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はぎぼだし(ホウキタケ)

楢渡(ならわたり)のとこの崖はまっ赤でした。(t略)
「おいおい、どこからこぼれて此処らへ落ちた? さらはれるぞ。蕈のうんと出来る処へ連れてってやらうか。お前なんかには持てない位蕈のある処へ連れてってやらうか。」
(略)
「さあ来たぞ。すきな位とれ。左の方へは行くなよ。崖だから。」
そこは柏や楢の林の中の小さな空地でした。はぎぼだしがそこにも此処にも盛りになって生えてゐるのです。

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「いいか、はぎぼだしには茶いろのと白いのとあるけれど白いのは硬くて筋が多くてだめだよ。茶いろのをとれ。」(略)
理助はもう片っぱしからとって炭俵の中へ入れました。私もとりました。ところが理助のとるのはみんな白いのです。白いのばかりえらんでどしどし炭俵の中へ投げ込んでゐるのです。(略)
「おれのは漬物だよ。お前のうちぢゃ蕈の漬物なんか喰べないだろうから茶いろののを持って行った方がいいやな。煮て食ふんだろうから。」           童話「谷」

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ホウキタケ
ホウキタケ科のキノコ。高さ約15センチ。上部がサンゴ状に多くの枝に分かれ、全体に白く、先端だけ淡紫色。秋に広葉樹林内に生え、食用。別名ねずみたけ。

この8月末にお世話になった花巻の宿、ナラ林で見つけたきのこです。
宿の主の話ではホウキタケだということでした。サンゴ色のものが今朝のもの、茶色のは古いものと教わりました。でも食用にはしないとのことでした。
どうも調べてみるとハナホウキタケかなと思います。
ハナホウキタケ 9~10月にコナラ、クヌギ林に発生する。
根元から枝を分けたサンゴ状で、橙紅色~桃黄土色。弱い苦味があり、強くはないが毒性があると図鑑にはあります。





物語は次のように続きます。

そして私たちは野原でわかれて私は大威張りで家に帰ったのです。すると兄さんが豆を叩いてゐましたが笑って言ひました。
「どうしてこんな古いきのこばかり取って来たんだ。」
「理助がだつて茶いろのがいいって云ったもの。」
「理助かい。あいつはずるさ。もうはきぼだしもすぎるな。おれもあしたでかけるかな。」(略)
                                            童話「谷」

たしかに茶色のは古い(きのこだったようです。

地元の方でもハギボダシは識別が難しそうですが、盛岡駅の地下には立派なハギボダシが立派なお値段で並んでいました。
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翌年、少年「私」は友だちの藤原慶次郎君を誘って出かけ、新しいハキボダシの群生地も見つけるのです。(理助は北海道へ行ってしまっていたのです。)
「おい、ここは新しいところだよ。もう僕らはきのこ山を二つ持ったよ」
きのこ山は家族にも奥さんにも教えないというのが常識だそうですが…。
Commented by ケイタロー at 2009-10-08 15:57
サンゴみたいにきれいですね。
やはりきのこの見極めは難しそうですね。

この「谷」は何処なのか、気になります。
作品舞台について言及した論がありますか?
Commented by nenemu8921 at 2009-10-08 19:26
ケイタローさん。こんばんわ。
きれいなキノコはちょっとコワイですね(^^♪

「谷」がどこか分かれば、行ってますよォ。

写真撮りではなくて、キノコ採りに。(#^.^#)
Commented by matsu_chan3 at 2009-10-08 20:13
こんばんは
ほんとサンゴのようなキノコですね。
勿論食べたことがないが食用ですか・・・勇気がいるな(^_-)-☆
Commented by ミチ at 2009-10-09 17:55
薄茶色の立派なはきぼだしはマイタケを細くしたようですね。
食べてみたいです。おかげさまで昨日、N先生の講義は「けんじときのこ」で興味深く楽しいひと時でした。
Commented by nenemu8921 at 2009-10-09 19:07
matsu_chanさん。
北海道はからっとしていてキノコは少ないでしょうか?
東京の公園などでもたくさんキノコは見られます。
植栽される樹木とその土と共に運ばれてくるようです。
でも、公園のキノコは食べるのは勇気が要ります(^^♪
Commented by nenemu8921 at 2009-10-09 19:09
ミチさん。
ハギボダシはエノキダケに似た食感だそうです。
よかったです。Nさんのお話は歯切れがよくて、面白かったでしょう。(^^♪
Commented by saitamanikki2008 at 2009-10-09 20:29
ホウキタケは、綺麗な色をしていますね。
関係ない事ですが、ほうき草も秋になると、こんなピンク色になりますョ。
秋には、キノコ狩りをしたいですが、毒キノコが怖いです。
チョット値が張るようですが、販売されているのを賞味した方が良さそうですね。
Commented by tamayam2 at 2009-10-11 08:59
まあ、見事なものですね。赤いものは珊瑚のようです。
下の記事のフタ肉のシオガマには、のどをゴクリ。
東北地方の味の文化は奥が深いですね。
Commented by nenemu8921 at 2009-10-13 10:54
saitamanikkiさん。
そうですね。私の下ノ畑のホウキグサ(コキア)も色づいています。(^^♪
宮沢賢治は花壇設計もたくさんした人です。
今で言えば、ガーデンプランナーでしょうか。
ホウキグサはお気に入りだったようで、コキアという名前でよく出てきます。(#^.^#)
Commented by nenemu8921 at 2009-10-13 10:56
tamayamさん。
その土地それぞれの植物があり、料理があるのは楽しいものですね。
by nenemu8921 | 2009-10-07 21:27 | Comments(10)

宮沢賢治の愛した鳥や植物


by nenemu8921