パンの木の実
2014年 07月 17日
風のモナドがひしめき
東もけむりだしたので
月は荘厳なパンの木の実にかはり
その香気もまたよく凍らされて
はなやかに錫いろのそらにかゝれば
白い横雲の上には
ほろびた古い山彙の像が
ねづみいろしてねむたくうかび
ふたたび老いた北上川は
それみづからの青くかすんだ野原のなかで
支流を納めてわづかにひかり
そこにゆふべの盛岡が
アークライトの点綴や
また町なみの氷燈の列
ふく郁としてねむってゐる
(略)
詩「有明」
月をパンノキの実に例えているのである。
明け方、盛岡の町を見下ろす場所に立っていると思われるが詳細は不明。
賢治の博識ぶりには舌を巻く。現代でも、日本でパンノキの実に実際に出会うのは稀なことだ。
たまたま立ち寄った千葉市の三陽メディアフラワーミュージアムの温室で見つけた。
世界最大の果実というキャッチフレーズが添えられていた。
月のイメージとしては細長いなあと思ったら、世界には丸いパンノキの実もあるようだ。
こちらはWikipediaで拾ったパンノキの実の画像です。
同様に、中国雲南省昆明での路上販売のスナップ。美味しいのかな? 味見したいですね!
パンの実・・聞いたことがあるがパンの味がするのかなぁ~♪♪
勿論見たこともありませんが珍しいですね。
「パラミツの果実はパイナップルとクリを足して2で割って、油っぽくした様な味がする。強烈な芳香(臭いはパイナップルやバナナが熟しすぎて、腐敗したような甘ったるい臭い)と濃い味、腹持ちの良さ、目の前にある膨大な果肉量などから、すぐにお腹いっぱいになってしまう果樹である。正直、あまりおいしいものではないと思われます…」というお声がありました。
大変ですよぉ~
コメントをいただき、パンノキという珍しいものを拝見できました。
日本で実物の見られたのですね。
賢治さんも知っていたとは!
海外の切手にデザインされていて実物を見たいと思っていました。