キジとヤマドリ
2009年 06月 05日
それから眼をまたあげるなら
灰いろなもの走るもの蛇に似たもの 雉子だ
亜鉛鍍金(あえんめっき)の雉子なのだ
小岩井農場を行く賢治。林を抜けていくと、目の前にキジが飛び出した。
賢治も愕いたが、キジもじっと身を潜めていたのだ。
ぎりぎりの距離まで人が接近したとき、飛び出して走り、はげしく羽ばたいて飛び立つのである。
亜鉛引き鉄板(トタン)は溶接した亜鉛の中を鉄板が潜っていくので、その亜鉛の薄膜はきれいな結晶模様がならぶ。
キジの美しい羽模様はその連続模様を連想させるのだ。
亜鉛鍍金のキジとは博識の賢治ならではの表現だ。
あんまり長い尾をひいてうららかに過ぎれば
もう一疋が飛びおりる
おそらく番(つがい)だったのだろう。繁殖期には雄が2羽以上の雌を連れていることもある。
秋冬には雌雄それぞれが別の群れを作っていることが多い。
山鳥ではない
(山鳥ですか? 山で? 夏に?)
ヤマドリは近縁種のキジによく似ている。
目の前の長い尾をひいて走り行くものを一瞬山鳥かなと詩人の頭をよぎる想いがある。
英名 copper pheasantは、銅色のキジの意味。
亜鉛鍍金のキジと銅色のキジと、ことばもまた連想ゲームになっているのが宮沢賢治の世界だ。
(略)
啼いてゐる
それが雉子の声だ
詩「小岩井農場」(パート四
ケーンケーンと啼く声を聞けば、ああ、やっぱりキジだと納得する。
キジ(キジ科)雉、雉子
各地の住宅地から丘陵地の低木林、河川敷、草原、大きな緑地などに周年生息する。
他の作品では家の中までキジが入ってくる詩もある。
ヤマドリ(キジ科)山鳥
本州から九州までの山地に留鳥として生息する。尾が非常に長い。
今回の記事は昨年の《宮沢賢治と鳥っ子展》から拾ってみました。
ご協力をを戴いたfieldnoteさんはブログ「野のものたちの記憶」を展開中です。
今後もすこしづつご紹介して行きます。
今でも少なくないけれど、昔はたくさんいたのでしょう。
鮮やかな写真ですな。
灰色なもの、走るもの、蛇に似たものというのがすごいですね。
蛇に似たものとはフィールドワークの積み重ねがないと表現できないですね。
解説しろといわれたら困りますね(*^_^*)
シックできれいな鳥なんですね。模様も素敵!
ヤマドリやコジュケイさんにはぜひお目にかかりたい!!
今日木戸浜に行ってきました。
アジサシ、コアジサシ、シロチドリ、ミユビシギ、キョウジョシギ、
オオソリハシシギ、オバシギがいました。
変わったアジサシさんはまだのようです。
コロニーの中に浜昼顔が咲いていました。
写真はやはりお天気のほうがいいですね
灰色なもの、走るもの、蛇に似たものは、すべて同格で、走るキジの形容でしょう。
野外でキジに出会ったことのある人は、なるほど…と思うでしょうね。
でも、蛇そのものに出会う体験もまれでしょう。
まあ、宮沢賢治は面白いですね(*^_^*)
まあ、さっそく行ってくださったの!
かなり入っているわけですね。スゴイ!!
アジサシのコロニーは多いのかしら。
近々行ってみます。
でもこの天候と私の予定が折り合うといいのですが…。
コアジサシも雨がひどいとかなりツライでしょうね(~_~)心配です。
本当にありがとうございます。
UP楽しみにしていますよ(*^_^*)
くわしく羽の色を見たのは初めて。きれいなものですね。
ツガイのようですね。fieldnoteさんのBlogにも飛びました。
素敵な写真がいっぱい。うっとりしました。
そうですね。別荘地にも多いし、畑地でも見かけることが多いです。
逃げ足が速いので、なかなかじっくり見られませんね(~_~)
飛ぶもの、羽ばたくものというより、やはり走るもの、のイメージが強いです(*^_^*)
日本の国鳥だけあって、
古から詩詩に詠まれ
書画~陶芸~木彫迄…
それほど人々に親しまれ、
生活の中にあったのですものね…!?
確かに羽の金属光沢は、当に亜鉛メッキそのもの、
寺院の鳳凰は金工作品ですものね!!
でもそれだけでは無くって、
宮沢賢治は未来を見据えていて、
キジさんの姿にロボットを見たのかも…!?