水元で出会った野草 ノバラの実
2010年 11月 09日
鐘をならせばたちまちに、部長訓示をなせるなり。
文語詩 「式場」
赤きみゆふののいばらを
液量計の雪に盛る
鐘を鳴らせばたちまちに
かしらを下しまた反りて
部長訓示をなせるなり
文語詩 「式場」(下書稿)
Rosa multiflora 野茨
山野にふつうに生える落葉低木で高さ2mほどになる。枝にはとげが多い。円錐形の花序に直径2~3cmの白色の5弁花を多数開く。分布は日本全土。
文語詩一百篇の作品である。文語詩篇ノートに、「ノバラ、アケビ、ツルウメモドキノ藪、雪、シリンダー、内務部長」のメモが1926年、1月の項にある。
国民高等学校の折の出来事らしい。開校式か、卒業式であろうか。
「岩手国民高等学校」は、1926(大正15)年、1月、花巻農学校に開設された。デンマーク式に即ったもので岩手県が三ヶ月の短期間に農村の指導者を養成する目的(文化の向上・成人教育・地方自治の基礎)で、行ったもの。
校長は県の内務部長だった。
このとき、農学校でも宮沢賢治ら、期間中嘱託となって講座を受け持ったという。
壇上には雪を盛った円筒形の器に真っ赤な野茨の実を飾った式の会場である。
開会を告げる鐘が鳴ると、県の部長は即座に壇上に立ち、訓示をたれるのだった。
と、そんなところだろうか。
下書き稿を勘案すれば、県のお役人はしきりに頭を下げたり、又ふんぞり返ったりしていた様子である。
ノバラの実が色づく時期は、野原の木の実、草の実が色づく季節でもある。
こんな詩があったのですか。知らなかった。
賢治はエリート役人には反感を持っていたのですかね。
氷の雫、野茨ですか。
「氷のしずく、野いばらを」の表記の方が自然だし、わかりやすいように思いますが。
宮沢賢治って独特ですね。
野草花は雨上がりが一層綺麗です!
文語詩はなじみがない作品もたくさんありますね。
でも、読み込めば、いい作品がかなりあります。
エリート役人に反感を持っていたかどうか。
役所の人を素材にしたものは多いですよね。
表記はひらがなの使い方で、わかりにくいものがかなりあります。
漢字の使い方も、当時の漢文の素養があった世代にしては、破調ですね。
ノバラの実もヒヨドリジョウゴの実もいいですよね。
明るい秋の空に似合います。
ヒヨドリジョウゴはひよどりが好んで食べるからというネーミングの由来が図鑑にありましたが、本当かしら。
でも、ひよどりは何でも食べますね。
私もよくノバラの紅い実を飾ります。
シリンダーではなくて、小さな藤の籠にですが。
上の画像は、朝日が後ろから、おはようと声をかけているようですね。
さわやかな一日が約束されるみたいです。
失礼しました。こちらのコメント気づかずにおりました。
ノバラの実(ローズ・ヒップ)は、確かにシリンダーより、籐の籠のほうがよく似合うと思います(^.^)
朝日の挨拶なんて、ステキな感想をありがとう。
失礼しました。こちらのコメントに気づかずにおりました。
だいぶ時間がたってしまいましたね。
長足の進歩? 気は短いのですが、足は確かに長いですよ。背が高いだけです。(^_-)-☆
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