが、「夢魔八夜」は、身近な現代の日々の中からの夢の魔力です。
ぜひお読みください。

賢治研究の皆さんは島田清次郎も登場しますよ。と言ったら関心を持たれるかもしれません。
大正一〇年、家を出て、東京で暮らしていた賢治が図書館へ通いながら、関徳弥あての書簡に島田清次郎のことを書いています。。
一時期、天才と騒がれた人ですが、かなり変わった人だったようです。この島田清次郎は賢治の父と親しかった宗教家の暁烏敏のもとに出入りしていたとは初めて知りました。
以前、このブログで、紹介したことがあります。こちらをどうぞ。
https://nenemu8921.exblog.jp/22528152/
また、エドガー・ケーシーに言及している物語も興味深いです。ケーシーは、羅須地人協会時代、賢治を悩ませたキクイモの効用についても、述べています。
幻想文学の領域には実在した多くの不思議な人がいたのだなあと実感しています。賢治はケーシーに言及していませんが、もしその存在を知っていたら、のめり込んだかもしれません。

「夢は第二の人生である」と言ったのはボルヘスですが、夢の世界は限りなく、書き手を引き付けるようです。
賢治作品でも、明らかに夢の文体と思えるものもありますね。
古い友人で、枕元にペンと紙を用意し、目覚めた時に夢の記憶を書き続けたという人がいます。
昨年逝去されたそうで20歳から86歳までなんと60年余り、夢を追い続けたようです。
すごいことですね。
奥さまの話では、死の直前、宙に手をあげ、書くしぐさをされたとか、最後の夢はどんな夢だったのかと、奥様の手紙にありました。

祈る冥福。

# by nenemu8921 | 2023-02-12 13:48 | 賢治情報・スクランブル | Comments(2)

天沢退二郎氏逝く。『アマタイ句帳』

とうとう、天沢先生の訃報が届いた。
昨年末、思いがけず天沢先生から句集が届いたのですが、気になっておりました
『アマタイ句帳』(天沢退二郎著/思潮社刊/2022年7月31日初版
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なぜなら、マリ林(奥さま)の後記には、氏が「散歩中道路で転び言語中枢を負傷し只今入院中ですが」という一文があったからです。
詳細は分からぬまま、案じておりました。

最近、俳句も短歌もブームのようですね。私は不調法でたしなみませんが、友人からの句集や歌集をいただくたびに戸惑いと申し訳ないような気分になります。
60年代の現代詩の伝説と言われているアマタイが、どんな句を詠むのか、ドキドキしながら拝読しました。しかし、難解で、私にはさっぱりつかめませんでした。
こんな句です。
冬葱をぷつりと断れば環形動物(アンネリダ)
大空を凍れる海鼠(ナマコ)渡りけり

アンネリダと言えば、『春と修羅』第1集に、蠕虫舞手《アンネリダタンツエーリン》という作品がありますけれども。
手水鉢のボーフラを見つめて、その動きをアラベスクの飾り文字に例えて歌っています。
また、賢治の海鼠も空の雲の動きを例えたものが多いですね。

天沢氏は幽明偶輪歌平成13年(2001)刊)で、第53回読売文学賞詩歌俳句賞受賞されています。
ゆうめいぐうりんかと読みます。こちらも難解で、正直に言えば、ついていけません。
私が知っていたのは、賢治研究家としての天沢氏だけだったようです。

天沢先生と言えば、私が宮沢賢治学会の理事をしていたころ、何かとお会いする機会が多く、親切にご指導いただき、お世話になりました。
2004年には千葉賢治の会で宮沢賢治学会の地方セミナーを日蓮宗御本山清澄寺で行うことができ、基調講演をお願いしたことが忘れられない思い出です。
当時の新聞記事を紹介しますね。
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こちらをクリックすると、テレビ朝日の訃報記事が読めます。
https://www.tokyo-np.co.jp/article/227962

「千葉 死場 詩場」こちらではいつもの天沢先生の笑顔が見られます。
千葉はアマタイにとって、詩の場であり、、死の場でもあったわけですね。
https://edgeofart.jp/%E5%8D%83%E8%91%89%E3%80%80%E8%A9%A9%E5%A0%B4%E3%80%80%E6%AD%BB%E5%A0%B4%E3%80%80%E5%A4%A9%E6%B2%A2%E9%80%80%E4%BA%8C%E9%83%8E%E3%81%AE%E9%81%8E%E5%8E%BB%E3%81%A8%E7%8F%BE%E5%9C%A8/


宮澤賢治は短歌をおよそ一〇〇〇首、詩を一〇〇〇編残しましたが、俳句は30句ほどにしかすぎません。
研究者の間では、あまり評価されていない印象です。。
でも、どんな句を残したのか気になりますよね。(^_-)-☆
胡四王山の南斜花壇には賢治の句碑があります。こんな句です。菊花品評会の折のもの、風耿(フウコウと読みます。賢治の俳号です)

斑猫(はんみょう)は二席の菊にねむりけり
狼星(シリウス)をうかがふ菊の夜更(よふけ)かな
秋田より菊の隠密(おんみつ)はいり候(そろ)
花はみな四方(よも)に贈りて贈りて菊日和
水霜(みずじも)をたもちて菊の重さかな     風耿(ふうこう)賢治の俳号です。

猫じゃらし死ぬまで自転車一人旅  アマタイ

天沢先生のご冥福を祈ります。




# by nenemu8921 | 2023-01-31 13:24 | 賢治情報・スクランブル | Comments(0)

宮沢賢治の愛した鳥や植物


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