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鹿踊り

〈略〉
こっちが知らないで
ただ鹿踊りだと思って見てゐたときに
この人は面の下の麻布をすかして
踊りながら昔の友だちや知った顔を
横眼で見たこともたびたびあったらう
〈略〉
                     詩〔こっちの顔と〕


竪沢鹿踊保存会の「鹿踊」
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郷土芸能祭では、神楽だけではなく、鹿踊りやさんさ踊りなどなど多くの岩手県大迫地域の郷土芸能を
見ることができました。
いつも花巻の賢治祭で拝見する鹿踊りは長いささらをかざしたものですが、
これはまた衣装も異なり、雰囲気の違った鹿踊りで興味深かったです。
面の下の麻布から踊り手の表情が見える写真などはなかなか撮れないものなので、
興奮しながらシャッターを押しました。

詩〔こっちの顔と〕は、口語詩篇に分類されている作品。
前後の詩句を勘案すれば、稲作の肥料相談に訪れたところ、出会ったこの人は町の高等科へ通ってきていた中の一人。その後、秋祭りのおり、鹿踊りの仲間と豊沢町を悠々と通っていった人だった。
そのときの相手の心情を推量しているのである。
「そこでこれからおれは稲の肥料をはなし/向ふは鹿踊りの式や作法をはなし/夕方吹雪が桃いろにひかるまで/交換教授をやるといふのは/まことに愉快なことである」と結ばれている。
交換教授なんて、宮沢賢治らしいですね。



小さな子どもも参加しての演目もありました。
旭の又神楽保存会による「大傘踊り」
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八木巻さんさ踊保存会による「さんさ踊り」
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さんさ踊りは盛岡で、見たことがありますが、これはまた楽しいさんさ踊りでした。
Commented by saitamanikki2008 at 2010-10-05 15:11
こんにちは。
伝統芸能は、神社の境内・神楽殿などで見ることがありますが、
笛や太鼓で踊る姿に、優しさが感じらます。
ゆるい踊り・激しい踊り どちらも「日本の里」が感じられ好きですョ。

↓の ヒガンバナ便り 
蝶と一緒に本当に綺麗に撮りましたね。
来年は、このような蝶・ヒガンバナ撮りたいな~。
松戸の祖光院の一面のヒガンバナ も見事です。
Commented by matsu_chan3 at 2010-10-05 17:59
竪沢鹿踊保存会の「鹿踊」は観ていて楽しそうですね。
エゾシカとは違う表情もまた楽しいです!
いつまでも残したい郷土の芸能ですね(^_-)-☆
Commented by odamaki719 at 2010-10-05 18:05
こんばんは✿
鹿踊りの衣装の色彩の綺麗なこと素晴らしいです。
神楽の衣装も素晴らしいのに感銘を受けました。
昔からの衣装なのでしょうかいいものは綺麗ですね。
Commented by kimiko_shibata1 at 2010-10-05 19:39
こんばんは
偶然に花巻農業高校と岩手大で鹿踊りの練習風景を見てきました。
鹿踊りについてはまだ何も知らず(調べてなくて)・・・
賢治さんも見ているのですね。

お子さんの表情がいいですね~
Commented by nenemu8921 at 2010-10-05 21:08
saitamanikkiさん。
お好きですか?
こうした郷土色ゆたかな芸術もいいですよね。
踊っている人が緊張し、真剣なのですが、でも、楽しんでもいる様子で、こちらもいい感じでした。
ヒガンバナは毎年撮りますが、単独で仕上げるのは難しいです。
つい、蝶や蛙に付き合ってもらいます(^_^)
Commented by nenemu8921 at 2010-10-05 21:12
matsu_chanさん。
勇壮でもありました。
かなり難しいステップや動作だと思います。
デフォルメされたお面も芸術だと感じました。
負けずにわれわれも芸術作品になるような写真をとりたいものですね。
えへへ……。
Commented by nenemu8921 at 2010-10-05 21:20
odamakiさん。
衣装も幕もお面や頭も、みな伝統的なものでしょうが、面白いですよね。
そういえば、早池峰神楽を見たときには、海外のデザイン関係の人やバレエ関係の人なども来ていてビックリしました。
Commented by nenemu8921 at 2010-10-05 21:25
kimikoさん。あら、やっぱり!!
花農の生徒さんたちも賢治祭で踊るのですよ。
今年は剣舞でしたが、昨年は鹿踊りクラブががんばったと思います。
動きが激しい上に、衣装が重いので、たいへんだとか。

賢治童話に「鹿踊りのはじまり」という、とてもすばらしい物語があります。
機会があったらぜひ、読んで見てください。
ぞくぞくするほど、いい物語なんです。(^_^)
Commented by ケイタロー at 2010-10-06 07:10 x
鹿おどりですか。
こんな詩もあったんだ。これは知らなかったなあ。
下書き稿一みたいなわかりやすい詩ですね。
獅子踊り風でもありますね。


Commented by nenemu8921 at 2010-10-06 10:21
ケイタローさん。
賢治は鹿踊りを踊ることはなかったでしょうが、身近に演手は居たということですね。
昔を思い出して、相手の心情をはかるところが賢治ですね。
鹿踊り?、獅子踊り? ふん、面白いですね。
by nenemu8921 | 2010-10-05 07:06 | 伝承 | Comments(10)

宮沢賢治の愛した鳥や植物


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